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Kodama's review
秀吉死去。秀吉が残したかったものは、未来永劫続く、豊臣家。そのためには、秀頼はあまりにも幼すぎたか…。そして、一豊は…。
(06.1.20)
お勧め度
★★★☆☆
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司馬遼太郎作品で読んだ中では一番好きです。大河ドラマ化されたのも分かります。千代がすっごく魅力的で、山内一豊なんかのところにお嫁に行って残念…!と思うような。もちろん一豊だってすごい人なんですけど。もしも千代が信長の奥さんだったりしたら、秀吉の奥さんだったりしたら、歴史が変わるかもと思うくらいの賢妻ですね。
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この巻は、頂点に上り詰めた秀吉が落ちてゆくさまが印象的。
そうした状況を的確に判断し、夫を導く千代の賢妻ぶりも見事。
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「ホホホ…鬼婆あ」平穏な時代になるとどこからかポッと権力者が湧いてきて千代は北政所派と淀派との権力争いに巻き込まれる。機転を利かしてひらりひらりと回避していく様はさすが。さて頑固で馬鹿正直で律義な伊右衛門は千代から側室を入れるのを打診されたが、逆上して手を上げてしまう。初夜での約束を守るためとはいえ、伊右衛門は千代のことが大好きなんだなと夫婦愛を感じた。「このおれを男らしからぬと申すか」能力は平凡であれど、戦場での場数は誰よりも踏んでいて歴戦の勇士なんだね。胸が熱くなった。確かにもはや小物ではない。秀吉が死に時代が動く。徳川家康につくことを決意した伊右衛門。ここからは女大名・軍師?千代の外交を駆使した軍略・政治的センスで困難を回避し、家康の信頼を得る。男であったならどれ程の大名になるのだろう。細川ガラシャにも少し触れてあった。なんとも悲しい結末。
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秀吉の死期が近づき、平安が保たれない。織田信長以前から徳川家康が天下を取るまでの間に生きた人々というのは、本当に大変。むしろ、その中を生き延びた一豊はかなりまれな存在でもある。
奥は奥で、北政所派と淀派に分かれていて、それがのちの天下の分け目にもなるなんて。いつの時代もめんどくさいといえば、めんどくさい。
そんな中、家康の生き方、変わり方というのはウマイとしか言いようがないのかもしれない。
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秀吉が死に、次の天下を誰が取るのかで全国が揺れる。いよいよ関ヶ原の戦いへと向かう。山内一豊は鋭い才智は持ち合わせていないが、それでも百戦錬磨の武士として、もはや小物ではなくなっている。
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秀吉が老いていく様がなんとも哀しい。
『晩年の秀吉には物事の見さかいがゆるみはてて、臣下の女房もまた自分のものというように錯覚するところがあった。』って一体・・・。
関ヶ原の戦いの前の緊迫感、すごいです。
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超下っ端の武士が家来のため、妻のため、死にものぐるいで出世街道をよじ登っていく。歴史的な良妻に乗せられたりしつつ。
成り上がり物語自体も面白いし、何事も妻の意見を聞いていた一豊が土佐の主となるや、急に傲慢になるあたりで、環境が人に与える影響の怖さみたいなものも感じられる、感慨深い作品
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三巻は、朝鮮出兵から上杉征伐あたりが舞台です。
千代を中心とした話の運びが軽快で、読み進めるのが楽しいです。
山内一豊と千代とは大きく関わりのない部分ですが、
面白かった点を以下に記載しておきます。
瓜畑あそびの記述がありました。蒲生氏郷の登場にかんして、
「大奥の婦人にもっとも人気のある会津宰相蒲生氏郷である。
(中略)しかも爽快な性格のもちぬしであり、
この時代におけるいわば完成男子のようなおとこであった。」と、
司馬遼太郎さん突然の大絶賛。蒲生氏郷がかっこいいです。
「爽快」であるという賛辞は、
司馬遼太郎さん最大の賛辞なのではないかと思います。
蒲生氏郷の次は織田有楽斎の登場。
「信長の死後は家来筋の秀吉につかえてけろりとしている
脱俗的な老人であった。」とのこと。
