ブックキュレーターhonto編集員
それって本当に正しいの?デマや誤解を検証する術を学べる本
メディアやSNSで一度は見聞きしたあの話、こんな情報、自分でも広めたくなる説。しかし、それは本当に正しいものですか?事実よりも印象が先行してしまいがちなこの社会でたしかな知識を得るには、事実を自ら検証する作業が重要です。誤解や流説を看破するのに役立つ良書を紹介します。
- 5
- お気に入り
- 411
- 閲覧数
-
アウトバーン建設や雇用率是正などを引き合いに、いまだ肯定的な評価が根強いナチスの政策を、20年以上にわたってナチス研究をしている2人が反証しました。短く切り取った聞こえのいい言説に流されることなく、資料や時系列から検証を地道に重ねて導き出されるのは厳然たる史実です。「専門家の責任」を掲げる研究者の矜持がうかがえます。
-
『一度読んだら絶対に忘れない化学の教科書』などで知られる左巻健男が、ニセ医学の実態を暴きます。治療法のみならずサプリメントやダイエット、水・EM細菌など多様な健康分野に潜む騙しの手口を、理科教育の専門家ならではのわかりやすい語り口で解説。読めば、生活のいたる所にある怪しげな情報に気づけるようになるはずです。
-
トランスジェンダー問題 議論は正義のために
ショーン・フェイ(著) , 高井 ゆと里(訳)
著者ショーン・フェイは、トランス女性の当事者にして気鋭のジャーナリスト。トランス嫌悪が色濃いイギリス内の、世論の変遷や具体的な社会事象を鋭く解説しています。フェミニストとの関係性では弾圧だけでなく団体規模での支援事例も示すなど、リアルな現状分析と展望を示しています。SNSでの応酬を越え、「正義のための議論」の礎となる一冊です。
-
医療リテラシーの啓蒙本の著者でもある現役放射線科医による、「エビデンス」という言葉に隠された落とし穴を分析した本。エビデンスにもどれくらい信頼できるか、確実かという「レベル」があります。その質や解釈まで注意しなければ、信頼度の低いエビデンスをうのみにしてしまうことも。真偽のわからない情報が氾濫する現代社会で生きるために、必携の一冊です。
-
陰謀論入門 誰が、なぜ信じるのか?
ジョゼフ・E.ユージンスキ(著) , 北村 京子(訳)
なぜ人は陰謀論を信じ、拡散してしまうのか。アメリカの陰謀論研究の第一人者が政治学・心理学・社会学などから解説する、骨太な陰謀論の入門書です。意外にも『SNSが陰謀論を普及させている事実はない』のだとか。陰謀論者の集団心理や、陰謀論への向き合い方が的確に言語化されている良書です。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です

