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インドの衝撃
2019/09/29 20:17
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
インドの話は物凄かったです。読むだけで頭がクラクラし、匂いまでも迫ってくるような迫力。旅の続きも気になります。
沢木氏の深夜特急、インド・ネパール編です。
2017/06/27 09:00
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
沢木氏と言えば、世界中をめぐる深夜特急シリーズがとても有名ですが、本書はそのインド・ネパール編です。なかなか独特の文化や習慣をもったこの地域の記述が面白く、とても関心をもって最後まで一気に読めました。特に、ネパールに興味をもっていたのですが、そこでの素朴な人々の描写など、心に響くものがありました。
「ある意味、人間の最も苦しい生き様」を一緒に体験させてくれた。素晴らしい本。
2016/10/23 11:00
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投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで香港・マカオ・マレー半島・シンガポールと回ってきて、社会の貧困層を見てきた著者だが、綺麗に言えば『エスニック』な世界を体験してきたという範疇に入れても問題なかったと思う。
しかしこの巻からはもうそのレベルではない。インド・カルカッタに着き、いきなり連れていかれた10歳そこそこの少女がもう何年も客を取っているらしき売春宿、外に出た道路で無数のうごめく物乞い貧老人に足を掴まれて動けなくなるシーン、公園で地面が蠢動すると見えた鼠の大群、スシ詰めの列車の最上席は頭上の荷物棚であるのを発見したこと、ガンジスに水葬されていく多くの人々等書ききれない地球上の最貧困の一部が凝縮されている。
その中での一抹の救いは、日本の農大生たちと一種のボランティアとしてアウトカーストの子供たちに農業技術を教えにいく合宿に参加し、現地の子供たちと心を通わせ娯楽のない彼らが大変喜んだ場面。しかし、それでも最後に施設責任者は語学のできない農大生に「支援の意味がない」という不満を漏らす。子供たちを育成する中での彼の期待は理解できるが、精一杯尽くしてくれた学生達に感謝もせずにクレームを漏らすのは、例えば人力車に乗る前に交渉して決めた運賃を、降りる際に道が悪かっただの混んでいただのとの理由をつけて高い値段を吹っ掛けてくるインド人の思考様式に共通するものが感じられた。貧困が度を超すと「厚かましさ・ずるさ」の温床となり、相手に敬意を持つとか、礼儀正しいとかとは無縁の世界に陥ってしまうことを改めて感じた。人間がギリギリの命がけで生きている世界では当たり前のことであり、ビジネス上よく言われる「インド人はハードネゴシエーター」との評価の所以かも知れない。江戸から明治にかけて、儒教精神も取り入れながら日本社会を節度と礼儀ある姿に作り上げてきた先人達に敬意と感謝を表明するものである。(昨今の節度と礼儀を持たない人々は、理想的日本人とは思わない。)
ストーリーはネパール・カトマンズで身近に体験した麻薬の話、インドに戻り熱と病気に苦しむ話などにつながっていくが、教科書的ではない現地の生の地誌を追体験させてくれる痛快な本であった。巻末の、上記農大生シーンの前後に登場する此経さんとの10年後の対談も「ぶっちゃけ話」が多く、楽しめた。
文句なく面白い本。
深夜特急3
2002/06/22 00:58
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投稿者:AKIZAWA - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレしてしまっては、作者とこれからの読者に失礼だと思いますので、慎重に書きます。
深夜特急3では、インドからネパールまでの旅が語られています。
インドのカルカッタでは、この地上に存在するあらゆる病が巣喰っているような修羅場を、作者は目をそらすことなく見続けていました。
香港で垣間見た闇の部分ですら光り輝いて見えるほど、作者にとってカルカッタという土地は、凄まじい場所であったようです。
ネパールのカトマンズは、インドの苛烈さと比べて穏やかな土地のようでした。しかし、それが故に作者は危険な泥沼に沈み込みそうになっていきました。
ひとつ、ひとつ、身軽になっていく自由への旅
2001/12/06 02:06
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投稿者:紗斗実 - この投稿者のレビュー一覧を見る
香港、東南アジアとおそろしく遠回りをして時間をかけ、ようやくインドへたどり着く。インドからイギリスまでバスに乗って行こうという計画の、やっとスタート地点。しかしここで、またもや何週間も滞在してしまう。精神的にタフなのか、余計な装飾を好まない素朴さを好む性のためか、インドでの目的のない日々を楽しむ。そうした体験を通して、そしてこの旅全体でも言えることだが、彼は少しずつ自由になっていく。
自分の生活を振り返り、いかに余計なモノが多いかを思い知らされる。もっと身軽になってもいいんじゃないか、そんな気にさせられた。

