短編から長編まで！没入感＆意表を突く展開が癖になる辻村深月のオススメ本

亡くなった人と一度だけ再会させてくれる使者（ツナグ）が存在する世界が舞台の、つらく、やさしく、心に響く物語が詰まった連作短編集です。2011年に吉川英治文学新人賞を受賞。2012年には、松坂桃李の主演で実写映画化もされた感動作です。

窃盗や放火などの犯罪をテーマにした5本の短編を収録。描かれる女性の閉塞感やリアルな心理描写が評価され、2012年直木賞を受賞した作品集です。ミステリー的な伏線回収にも定評のある著者ですが、今作にはそれがなく、他作品とはひと味違う一面が堪能できます。後味にザラっとしたものが残る、イヤミス的な読後感がある一冊です。

不登校の中学生7人が鏡の向こう側にある城に集結。そこでさまざまな経験をし、成長していく姿を描きます。2018年に本屋大賞を受賞。アニメ化や舞台化といったメディアミックスもされた、著者の代表作の一つ。辻村作品のよさや特徴がすべて詰まった最高傑作との呼び声も高い、珠玉のファンタジーです。

突然姿を消した婚約者を探す西澤架は、彼女の過去と向き合うことになり・・・。著者お得意の、もはや職人技ともいえる細かい内面描写はさすがのひと言。誰にでもあり得る「傲慢さ」と「善良さ」が徐々に浮き彫りになっていき、深く考えさせられる展開も見事なミステリー風味がある恋愛小説です。

『ドラえもん』のファンだと公言している著者が愛をふんだんに詰め込み、オマージュを捧げた一冊。ドラえもんのひみつ道具がたくさん登場し、ストーリーにも絶妙に絡みます。この作品がきっかけで『ドラえもん』の劇場映画の脚本を書くことになった・・・というエピソードでも知られる、少し不思議な物語です。