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パンドラの匣 みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー204件

みんなの評価4.3

評価内訳

204 件中 1 件~ 15 件を表示

正に書題に適った2作品

2021/07/04 19:13

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る

読了後、先ず以て感じた第一の事柄として、これ程迄に適切な書題は無い、という事でした。夫々の作品の内容を一言で凝縮すると、『正義と微笑』『パンドラの匣』でピッタリ言い得ています。巷間に現代小説は数多あるこの時代、この2作品より入念に練られたタイトルは稀有なのでは、と思われる程に太宰の才能の凄さが伝わってきます。
 『正義と微笑』はマタイ伝6章のイエスの言葉「微笑もて正義を為せ!」を指していると解説にあり、『パンドラの匣』は本文の「あけてはならぬ匣をあけたばかりに、病苦、悲哀、嫉妬、貪欲、(中略)の虫が這い出し、(中略)人間は永遠に不幸に悶えなければならなくなったが、しかし、その匣の隅に、けし粒ほどの小さい光る石が残っていて、その石に幽かに「希望」という字が書かれていた」に各々凝縮されている訳です。
 『正義と微笑』については、本書に巻かれていた帯に惹かれたのが正直な吐露ですが、その帯にあった内容(代数や幾何の勉強が、学校を卒業してしまえば、もう何の役にも立たないものだと思っている人もあるようだが、大間違いだ)の答えは高尚な表現ながら言い得て妙だと思います。
 『パンドラの匣』については、『蔓は答えるだろう。「私はなんにも知りません。しかし、伸びて行く方向に陽が当たるようです。」』で締め括られており、思わず「冒頭の伏線が、その一文へ回収されるのか・・」と唸ってしまいました。『人間失格』を読んだ時も、作中の或る文章運びに唸らされましたが、今回も似たような経験を得ました。太宰の作品は『走れメロス』『お伽草紙』以外あまり好みではないのですが、叙述の仕方に感服させられました。

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再びの出会い

2020/01/21 19:49

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:メーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

私はもう幾十年も前、高校生のときに新潮文庫の太宰治のものをすべて読破していたのですが、つい先日、店頭でこれを見かけて、「パンドラの匣」よりも「正義と微笑」を無性に懐かしく、購入しました。読んでみますと、やはり、高校生時代の懐かしい思いと、その当時は思いもしなかった感覚がありました。いつ読んでも素晴らしいと思いました。

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永遠の青春文学の面目躍如。能天気ではないおちゃらかなユーモアと、植物のつるは伸びて行く方向に陽が当たるようです…という恥じらいある希望。

2002/02/22 11:25

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 中学や高校で生徒の読書指導に当たっているなんていう先生がいらっしゃるとしたら、「太宰なら先ず『人間失格』『斜陽』…」とブックリストを作られるのはいたしかたないとしても、それと肩を並べてこの本をぜひ挙げてほしいなと思う。

 収められた2編は「正義と微笑」が日記形式、「パンドラの匣」が手紙形式をとっていて、どちらも主人公の青年のつぶやき風で読みやすいし、ぷっと吹き出したくなるような思いつきまで書いてあり、ユーモラスで面白い。加えて、何をやっても自信が持てない若き日々の苦悩や不安、そのために生じる虚栄や反抗、それでもまっすぐで在りたいという潔癖や正義に対する志向などが存分に書かれている。
 調子よく体裁よく表現されているのではなくて、「何でこんなバカなことをやっちまうんだろう」「どうしてあんなしょうもないことを口にしてしまったのだろう」といったところが、何げない意識の流れのまま小説に焼き付けられている。
 青春期にある人なら、あるいはそこをくぐりぬけてきた人なら、誰でもひとつやふたつ、思い出しただけで穴があったら入りたい、二度と思い出すことがないようにそれを葬り去ってしまいたいということがあるに違いない。そういうことが丁寧にすくいとられていてリアルであり、リアルゆえに勇気を授けてもらえる感じなのだ。

 「太宰文学に珍しく明るく希望にみちた青春小説」とカバーの紹介にある。2編の中篇小説に宿ったその資質は、太宰自身も他の人から授けてもらったようである。
 最初の「正義と微笑」は、太宰に小説指導を受けていた弟子の弟の16歳から17歳にかけての日記を読んで、それによって浮かんできた幻想を自由に書き綴ったものだということ。元は昭和10年ごろに書かれた日記だそうで、受験勉強に苦しむ旧制中学の生徒の学校生活に始まり、サッカー部に所属し、色白で感じやすい青年の姿が起こされていく。ミッション系のR大学に進学した彼は、役者になることを望んで劇団の研究生選考を受けたり、嫁いだ姉の夫婦問題に心をやきもきさせたりする。

 2編めの「パンドラの匣」は、太宰ファンでよく手紙を送ってきてくれた人の日記が元になっているということである。昭和18年に肺結核で亡くなったその人の文才を認めていた太宰は、戦後すぐに新聞連載小説の形で、これを発表したらしい。「健康道場」という変わった名の精神主義の結核療養所が舞台で、そこで過ごす患者や看護婦たちの戦時下でありながらおもしろおかしい日々が、親友への何通かの手紙の形で紹介される。「やっとるか」「やっとるぞ」「がんばれよ」「ようし来た」という挨拶パターンが義務づけられているという記述だけで、普通の療養所にはあらざる独特の雰囲気が伝わってくる。そこで起こる「死」という事件も、特別な意味をもって書かれている。

 いずれの作品も、井伏鱒二がかわいがったという太宰の才能、井伏と通ずるユーモアのセンスなどが輝いている。後年の死と隣り合わせの太宰とは異なる印象である。主人公たちの心をとらえた小説や言葉などが織り込まれていて、この本を読んだあとの広がりにつながっていくのも有意だ。
 

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「正義と微笑」と「パンドラの匣」

2023/05/30 19:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る

太宰治には珍しく明るい青春小説2篇がおさめられています。俳優を目指す青年と信頼する兄との物語を日記正式で綴った「正義と微笑」、結核療養所での少年とその周りの人々の人間模様を書簡形式で綴った「パンドラの匣」、兄弟愛や将来への努力、恋愛について語られていて、良いと思います。

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青春の希望を照らす二編

2016/09/28 15:44

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポージー - この投稿者のレビュー一覧を見る

太宰治は初めて読みました。初めての太宰作品としてふさわしいのかよくわかりませんが、どちらも少年・青年の希望や勘違いや不満や切なさなど全部に優しい光をあてた物語。希望とは大雑把なものです。なんだかこれから良いことが待っているような気がするというようなものです。この作品も繊細なのにそうやってさっぱりしています。

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太宰作品4作目

2021/04/14 17:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひとみん - この投稿者のレビュー一覧を見る

何故勉強をしなくてはならないのか!太宰が解説く!と宣伝帯にかいてありましたが、う〜ん。本書を理解しきれていないのか、宣伝帯を理解できず。短編小説2作品収録されていますが、主人公の心の弱さと強さ。そして、大人になりきる前のよくわからない自分自身への自信を描いているように思います。こんな時期もあったかしらと思いつつ楽しく拝読しました。

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開けたくなる

2020/06/26 09:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

仙台の新聞に連載されていたという、表題作「パンドラの匣」が爽やかです。失恋や厭世感もありながら、病弱な少年に優しい眼差しを注いでいました。

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2004/10/07 16:07

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2004/11/18 13:39

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2006/05/08 04:43

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2006/06/11 00:59

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2007/08/15 07:08

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2006/07/17 22:45

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2006/07/29 17:00

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2006/09/07 03:12

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