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ミステリーもあればノーベル文学賞受賞作も!哲学者が遺した小説
難解なイメージから哲学書を敬遠されている方も多いと思いますが、哲学者の中には小説を残した人も多くいます。彼らの小説には、古典ミステリーやノーベル賞受賞作(のちに辞退)まで、読み物としての評価も高いものも。哲学書よりはハードルが低いかもしれない、哲学者としても小説家としても有名な著者の小説を紹介します。
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薔薇の名前 上
ウンベルト・エーコ(著) , 河島 英昭(訳)
ミステリーファンの間で今も人気の高い本書は、哲学者や記号学者などとしても活躍したウンベルト・エーコの小説です。中世イタリアの修道院を舞台に繰り広げられる怪事件に、派遣されてきた修道院たちが挑みます。そのストーリーにはエーコの思想や文学観が散りばめられ、知的な思想書としても読み応え抜群です。
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眼球譚〈初稿〉
オーシュ卿(著) , 生田 耕作(訳)
エロティシズムやグロテスクを扱う思想家として有名なジョルジュ・バタイユによる最初の著作。「オーシュ卿(トイレの神)」の名で発表されたこの本は、実はもともと彼の精神治療の一貫として書かれた物語でした。眼球やエロ・グロなど、その後のバタイユ思想のエッセンスが凝縮されています。
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クラシック音楽でも有名な「ツァラトゥストラ」は、ゾロアスター教の開祖の名。物語は宗教とは無関係ですが、人を超えた者となっていくツァラトゥストラの姿は、ある種の悟りを開く人として描かれます。難解な比喩や理不尽に思えるストーリー展開が続きますが、読めば読むほどハマるはず。ニーチェの思想が詰まった一冊です。
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嘔吐 新訳
ジャン‐ポール・サルトル(著) , 鈴木 道彦(訳)
マロニエの木の根の「存在」に嘔吐するシーンで知られる小説。サルトルはこの一作でノーベル文学賞に選ばれます。受賞は辞退したものの、本書の文学的な価値の高さは世界が認めるところと言えるでしょう。ある青年を通じて存在の不条理を描いた、一生に一度は読んでおきたい名作です。
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