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投稿者:ななちゃん大好き - この投稿者のレビュー一覧を見る
旧訳の方が良いと巷のうわさがあったが、好きな本は基本的に
改訳時には購入、即読んでみるという性格です。
読みやすく、旧訳に比べ改悪なんてとんでもない、良かったです。
新装具合いも個人的に好みで、まだ購入していない人、書店に走れ。
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
妻と外出するつもりが、妻を置いて外に行き、見ず知らずの女性を誘って食事やショー見物に行く。帰ってくると、自宅には警察と妻の遺体。
妻の死亡推定時刻には、おかしな帽子をかぶった女性といたのだが、目撃していたであろう店の人たちは、男一人しいなかったと言う。
人間ドラマよりも謎解きを重視した古典ミステリ。
後始末はどうするんだと言いたくなる部分があるが、緊迫感が高まる書き方が面白い。
幻の女は幻のままである。
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投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めての作者。登場人物から犯人を考える前にストーリーの面白さに引きずり込まれ、気がつくと犯人がわかってしまいました。作者と訳者の勝ち!
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投稿者:ttk - この投稿者のレビュー一覧を見る
妻殺しの容疑で死刑判決を受けた男。彼の無実を証明できる「幻の女」を探すために、はるばる南米からやってきた親友。素人探偵による必死の捜査は何度も女に繋がる糸を掴みかけるが、その度に手がかりは途切れてしまう。死刑執行の時が刻々と迫る中、ついに眼の前に現れた「幻の女」の意外な正体! 真犯人については文庫の帯で「どんでん返し」があることを予め教えられていたので、わりと早くに「あれ?もしかして?」と薄々感づいてしまったけど、知らなかったらもっと驚いただろう。
新訳の必要性はそれほど感じないけど・・・
2016/01/18 03:01
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
けれど、それをきっかけに手に取り、30年ぶりくらいに再読。
あらためて読み返してみて、新訳になったことと、私が小学生の時に比べて読みこむ力がついた、ということもあるでしょうが、かつての私がこっちに感銘を受けなかった(ほぼ同プロットの『処刑6日前』のほうが好きだった)理由がわかりました。
“幻の女”に出会ったスコット・ヘンダースンがあまりにおバカ(もしくは無神経でひどい男)だからだ!
勿論、あまりに流麗な文体故、ちょっと何が書いてあるのかわからないところもあったからであろう。 真実に繋がりそうな人物が次々不可解な死を遂げていくのはサスペンスフルで盛り上がるが、その後はあまり触れられないのもなんだかな。
とはいえ、真犯人を知っていてもドキドキワクワクしちゃうのは素晴らしいですね。
(改めて読むとしっかりミステリとしてフェアネスだし)
ただ・・・ラストが突然というか、もうちょっと余韻がほしいところですが、どんでん返しの効果を考えたらこのほうがよいのかなぁ。
切れ味を楽しむか余韻を楽しむか、どちらを優先すべきか難しい!
でもそれは、内容を知っているからそう思ってしまうのかな。 ニューヨークの話なのに、なんだかフランスの話のような気もしたし・・・独特すぎるぜ、ウィリアム・アイリッシュ。
名作ミステリーの実力を見た一冊
2021/01/30 20:13
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白くて夢中で読みました!殺人の時刻に一緒に過ごしていた女性。自らのアリバイを証明してくれるはずなのに、何故か誰も見ていない。でも自分の記憶では一緒に過ごしていた記憶が。謎の掴みはバッチリ。この謎を作者はどうまとめるのか?ワクワクして読みました!訳も上手くすっごく引き込まれ、もう途中からはこの本の結末も知らないうちに、この作家の他の作品も読みたくなるほど。そしてこの犯人!凄い伏線の張り方です。さすが名作ミステリーと言われる実力の書でした。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
そして、死刑まで○日、というのもドキドキ感。お話は、主人公の不倫相手と友だちが頑張り……ハッピーエンドになるのですが、肝心の幻の女、がねえ。ここは、もう少しひねりが欲しかったところです
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サスペンス名作。1942年に書かれてるなんて驚き。そのくらい巧みな構成です。古典の部類ですね。
トリュフォーが映画化した「黒衣の花嫁」のほか
「暗くなるまでこの恋を」の原作、暗闇へのワルツも読みたい。
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「幻の女」はおよそ80年前に出版されたミステリー小説だ。しかし今読んでも全く色あせていない。
冤罪をきせられたスコットの無実を証明するため、アリバイを実証してくれる見知らぬ女性を探す。しかし、バーやレストラン、タクシー、劇場・・・スコットは女性と同伴だったにもかかわらず、誰もがそんな女性は知らないと言う。
一体誰が嘘をついているのか本当のことを言っているのか。実際にその女性は存在したのか・・・。
スコットの冤罪を晴らすために親友のロンバートとスコットの恋人キャロルは奔走するが、なかなか決め手に辿り着かない。
スコットは死刑をまぬがれるのか・・・。
久しぶりに読み応えのあるミステリーに出会った。
お見事としか言いようがない。
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古典中の古典であるが、どんな内容か知らなかったので、新訳版が出たと聞いたので読んでみた。死刑執行の日が刻一刻と迫る中、ある女が鍵を握っているというので、事件の新たな展開が見えるかと死刑執行の日が来るのと合わせて先が気になってしまい、ハラハラドキドキしながら読みすすめていった。幻の女とは一体どのような人物なのか、目的は何か、どこで登場するのか、てかがりとなる証言があるのか、警察に何か動きがあったのか、真相究明が掴めないまま、執行して良いのか、最後まで気になる。ラストは衝撃が大きく、改めて名作だと感じる作品。
