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千代の知恵があれだけ発揮されたのは、伊右衛門が頭が良くなかったから。知恵者はいつも、人徳あるリーダーの影にいる。黒田官兵衛しかり、諸葛亮孔明しかり。・・・といったが、伊右衛門にそこまでの人望があったのか、疑問。w
メモ。
関ヶ原の戦いの勝因の1つに、千代とガラシャがいる。徳川方についた武将の懸念は、大阪にいる妻子の安否。秀吉時代の政策で、大名たちは自らの妻子を京都においていた。体のいい人質。さらに、大阪城内の部屋に参内するよう求める。それを、ガラシャの自殺、千代の家に積み上げたわらで家事を起こすと脅す。それで妻子を人質に取りづらくなった大阪側。武将たちは、安心して、戦いに挑んだとさ。
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千代の知略がいよいよ冴える本巻、家康に回送した三成からの文の件、屋敷に薪を積み上げる件、秀吉に詰め寄られる件(これはあてが外れたが)といい、関心しきりです。そのトンチが悲劇のガラシャ婦人こと、お玉と明暗か分かれます。あと、本巻にも登場する名脇役、六平太がとてもいい。千代が妖術にかけられるシーンが面白く、六平太も潔い。
戦国時代の勢力分布と諸将の思惑がよく分かり、歴史に興味が沸きます。
最終巻は殊更丁寧に読みたいです。
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1976年刊。まぁ今更ながらの司馬戦国モノ。才気横溢な賢女と愚直謹厳な男との夫婦物語の点は勿論、老境秀吉が死を迎え、そして関ヶ原へと展開していく3巻のストーリー全体は判っているので、細々した描写しか楽しむところがない。千代の、俗にいう「よろめき」や「迫られ」もあるが、正直、苦笑。予期せぬ悋気も同様。著者に女の生々しさを求めるのは無理があろうが…。大蔵卿とのやり取りも余りに型どおりで…。良くも悪くも男が描く、些か美化された古風な賢女の域は越えない。なお、板垣退助が武田晴信臣板垣信方を祖とする点はトリビア。
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秀吉の晩年と、その後狡猾に動く家康の話。
日本史ほんとに知らないから、たまに知ってる名前が出てくると「うわぁっ」となる(笑)
板垣退助キター!みたいな(笑)
秀吉の晩年は、なんとも切ない。天下を取ると人は変わるんだなー。
にしても、家康の堅実さよ。小者っぽいのにその後あの江戸幕府を作るんだから、人って、歴史って面白い。
一豊と千代の夫婦愛にもほっこりしつつ、最終巻に参ります。
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この巻が一番面白い。将来に希望を持って駆けずり回ってるときが、人間一番溌剌としていられるのだろう。(四巻を読んだ後の記載)
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大河ドラマにもなった大人気歴史小説の第三巻。この巻では秀吉の死から関ヶ原前夜までが描かれている。この巻では特に、山内夫妻の東軍につくと決断してからの機転と駆け引きが、読んでいて胸のすく思いがするほど面白かった。最終巻である次巻の展開が今から楽しみである。
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秀吉は千代に言い寄るが、うまく千代に逃げられる。その秀吉は年を取り、終に没する。世は不安に乱れ、千代に誘導され、伊右衛門は徳川方に付く事を決意する。千代は伏見から大坂に移るがそこで屋敷に篭る事を余儀なくされる。
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秀吉は古今類のない園遊会好きなだけに、その構造の雄大さ、巧みさも比類がない。遊びにも「企画力」があるのだ。千代はこの醍醐の花見をみて、つくづく(この人が天下を取ったはずだ)と思った。たとえば家康の構想力など、秀吉が月だとすればすっぽんどころか、泥がめでしかないだろう。天下取りも構想力なのである。夢と現実をとりまぜた構想をえがき、あちらを抑えこちらを持ち上げ、右はつぶして左は育て、といったぐあいに、一歩一歩実現してゆき、時至れば一気に仕上げてしまう、その基礎となるべきものは構想力である。(p.122)
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この巻でも、山内一豊は凡将の感が否めない。
だか、最後の三頁でイメージが一変。
徳川家康と石田三成。
主である家康が勝つのではない。
『徳川殿を勝たせるのだ』
この一言は、痺れた。
山内一豊は、名君である。
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晩年の秀吉の老醜ぶりはともかく、この作品が書かれたころは、多分秀吉が庶民のヒーローだったような気がする。
草履とりから出発して天下を取った秀吉は、頑張れば出世が約束されるような夢と希望のシンボルだっただろう。
だから、司馬遼太郎の家康の書きっぷりの冷淡さは、個人的な好悪なのか時代のせいなのか、よく考えないといけない。
まあ、両方なのだろうと思うけれど。
作者は秀吉の創造力に比べて家康の凡庸さを書くが、秀吉が創造力を発揮したのは、築城の早さと遊びの派手さであって、この国の根幹にかかわる何かを新しく作り出したというのはないのではないか。
それに比べて、織田信長の非凡さに比べると地味だけれど、家康の国造りの元である行政制度の組織改革や法整備、江戸という町のインフラ整備は決して凡庸なものではないと思う。
伊右衛門と千代が豊臣ではなく、徳川につくことを決めたのは、山内家(家臣団も含めて)を任せるに足るのはどちらなのかという判断。
これは決して長期的な視野ではなく、この時点での判断ではあるけれど、それは当時の武士としては当たり前のこと。
豊臣家がそっぽを向かれたのは、ひとえに旧来の家臣を大切にしなかったから、家禄を任せることの安心感を与えなかったからにつきる。
伊右衛門と千代が抜きんでていたのは、外様の誰よりも早く、徳川につくことの旗幟を鮮明にしたことだ。
出来過ぎだなあと思うけれども、多分この辺りは史実に沿っているのだろう。
だから上を見るには賢明な夫婦だったのだと思う。
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読んでいくうちに、これは大河ドラマ映えするだろうな、という印象になる。
- 一人の男ではなく、夫婦での出世
- 実直な夫と、利発的な妻という構図
- 織田、豊臣、徳川と時流に沿って上司が変わる
- 歴史上の人物にありがちな短命ではなく、割と長期戦(20~50代まで)
主演仲間由紀恵だったらしい。妻側を主演にする構成もわかる。
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3巻まで読んだなかで一番面白かった。
3巻では、秀吉時代の後半と彼の死、家康の台頭、関ヶ原前夜までが描かれている。
有事のまっただなかに放り出された、まじめが取り柄だけの山内一豊が、妻千代の助けを得ながら、いかにその後の山内家の運命を大きく切り開くチャンスをものにするのか。4巻を読むのが楽しみだ。
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秀吉の死と家康の蜂起。歴史の転換点に山内一豊の妻千代の機転。特に石田方の書状を未開封のまま家康に渡すようにする才覚は秀逸と感じた。
最後の一文「事実、山内対馬守一豊といえば、大物でないにしてもすでに小物ではない」は司馬節が効いていてグッときた。
女性を主人公にした大河ドラマも多いが、北政所を主人公にするのも面白いのではと思った。