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昭和文学を締め括る名作群。昭和後期を象徴する小説
昭和文学の歴史は細かく分けても簡単に語れるものではありませんが、それでも前期・中期・後期と区分して時代の全体像をとらえることは、作品に触れる上で大きな取っかかりになります。ここでは昭和時代の終盤、第三の新人の登場に始まり、ますます多様化していく小説形式を用いて新機軸を打ち出していった作家たちの本を厳選して紹介します。
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1979年に刊行された書簡体形式の長編小説で、メキシコの大学で講師を務める語り手が故郷「村=国家=小宇宙」の歴史を振り返り、その内容を手紙にしたためて双子の妹に送ります。江戸時代の脱藩者によって創建され、明治維新後に大日本帝国から圧力を受けた故郷の発展と闘争の物語を、突出した空想力で表現した傑作です。
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1985年に刊行された長編小説です。閉鎖された街で一角獣の頭骨から古い夢を読み解く「夢読み」と、意識に特殊な思考回路を仕掛けられた「計算士」の物語が交互に進み、徐々に両者の接点が明らかになっていきます。幻想性・叙情性・緊張感を含む世界の表現法が非常に独特で、小説以外の分野にも多大な影響を与えました。
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コインロッカー・ベイビーズ 新装版
村上 龍(著)
1980年に刊行された長編小説です。乳児期に駅のコインロッカーに遺棄され、乳児院で育てられたキク。彼はおなじ境遇のハシと交流を持ち、九州の離島で暮らすことになりますが、高校生のときにハシが母親探しの旅に出ます。そこから2人の波乱万丈の人生は幕を開け・・・。圧倒的な凶暴性と熱量を備えた衝撃的な作品です。
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