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信じられないほど面白い!
2007/12/11 04:08
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポムポム - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は「書店のお薦め」だったので、たまたま手に取りましたが、謎の死を遂げた美しい女性実業家の短い一生を、彼女とかかわった人々が証言していくというストーリーです。
彼女は稀代の悪女か、菩薩のような天女か、彼女を産み育てた母親、2人の息子までも違った解釈を持っています。
ここまで人によって完璧に演じ分けた主人公について、惹かれずにはいられないと思います。
大正生まれの作家が書いたとは思えないほど、今読んでも新鮮で面白いです。
この本がきっかけで、有吉佐和子にはまってしまいました。
悪女とはかわいい女のことである
2007/04/09 16:46
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
20代で日本橋にビルを建て
田園調布の西洋館で豪奢な生活を送る
女性実業家・富小路公子が突然亡くなります。
しかもその死も自殺なのか、他殺なのかさえわからない。
その謎に満ちた生涯を27人の男女から
小説家が聞き出し、独白で語らせます。
これがめちゃくちゃおもしろい。
どこまでが嘘で、どこまでが真実なのか。
語り手によって彼女の人生が
コロコロと変わっていきます。
登場人物それぞれの語り口に引き込まれると同時に
富小路公子の人生、性格、頭のよさに
興味をそそらないではいられない。
ある意味、セルフマネージメントが
完璧な女性といえるでしょう。
一気読み
2023/03/26 22:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:らん - この投稿者のレビュー一覧を見る
頁数多めだったので少しずつ読もうと思っていましたが、面白すぎて一気読み!
ある人たちからは悪女、ある人たちからは善き人…
後半に突入してからはその悪さに(いや良さも)敬服してしまいました。
解説にも書いてありましたが、一度も悪女本人は登場しておらず、色んな人からの話で組み立てられていきます。
今ではあるあるな構成の元祖かなと思いました。
当時はかなり斬新だったのではないでしょうか。
いくつもの顔のある女性
2017/05/31 14:31
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
周囲の人が語っていく主人公の姿。
女性にはいくつもの顔があるというが、ここまでの人はなかなかいない。
結局のところインタビューでは真実は何かわからない。
自殺だったのか事故死だったのか、宝石な偽物だったのか・・・
宝石職人と絡んでる当たりの話が一番面白かったな。
この主人公のしたたかさは同じ作者の「芝桜」の蔦代に似ている。
斬新
2015/11/03 11:10
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投稿者:読書@通勤電車 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて有吉佐和子さんが書いた本を読みました。
古い作品のはずなのに新しい。
湊かなえさんの書き方に似ているなぁと感じました。
こちらが元祖ということですね。
こちらの作品がきっかけで、他の作品も読もうと思える
面白いストーリーでした。
悪女になりたい
2002/12/20 06:01
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投稿者:わか - この投稿者のレビュー一覧を見る
一章ごとに彼女の知人が彼女について語る。
宝石店やヘルスクラブを経営し、美貌もお金も兼ね備えた彼女。
ものすごくいい人だと絶賛する人と、あんなひどい女はいないという人がいる。
けれど、そのいくつもの話に矛盾はない。
これが悪女というものなら、私もなってみたい。
有吉佐和子の本の中で、私はこの本が一番好きだ。
早く次ぎを読みたいけれど、終わってほしくない。
途中で読むのをやめて、家を出たはいいけれど、
どうしても読みたくて、本屋さんで残りを全部立ち読みしてしまいました。
ある意味一番「正しい」表現法
2004/12/28 02:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルルの女 - この投稿者のレビュー一覧を見る
突然なぞの死を遂げた「悪女」・富小路公子について、生前の彼女の27人の知人が語る形式の小説。だから公子の視点からみた文章はないし、筆者視点からの文章もない。公子はある人からみれば清い心をもった天使のような女性だし、ある人からみれば平気な顔で他人を欺く悪魔のような女性だ。
考えてみれば一つの事象、一人の人物について「語る」とき、人はどうしてもある決まった視点から語るしかない。それはどれだけ客観的になろうとしても結局は主観的にならざるをえない。その点この小説は多くの人間の主観的評価を集めることで、主人公をある意味客観的に語れているのかもしれない。私たちはこの小説を読むとき、主人公に対する様々な評価の中から自分なりの「真実」を見つけ出すしかない。その真実には結局私たち自身が反映されているのかもしれない。そういった意味でこの表現法は非常に斬新ですばらしい物だと思う。
