すべてを忘れて楽しめる！ユニークな視点で綴られた笑えるエッセイ

朝井リョウのエッセイ集「ゆとりシリーズ」の完結編。自分をここまでさらけ出して大丈夫なのかと心配になるくらい、日々の出来事を赤裸々に綴っています。お腹の弱さからくるトイレの話や海外旅行の話など、普通の出来事も著者の視点で描かれるとスペシャルなおもしろエピソードとなり、ただただ笑いの渦に巻き込まれてしまうことでしょう。

『ちびまる子ちゃん』や『COJI-COJI』の世界観を彷彿とさせる、愉快でおもしろいエピソードが満載のエッセイ集。なかでも担当編集者を全力でお祝いする「おめでとう新福さん」は、さくらももこファンの間ではかなり反響があったエピソードだそうです。無駄なことにこそ全力を注ぐ姿勢が、なんとも痛快な名著です。

オタク気質で読書、観劇、ライブ鑑賞が好きな三浦しをんは、「人生は創作物を味わうためにある！」と豪語します。そうした日々の生活をユニークな言葉選びで紹介しているエッセイ集。近所の家族経営の本屋さんや歯科医など、各エピソードに登場する人物の描写やネーミングが秀逸で、どの話も笑わずに読了することは至難の業です。

流行に疎い北大路公子が、最先端の流行について綴ったエッセイです。必死に流行を追いかけるものの言葉の意味がわからない彼女は、独自の視点と想像力でさまざまな流行りモノやイベントを擬人化。そうして、勝手にストーリーを創り上げていきます。どこまでも広がる妄想と豊かな表現力には、感心しながらも笑いが止まりません。

哲学者・土屋賢二が、コロナ禍で感じたモヤモヤを的確に言語化したエッセイ集です。読めば、「いつも感じていたモヤモヤ！」と共感してしまうはず。外出自粛の状況下で行列に並ぶ人やテレワークについてなど、コロナ禍特有の現象に鋭い観察力でツッコミを入れる描写はクスッと笑えます。コロナ疲れにひと息つける一冊です。