有楽斎は大抵の物語の中でおいしい位置を占めています。
上杉の謀叛エピソードは、
さまざまな小説で何回読んだかしらと思いますが、
景勝「上方へは行きたくありません」
兼続「家康には腹が立つから長い手紙にして叩きつけよう」(意訳)
は毎回おもしろいです。
「(わたくしが死んだら、伊右衛門どのはどうするだろう)
そう思うと、千代はおかしかった。うろうろして途方に暮れるであろう。」
という表現があったのが、おかしかった。うろうろする伊右衛門どの。
山内一豊にだいぶん愛着を感じているのでかわいらしく思えます。
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千代の腹の座り方は凄い。一豊と千代が夫婦二人、二人三脚で功名を掴もうとしていく様は素晴らしいです。夫婦の鏡ですね。
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この巻もサクサク進んだ。ほとんどが同じ司馬遼太郎作品の「関ヶ原」にて描かれているものばかりであり、それを伊右衛門(山内一豊)の立場から描いているに過ぎないからである。
以下に興味をひいた点を引用したい。本巻は何故か前2巻に比べて少なかった。司馬氏、千代の賢母描きに息切れか!?(笑)。
・千代はつとめて明るく言った。どうせやらねばならぬことなら、不快そうな顔をするのは無用なことだろう。
→秀吉から多くの土木建築工事を命じられた際の千代の心情を描いたもの。なるほど、どうせやらなければならないなら、明るく振舞ったほうが周りへの影響や自身のモチベーション維持にも有用だろう。
・「智恵ある者は本来、臆病なのかもしれませぬな」と千代は今一度考え直してみた。天下を取ろうと志す者は、一騎駈けの武士の部辺はいらない。ああまで身を護らねばならぬものかと、だんだん感心し始めた。
→石田三成からの夜襲を恐れて徳川家康が大坂から伏見へ逃げたと聴いた、千代のセリフ。臆病さというものは、決して悪いものではないのだ。家康がそうだからこう思えてくる。
時期を待つのだ、と千代は思っていた。時期が熟してギリギリになるまで「政治」などは全く考えずに律義で暮らし、その最も有効な時に伊右衛門の存在を開かせる。そんな時が来そうな感じがするのである。
→徳川か石田か、どちらに付くかに際して。
「(石田からの回文は)見ないようにします。関東表へ送りは致しますが、殿様にも読んでいただかぬようにします。封のまま、家康殿に差し出してしまう、と言うのがお味方としては当然でありましょうを中身を見てからどうこうというのは、不純にとられます。」
→徳川方に付くべしと千代が決めた後の芸である。人の心を知り抜いた憎いばかりの芸である。関ヶ原後、土佐一国を与えられるが、こうした芸において点数稼ぎをしたことによるのだろう。
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山内一豊の3巻目。
秀吉の老いとその周辺にまつわる話から、秀吉没後の、さてどっちに付くというところまで。
一豊自身、律儀者で通っているが、巻の終盤、名将っぷりを発揮する一場面の印象がかっこいい。
成算など無い。そういうことはわからん。わかっておればもともと合戦などする必要の無いものだ。徳川殿を勝たせるのだ。
の一節は感慨深い。この一戦で家運を開く、と言い切った一豊の覚悟は腹に響く。
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いよいよ戦国時代も終わりに差し掛かる。
戦国末期のパワーゲームに加え、普段あまり耳にしない武将まで詳しく書かれるとそれだけで楽しめる。
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三巻は、秀吉に待望の男子が生まれ頃からはじまる。秀頼誕生は、いろいろな波紋と影を天下に投げかける。秀吉が跡目としてで関白に据えた秀次、秀次は、関白になり実権を実質的に握り天下に号令したいと考えているが、そもそも、その器ではない。その事がよく解っている秀吉は決して実権は渡さない。秀吉は、豊臣の天下のため秀次を関白にし、そしてその沙汰を悔やんでいる。その行き違いからは「怨み」しか生まれない。そして、秀頼の誕生により権勢を増した淀君と北の政所が角を付き合いそこに派閥がうまれていく、この要となる秀吉が老い、要として朽ちると共に豊臣の天下が傾いていく様を千代の目を通して時代の変換点が描写される。
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ついに豊臣が倒れ、徳川が台頭。教科書で学んだのはそれくらいだったが、いろいろなドラマがあっておもしろい。
あいかわらず千代さんは賢妻だが、若いときに比べて段々と感情的に描かれている気がする。