これを内助の功と言うのでしょうか
2006/08/28 23:15
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
第3巻は、秀吉の朝鮮出兵の頃から晩年、そして死、家康の台頭と続きます。
こうやって読み進めてくると山内一豊という人は、安土桃山時代の主要人物とは言い難いところがあるのがわかってきます。
司馬遼太郎の語り口も、ついつい歴史の表舞台である秀吉や家康の言動を中心に進んでいきがちなところからもわかります。
しばしば出てくる「幸運な人」「律儀な人」という評価のみが自他共に認める山内一豊なのでしょう。
それでも歴史に名を残したのですから、大した人には違いない。それを支えて、と言うよりも作り上げていったのが千代である、ということも読んでいるうちにわかってきます。内助の功という言い方もできますが、それよりも結婚した時の誓いを忘れずに夫婦二人で各々の分限をわきまえて生きていくと、このような結果になるのだということを教えてくれているようです。
だからこそ、21世紀の大河ドラマの原作にもなったのでしょう。30年、40年前の大河ドラマでは考えられない女性の活躍が描かれているわけですから。
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
秀吉亡き後、天下の行く末をきめる戦いである関ヶ原がおこったとき、千代は夫である一豊に知恵を託し、その知恵によって一豊は土佐一国の主になることができた。一豊はある意味で千代のつくった作品で、一豊もまた、その千代の言いつけをよく守り、よい作品であり続けた。千代の才ももちろんだが、お互いにお互いの長所をかみ合わせて戦国を生き抜いていったのだろうなという雰囲気が滲み出ている。
関ヶ原戦争を前にして
2015/08/25 13:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:historian - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝鮮出兵の混乱の中、太閤秀吉は世を去った。次の天下人を巡って陰謀が渦巻く中、一豊と千代の夫妻は生き残る術を探る。
僅か6万石の小大名である山内家すら、時代の荒波は避け得なかった。しかし、このピンチは大きなチャンスでもある。事なかれ主義に徹する者も少なくなかった中、巧みに前途を切り開いた夫妻の姿からは見習うことも多いだろう。
投稿元:
レビューを見る
豊臣家の世。
しかし、世継ぎをめぐって派閥と陰謀が蠢いている
時期であります。
戦がないため、
われらが千代と一豊の戦功をたてる場が
余りありませんが、
諸大名との「お付き合い」でも
実直、しかし盲従ではない、
という態度を貫いているところが
この夫婦らしいところです。
さて、山内家は現在2万石。
ここから24万石への飛躍は…?
投稿元:
レビューを見る
秀吉が他界してから三河につくか、大阪につくか。そして徳川につくと決めてから忠誠心を表すためにした事っていうのはかなりの一大決心です。これが失敗する可能性だって十分あったわけだけど。。でもそうならなかったのも千代の機転の良さと政治的感覚の鋭さゆえかも。。
投稿元:
レビューを見る
「徳川殿はまだか」
と、伊右衛門は朝から何度となくつぶやき饗応の支度をととのえて待っていた。
「対馬守どのは苦労人である」
といわれているだけあって、こういう接待についてはかゆいところまで行きとどいた神経をつかう。
(P.241)
投稿元:
レビューを見る
秀吉が死んだことで動き出した家康側につくか、秀吉の息子である秀頼側につくか大名の動きについて書かれています。一豊は中立の立場にいましたが、結局家康側につきます。
相変わらず千代は頭が回り、立ち回りもうまいなーと感心させられます。この巻では千代が秀吉と六平太に迫られたりもしました。秀吉については良い所も悪い所も書かれていて憎めない人だなと思いました。今回は六平太が結構出てきて嬉しかったです。
投稿元:
レビューを見る
この巻では、秀吉晩年の末期的症状のあれこれと、関ヶ原前夜の武将達の動向が主に語られます。
遠征や築城にかかる費用を秀吉は自分では出さず、大名達に自腹を切らせていたとは驚きました。
ご道楽がいつ止むかと全国が待ちかねている有様だったんですね。
千代は淀君に呼び出され、味方になるように迫られて、キッパリ断ってしまいます。この辺〜ドラマに出てくるでしょうね。
ついに挙兵した三成方から届いた誘いの書状を、封を切らずに徳川へ見せるようにと、陣中にある一豊に言ってやったのは史実。
こちらの方が、十両で名馬を買ったのよりもお手柄ですね。本当に賢かったんだとよくわかります。
同じ時期にガラシャ夫人は自邸の礼拝堂で家来に胸を突かせて自決。
ガラシャは名高い美人で、夫の細川忠興の熱愛ぶりは当時珍しいほどだったため、奥方を人質に取れば寝返るのではと狙われていたとか。
このいきさつも鮮烈です。
投稿元:
レビューを見る
購入して2日間で一気に読みきりました。
秀吉がその命を削るような繁栄を続ける中、水面下では次の時代に向かう新たな流れが生まれ始めます。
そして秀吉の死とともにその流れは激流となって天下を、諸大名を飲み込むこととなります。
投稿元:
レビューを見る
淡々と進む話。竜馬ほどは熱くのめり込めないのは、主人公のキャラクターのせいなのか。最後、どのように終わるのかが気になるところ。
投稿元:
レビューを見る
秀吉の晩年における園遊会、そして、醍醐の花見は、彼の華やかな性格を大いに現わす場面である。人心掌握の才能は天性のものだろう。その秀吉没後、石田側か、徳川側か、どちらにつくべきかを迷う一豊に、千代の助言が例の如く反映する。政治的な誠意の示し方など、千代が大名であったら完全に日本の一時代を築けたのではないだろうか。
投稿元:
レビューを見る
天下を統べた秀吉の死。時代は大きく変わろうとしています。山内一豊は妻、千代の助言を受け入れ家康のもとへ・・・。夫婦の夢は叶うのか?文章はとても読みやすいです。
投稿元:
レビューを見る
まあまあ、夫の凡庸さに思うところはあっても、やっぱり、この夫でなけりゃ楽しくないんだろうなぁと思いますよ。
しかし、信長、秀吉と仕えていたところが、功名が辻だと思っていましたが、実は、この関ヶ原あたりが、本当の辻だったのですね。
それはちょっと、思っていなかった(迂闊!)
賢いのも、やり過ぎると嫌みになるし、そのバランス感覚が、いいんでしょうね。
投稿元:
レビューを見る
絢爛たる栄華を誇った豊臣秀吉の天下がかたむきはじめた。かれに老耄の翳がさし、跡継ぎの秀頼はなお幼年の域を出ない。諸大名を掌握し、じりじりと擡頭してくる徳川家康に対して、秀吉は防戦にまわった。かれが死をむかえれば大波瀾はまぬがれぬであろう…。伊右衛門・千代の夫婦は二人して将来への道を必死に探し求める。
投稿元:
レビューを見る
NHK大河ドラマ原作。
豊臣秀吉の家来山内一豊の物語だが嫁の千代が主人公だと思う。
千代は理想の女性だと思う。