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みんなのレビュー204件

みんなの評価4.1

評価内訳

204 件中 1 件~ 15 件を表示

「他人の足」がおすすめ

2019/01/26 01:06

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

大江氏の昭和32年から33年にわたり発表された、初期の短編集。「他人の足」予想に反して(大江作品は小難しいという先入観があった)、すらすらと読めた。その中でもこの作品は人間の醜さを如実に描いた秀作だった。自分が不治の病ではないとわかってからの彼の行動は、ひどい男だな思わせる反面、よく気持ちも理解できるとも思ってしまう。「あなたたちと私とでは生きていく世界が違うんです」と言っているかのように、外の世界への帰っていく男と外部との連帯を夢見て、実現したかに思えたその夢をひっくり返された少年たちの絶望感。後味最悪だが、最高の作品。「飼育」「戦いの今日」など4篇は米兵と日本人を扱った作品であるが、この当時の戦勝国である米国人に対しての敗戦国である日本人の惨めな敗北感と屈折感は、この時代の作者の作品を読まないことには簡単には想像すらできないことのように思われる

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閉じ込められた人間たち

2016/09/28 15:41

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポージー - この投稿者のレビュー一覧を見る

大江健三郎の作品は初めて読んだ。たまにおもしろい/つまらない、理解できる/難しいなどはちょっと置いといて、とにかく作者の才能のようなものがびんびん伝わってくる作品というものがあるけど、死者の奢り・飼育もその一つだった(素人がノーベル賞作家に何言ってるんだということだけど)。
乾きながらも粘り気ある空気が停滞していてそこに病院の古い蛍光灯のような安っぽく重い光が差している、そういう閉塞感が全体にわたっている。登場する人間たちは変化の無い壁の内側に閉じている。そこから出るのが自由になるということだが、それには矛盾が伴う。なぜならどうにか壁の外に出る(または連れ出される)にしても、そこもまた別な壁の内側だからだ。彼らはそんな状況に圧迫され静かな無力感を覚えるわけだが、逆に言えばそのような壁は人間に必要なものでもある。内と外とに隔てられていない世界にひとりでいる(他者もひとつの壁だろう)ということは、それはもう死者みたいなものなのでは。

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非日常のなかの日常

2016/02/03 19:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:狂人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

死者の奢りは、特異な環境にありながらも最後は現実を目の当たりにして、死と生について考えさせられます。大江さんの作品は暗くて深くて個人的に好きです。

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ねばっこい液体に鼻も口も、毛穴もふさがれました。

2005/01/25 02:33

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:碧寿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 修飾語の多すぎる文章は嫌いだ。
やたらと形容詞を使ったり、ピンと来ないような比喩やら揶揄やら…。
文学的に書いているつもりなのだろうが、長文化が、リズムを狂わせ、もはやその文章には生命はない。
 
この本に手を伸ばしたのは、ノーベル賞作家に対する、単純な好奇心。
芥川賞作品でも読んで、おハイソな気分にでも浸ろうと。
しかも、「飼育」。いい題名だ。江戸川乱歩のような怪しさを秘めている。
 
しかし。最初の数ページをめくり、吐き気。
多すぎ、長すぎる。
購入代金を無駄にしたと腹が立った。
後は、やけくそになって先を読んだだけ。

が、これがいけなかった。

10ページも進むと、本を読んでいる事を忘れた。
息苦しさ、べとっとした粘液に、鼻も口も、毛穴もふさがれた状況に、死にかけたリズムが容赦なく拍車をかける。どつぼにはまったのだ。
不必要に出てくる性的な表現、あっけなく残酷な展開。どれも、こちらの居心地を悪くする。
作者は、憎らしいほどに、われわれを知っている。
期待しても「エッチ」な表現は出てこない。ただ、無意味に性的なのだ。
本当に残虐なシーンでは、オフサイトトラップのように、突如、修飾語が激減する。筆舌を尽くしても、人間の残酷さにはかなわない。あとはあんたの残忍さで仕上げてくれ、ということだろう。

4っつ星にしたのは、見透かされて、居心地が悪くなった腹いせ。心地よすぎる本が多い昨今。こんな本を読んでみるのも、一興では? ということで、薦めたい。

ちなみに、「飼育」は、江戸川乱歩風ではない。あくまで、大江風なので、間違った期待をしないように。

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充実した文体

2010/02/27 20:03

4人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る

大江健三郎の『死者の奢り・飼育』を読んで思ったのは、文体、ということだった。
収められている短編は、かなり独特の文体で書かれている。
それは、外国の文学から影響を受けたものなのだろう。
はたして、現代の日本の作家で、独特の文体をもった人がどれだけいるだろうか?
解説の江藤淳は、「飼育」について、高く評価しているが、
正直言って、僕はこの作品を好きになれなかった。
何年か後に、再読した時、感想は変わっているかもしれないが。
一番、自分の心に訴えかけてきた、また、
よかった、と思えたのは、「死者の奢り」だった。