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翻訳ミステリー小説の名訳と言われる『夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。』で始まる、これを読まずして・・・という超有名なこの小説。これが1942年作ってことがミステリーや。
結末のかなり強引な感じは否めないが、まあ、何といいますか、映画ですよ、映画、これは映画ですやん。(映画化されてますね。1943年)
個人的には翻訳小説は表現が面倒臭くて苦手ですが、やはり名作と言われる物は今読んでも楽しめるのも事実。
ネタバレしますと、この幻の女とは・・・・・
おっと、誰か来たようだ。
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不朽の名作と名高い作品のようだけど、
存在を知ったのは恥ずかしながらつい最近で
新訳版が出たということで手にとってみた。
読んでみると、さすがの名作で引きこまれて
すぐに読んでしまった。
1942年の作品ということだけど、
今まで自分が読んできたり見てきた
いろんな小説や映画の中に
本作のエッセンスを感じ取ることができた。
そのくらいいろんなところに影響を及ぼしている
名作だということに今更気がついた。
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面白かった。
冒頭のあまりに有名らしい(自分は知らなかった)書き出しを読んでこれはどんなジャンルでもいいから読んでみたいと思い読み始めた。
ジャンルはミステリーとかサスペンスになるのか。
普段そこまで多く読まないジャンルなので最初は少し読み止まってしまうことがあったが、中盤からの先が全く読めない展開からは一気に読み切ってしまった。
衝撃の結末もおおいに楽しめたがこの本の一番の魅力は序文からあるようにセンスの固まりのような文章にあると思う。
ところどころでものすごい描写がでてくることと世界観全体がモノクロで夢見心地な感じがする。ところどころで出てくる乗物(電車、自動車、エレベーター)の描写などは読んでいてぞくぞくした。
舞台は1940年代のニューヨークだがなぜか最初はもっと昔のロンドンだと思って読んでいた。
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妻との喧嘩からむしゃくしゃして行きずりの女性とデートし、家に帰ってきたら死体の妻が待っていて、妻殺しの嫌疑から死刑執行を受けてしまった男のアリバイを証明できるのは名前も知らないその女性だけ・・・という設定が名探偵の不在と共に個人的には素晴らしいと思う。
妻殺しの犯人も重要だが、「女性をどう発見するか?」に重きを置かれており、デート中の描写が伏線となってくる。
そして名探偵の不在から、女性が判明する(若しくはしない)のは死刑の執行後になってしまうのではないか??という結末が見えない緊迫感が良い。
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1942年発行、最初の邦訳は1955年という、古典的なミステリの新訳。
著者は、コーネル・ウールリッチ、ジョージ・ハプリィの別名義も持ち、本作以外に『黒衣の花嫁』、『死者との結婚』などでも知られる。映像化された作品も多い。
男がいらいらしながら夜の街を足早に行く。不仲の妻を宥めようと外出に誘ったが、こっぴどくはねつけられたのだ。腹立ち紛れに入ったバーで、派手な帽子の女と隣り合わせる。男はふと思い立ち、その日、妻といくはずだったショーに女を誘う。一夜限り。下心はなし。互いの連絡先も名前も聞かない。ただ食事をして、ショーを見て、グラスを傾け、「おやすみなさい」と別れよう。妻への当てつけと憂さ晴らしのつもりだった。女は承諾する。それなりに楽しい時間を過ごし、帰宅してみると、妻は殺されており、彼は容疑者だった。
彼の無実を証明できるのは、あの女だけ。しかし、その行方は杳として知れなかった。
出だしがなかなかの名文である。訳者あとがきに原文が引かれている。
The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour.
新訳ということで、あとがきには歴代の訳を紹介する解説が記載されている。
まだ宵のうち、これからデートを楽しもうとする街の華やぎの中を、男は苦虫を噛みつぶしたように刺々しく歩く。冒頭で読者を作品世界にぎゅっと引き込む巧みな描写である。
冒頭に限らず、情景描写、心理描写に気が利いている印象深い箇所が多い。帽子ばかりが目を引くが、容貌は取り立てて取り柄のない女。伝票に記された番号、「13」。エキゾチックでエキセントリックな歌手。
絶望的な状況に陥った男だが、刑事も男が真犯人なのか疑いを持ち始めていた。
けれど、このままだと男は死刑に処される。カウントダウンが進む中、男の恋人と友人が捜査に協力する。
「幻の女」はどこだ。しかし、女に手が届きそうになると、するりと手がかりは逃げ去っていく。このあたりの展開も計算されスリリングで、終盤に向かってサスペンスが増していく。
手詰まりかと見せておいて、最後に意外な結末が待つ。
難を言えば、個々の描写は小粋だが、性格描写が今ひとつに感じる。容疑者の男には妻以外の恋人がいる。妻の機嫌を取って、離婚話を進めようとしていたのがその夜の計画だったのだ。ここで、妻が非常に邪悪であるとか、男が妻と結婚してしまうどうしようもない理由があったとか、それなりの「よんどころのない事情」が絡むならばともかく、そういうわけでもない。恋人はただ美しくて優しい女性で、彼はただ真実の愛が妻との間にはないことを悟ったのだ、といわれても、今ひとつ、男やその恋人に肩入れはできない。個人的にはそのあたりが少し「薄い」感じがした。
ともあれ、全般にはらはらさせられるページターナーとは言えるだろう。
余韻を残す「幻の女」も印象深い。