また表現法だけでなく、話の内容も「え?」と思うような出来事の連続で、主人公に対する印象は二転三転し、非常にスリリングである。章立てになっているため読書なれしていない人にも読みやすいだろう。
さてあなたがこの本の中に見出す富小路公子は、本当に「悪女」か、それとも…。
富小路公子という女
2025/01/30 15:13
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投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
謎の死を遂げた女実業家。センセーショナルを巻き起こした才覚とスキャンダルにまみれ、錯綜するその実態を、関係者の証言から導いていく。
証言者ごとに設定された立場、視点の描き方、言葉選び。どれもが秀逸の一言。よっぽどの観察眼と、当事者意識を持った取材がなければ、ここまで書けない。
「あんな善人はいない」と悪評に怒りさえする者、「他にも苦渋を呑まされた人がいるに違いない」と言って憚らない者。印象を二分する証言の数々には、証言者自身の関心や願望が滲んでおり、絶妙に信用しきれない加減の内容が提示される。その過程で徐々に浮き彫りになる「富小路公子」という女の本性を、最後の証言で「やはり」と思わせる。500ページに及ぶ長編でありながら中だるみもなく、最後にキチッと決めてくれる傑作だ。
あらすじで「男が騙される」旨が妙に強調されているが、別にそんなことはない。養分になるものを騙して搾り、自らを飾り立てる美しいものを騙してすり寄らせる。気持ちが良いまでの悪を謳歌した女の生き様に、嫌悪と憧れを同時に抱いてしまった。
悪女の定義とは。
2024/06/22 01:54
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投稿者:本好きの虫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は何をもって悪女と呼ぶか…読後それを常に考えてしまう内容の本。過去悪女に関わった複数の人間が各自の主観で彼女の人柄を語ってくれる…だけの話であるが、全てを知って最終的に読者が作中の悪女を悪女と認定するかどうかは十人十色(だと思う)。
他人を真に理解することはやはり難しく、その逆で他人に自分を真に理解してもらうこともまた難しい。人間は見たいように見て聞きたいように聞く生き物。
女性実業家の謎の死に迫る
2023/07/09 22:07
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
謎の死を遂げた女性実業家について、27人のインタビューの形式で描いたミステリー小説。主人公の女性実業家の多様な顔を浮かび上がらせつつ、事件の真相に迫る。
数人の語り手が複数回登場して、物語を立体的にしていくような、ミステリーの手法は最近では見慣れているが、この時代(1970年代)にこうした構成で、しかも主人公本人以外の27人もの人の語りだけで、主人公の物語を成立させているのはなかなかだと思った。何度も映像化されるのも納得のテーマと構成。
はたして悪女だったのか
2015/09/25 10:19
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投稿者:しらふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマを見て興味をひかれ、原作を読んでみました。大変に面白く2日で読了してしまい、時折部分的に読んでみたりします。誰かがうそを言っているであろうし、そこはどこなのか、誰なのか、などを考えながら読むと何度でも楽しめる作品です。構成力が素晴らしい。
めくるめく印象の変化
2016/12/20 15:55
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投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
変死した富小路公子、本名鈴木君子について27人が語ったものだが、同一人物とは思えないほど印象が変化していく。その目眩く変転が醍醐味。複数視点で事象を浮き彫りにしていく手法はありふれたものだが、さすがストーリーテラーの有吉佐和子だけあって、手並みが鮮やかである。
悪女について
2015/08/31 23:59
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投稿者:ずーこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
《自殺か、他殺か、虚飾の女王、謎の死》――醜聞(スキャンダル)にまみれて謎の死を遂げた美貌の女実業家富小路公子。彼女に関わった二十七人の男女へのインタビューで浮び上がってきたのは…
今となっては珍しくない、一人の人物を何人にも語らせる手法。
読み慣れてしまったから面白い、という感動は薄かった。
こんな人もいますが83年に書かれていることに敬意を払いたいです。