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表題作 死者の奢りについて

2020/04/30 00:42

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドナルド・トランプ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり。
やはり、小説というのは情景描写が大事なんだと改めて思わせる作品です。冒頭の1ページだけで、どういう物語が始まるのか、世界観や雰囲気が全て伝わってくる気がします。
主人公は、学生アルバイトで、アルコール溶液に浸かっている何体もの死体を別の水槽に運び入れる仕事をしている。(昔流行った、死体洗いの高額バイトがあるという噂は、この小説が元ネタらしいです)
おもしろい場面がある。休憩で地下室から表に出た主人公は、自分が健康であることに満足感を感じる。そこに通りかかった車椅子の少年。主人公は、上から目線で少年に優しい言葉をかけようとして、少年の肩に手をかけ顔をのぞきこむ。そこで目にしたのは、怒りに満ちた眼で自分を睨み付ける中年の男であった。主人公は、茫然と立ちつくす。
とんだお笑いである。若い頃は、調子こいて赤っ恥をかくものである。自分も注意しなければと思った。このあと、主人公が、何やらシリアスになっているのも、若さだなぁと思った。

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予想外に明快

2002/02/12 18:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひろぐう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いかにも「文学してます」という感じがないでもないけど、予想していたよりも読みやすく、イメージも明快で、思想・観念が難解すぎるいうようなところは少なかった。テーマも、経験したものと観察したものの相克、同じ経験を共有・共感することができない孤独と断絶、などの魅力的なものを扱っていて好感が持てる。

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強烈すぎる作品

2001/03/24 12:24

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポンさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 『死者の奢り』は冒頭から強烈だ。
 「死者たちは、濃褐色の液に浸かって、腕を絡みあい、頭を押しつけあって、ぎっしり浮かび、また半ば沈みかかっている。…死者たちは厚ぼったく重い声で囁きつづけ、それらの数々の声は交じり合って聞き取りにくい。…」
 死体処理のアルバイトという非日常的な設定もさることながら、水槽に浮かぶ死者たちの不気味な存在感を読者に強烈にアピールする大江の日本語に脱帽。一度読んだら、一生忘れられない本。

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死者の奢りについて(ネタバレ含む)

2022/06/11 09:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サンバ - この投稿者のレビュー一覧を見る

地下室に降りて行く。僕と女学生は滑り止めのすり減った階段を歩き、女子学生はゴム靴がすべるたび、短い声を立てた。2人はアルバイトで今日一日、解剖用の死体を古い水槽から新しい水槽に移す作業をするのだ。
 地下室では、小柄でがっしりした肌つやのない50の男が待ってい、管理人として2人を案内した。死体は最近のものから、30年ほど前のものまでさまざまだ。アルコールに浸けてあり、姿形は意外にも残っている。彼らを新しい水槽に移す中で、主人公は彼らを「物」だ、と感じる。そして、戦中に脱走した際に撃たれて死んだ男の死体と話す。主人公は、戦争の終わりという「唯一の希望」が虚しく氾濫する中で、窒息死しそう成長期を過ごしたこと、男は、俺たちは今度君たちが戦争したらそれを判断・評価する資格を持っていること、を話した。
 昼休憩で外に出ると主人公は、皮膚の呼吸を感じ、生きている心地がした。しかし、生きている人と話すと、通じ合えない、理解されないことが主人公を苦しめた。彼は走って地下室に戻った。
 昼休みに、女子学生から妊娠していること、おろそうと思っていることを聞かされた主人公は、これにも上手く応えられない。彼女は自分のお腹の中の存在を、死体と同じ物だと言った。主人公は、12歳の子供の死体の陰部を素早くみた。
 17時、女子学生がみっともなく転んだ。主人公も直前まで話してこみ上げていた笑いが急激に萎んだ。
 作業は進んだが、女子学生は途中で吐いて動けなくなった。彼女は死体を見て「子供を産みたくなった」、死体のように存在を与えたくなった、と言う。
 やがて、助教授という若い男が、この1日の作業は全く手違いで、死体は全て火葬する手筈だったと喚き出した。文部省が明日の午前に来るのだから、それまでにやり直しをしろ、とも。
 アルバイトの金も「事務に直談判」次第となった。彼女は文部省対応に懸命な医師たちにほっとかれて長椅子で安静にしていた。主人公は、夜明けまで終わらないな、と感じながら作業を再開した。

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他人の足

2015/03/14 14:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:月光 - この投稿者のレビュー一覧を見る

大江が書いてる小説はサルトルばりの実存主義を主題とした純文学小説。さっぱり
わかりません。ともかく自分とは縁のない小説だと思いつつ、一応全部読んだ。読んだら「他人の足」という標題作以外の作品が、抜群の出来栄え。これってどういうこと。この作品はカリエスの病棟に一人の新人入院患者からはじまる。

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読ませる力

2000/11/20 00:51

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:katokt - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ドアも窓もない狭い部屋に閉じ込められたような閉塞感ともなう小説なんぞ、たまにはいかがでしょう。大江健三郎といえば、ぜったい口にだしてよまない文章の典型。ひとのせりふとか口にだしたらヘンだけど、文章の中では自然なんだよな、なぜか? 詩的なものを感じさせるのがその原因なのだろうか? じっくり読んで考えよう。

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2005/06/14 02:39

投稿元:ブクログ

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2005/09/24 17:20

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2005/12/19 14:03

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2006/02/27 06:34

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