本屋大賞を2回受賞！凪良ゆうの隠れた名作

血が繋がっていない小学生の百音と統理。2人が暮らすマンションの屋上には「縁切り神社」があります。統理が管理するその神社には、さまざまな縁を断ち切りたい人が訪れます。世間一般の幸せや普通とは違う人たちの想いが複雑に絡み合うなかで展開される、主要人物たちの会話に心が温まることでしょう。

下宿「すみれ荘」の管理人として、入居者たちと一緒に穏やかな日々を過ごしていた一悟。小説家を名乗る男・芥が一悟のもとを訪れるところから物語が始まります。どこか大人に成り切れない「すみれ荘」の住人たちは、どこまでもまっすぐな芥に影響され、秘密が次々と明らかになります。痛く切ない愛を描く凪良節が炸裂した小説です。

いろいろな幸せの形を描く凪良ゆうの原点ともいえる物語。事故死した夫の「鹿野くん」と不思議な生活をしている女性、特殊な親友を持つ少年、小さな子どもを愛する青年など4つの物語が描かれています。自分にとっての幸せとは何か？さまざまな事情を抱える登場人物たちを通して、問いかけられます。

もしも突然「人類滅亡」が宣言されたら、あなたはどうしますか？人生に未来を見出せない若者や、ある罪を抱えながら生きてきた人。それぞれ心に傷を負った人たちが最期の日を迎える時までの物語です。もしもの話の中にある生きづらさは、今の世の中と共通しているものも多く、登場人物たちに感情移入してしまうことでしょう。

無口でクラスメイトからキモウザ呼ばわりされている平良（ひら）と、美形でカリスマ的な存在の奏。2人の甘酸っぱい初恋を描いたBL小説です。立場も性格も違う男子高校生が少しずつ距離を縮めていく様子が微笑ましく、ページをめくる手が止まらなくなるでしょう。過激な描写がないので、BL特有の表現が苦手な方にもオススメ。