八方塞がりな気分・・・でも、まだ打つ手はある！と教えてくれる本

時給1200円に惹かれ、占い師となったルイーズ吉田。20分3000円で無難なことを伝えて占いを終えようとするも、たびたび訪問を受けるうち、客の話に真剣に考え込んでしまいます。悩みを誰かと話しながら心がどう変化していくかで未来は変わっていく、そんな風に勇気が出てくる一冊です。

さまざまな職業に携わる人たちの15の物語を収めた短編集です。目の前のことに懸命に取り組みながら、みなどこか「今」の状況にやるせなくなっています。彼女たちが迎えた結末を思うと、アンニュイな時間の隙間にも自分の知らないところで変化している事態があることに気づかされることでしょう。

突然他界した父親の書店を継ぐことになった秀三。近隣に大型書店ができ、経営はどんどん厳しくなっています。語り部は秀三に憑いた福の神なのですが、なぜか困難なことを引き起こすのです。つらい状況になって、はじめて行動できることもあります。自分の身に困難が訪れたとき、福の神が憑いてるのかも・・・なんて期待を持つことができるお話です。

両親を亡くした20歳の大学生・柏木聖輔。一人でどう生きればいいのか途方に暮れ、砂町銀座商店街を歩く彼の目に留まったコロッケがきっかけで、惣菜屋で働くことに。ただ毎日を粛々とこなしているように見える聖輔ですが、その日々こそが生きている証であり、たとえ名声や肩書きがなくても、その足跡は残っていくのだと心強くなるはずです。

さまざまな事情を持つ子どもたちにご飯を提供する、ある食堂とレストランのお話。細々と営業をしていたレストランが、ある日、衝突事故に見舞われます。修繕費の工面もままならないなか、起きたこととは。予測できない災難は誰にでも訪れます。だけどそんなとき、過去の自分や出来事が救ってくれるかもしれない、と思えるようになる一冊です。