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激動の時代に追究し続けた「存在」。はじめてのミラン・クンデラ
2023年、チェコスロバキア(現チェコ)を代表する作家のミラン・クンデラが94年の生涯を閉じました。音楽的素養をもちながら、共産党政権時代に文学界へデビュー。「プラハの春」によるフランスへの亡命と仏語での執筆など、時代の荒波のなかで人間の存在や意味を問い続けた人生でした。哲学と音楽が響き合うことで生まれた、金字塔的な作品を紹介します。
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クンデラの人生を変えた「プラハの春」。その緊張を背景に、純愛と性愛で葛藤する男女4人を描いた著者の代表作です。永劫回帰の中で、生や欲を満たしたいと行動する存在の重さ。ままならぬ恋愛や政治、そして死の運命に絡めとられる人生の軽さ。「重さか、あるいは、軽さか?」という哲学的な内容に、あなたは何を読み取りますか?
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『存在の耐えられない軽さ』の世界的反響ののち、アンサーのように発表されたのが本書です。時系列の混在や著者自身の登場など技巧が凝らされた作品の多いクンデラの著作の中でも、特に特殊な構成や自由な表現が際立っています。虚構の女性「アニェス」の仕草と人生が多角的に綴られ、読後、「不滅の存在とは何か?」という思索に耽りたくなるでしょう。
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2015年に邦訳が刊行された小説。『無意味とは人生の本質なんだよ』と老境の男性たちが交わす雑談は、意味や起伏を持たずとも、おかしみと人生への祝福を含んでいます。笑いによる権力抵抗や反出生主義的な母子観など、21世紀社会を見つめた本書はフランスでベストセラーとなりました。
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