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文学は動物をどう描いてきたのか?人と動物の関係に迫った小説
文学の主役は人間だけとは限りません。人間は古来より数多くの動物と交流し、時には対立することもありました。人間と動物は切っても切れない関係であり、その歴史は文学のテーマとして取りあげるのにふさわしい深みを持っています。ここではそうした動物にスポットライトを当て、動物のあり方を複眼的に表現した素晴らしい小説を紹介します。
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荘園農場の悪しきオーナーを追放し、新たに「動物農場」を生み出した動物たちの行動を通して、社会に根づいていたソビエト神話の正体を暴露した寓話です。ロシア革命以後のソ連史をもとにしたプロットを、ブタを筆頭とする鳥獣が演じる光景は非常に風刺的で、ソ連批判を禁忌していたソビエト国内ではことごとく出版を断られたといいます。
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動物奇譚集
ディーノ・ブッツァーティ(著) , 長野 徹(訳)
イタリア文学の巨匠、ディーノ・ブッツァーティ没後50年の追悼第1弾として出版された短編小説集です。住み家が解体されて放浪の旅に出るネズミたちを描いた「ホテルの解体」、塔を建設する野望を抱いた石工に協力するカラスたちを描いた「塔の建設」など36編を収録。巧みな擬人法を用い、動物の世界観を表現した幻想的な動物物語がここにあります。
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ソビエト連邦崩壊後のウクライナで死亡記事を書く小説家と、経営困難の動物園から引き取った憂鬱症のペンギンの生活を描いた長編小説です。不安定な社会情勢を背景とした空虚な日常。そこに突如として知人の娘とベビーシッターが紛れ込み、奇妙な疑似家族が営まれていきます。キーウに漂う不安を風刺的に表現した長編小説です。
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スペインの小説家、フリオ・リャマサーレスの小説を3編収録した一冊。表題作「黄色い雨」は、山奥の廃村で1匹のメス犬と暮らしている男の物語です。村民は次々村を離れ、息子は行方不明となり、妻は自殺。男は残された相方のメス犬と余生を過ごしていますが、毒ヘビに噛まれたことを契機に、死を間近に感じるようになっていき・・・。
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