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【期間限定価格】終末のフール みんなのレビュー

    一般書

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    みんなのレビュー1,580件

    みんなの評価3.8

    評価内訳

    1,580 件中 1 件~ 15 件を表示

    紙の本

    やがて、いつかは……

    2009/09/13 16:09

    9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:ぶにゃ - この投稿者のレビュー一覧を見る

     五島勉の『ノストラダムスの大予言』がベストセラーになったのは昭和48年のことで、当時高校生だった僕はむさぼるようにその新書本を読んでいた。人類が滅亡するのは1999年7月だから、その時僕は44歳になっているはず。しかし僕はその頃、中原中也や立原道造など、夭逝した詩人たちに夢中になっていたので、自分もまた彼らと同じように早死にすると信じ込んでいた。だから44歳というのはまったく実感がわかず想像のできない年齢であったが、もしもおめおめと30過ぎてもこの世に存在していたなら、人類が滅亡する時まで生き抜いて、しっかりとこの眼でその終末のありさまを眺めてやろうという思いもあった。
     やがて、おめおめと歳を重ねてきたが、ノストラダムスは僕の心の中からも世の中からも消え失せ、予言の年に「恐怖の大王」はどこからも現れず、21世紀の現在、まだ人類は滅亡せず、あちこちと病んではいるが地球は回転し続けている。
         
     しかしあと8年経ったなら、小惑星が地球に衝突し、確実に人類の最期がおとずれる。そんな状況に陥った世界をまず空想してみよう。そしてパニックが一段落し、地球滅亡まで残り3年という状況を想像してみよう。自分が住んでいるのは地方都市の郊外である。まじめな労働者かも知れないし、ちょっとズレた学生であるかも知れない。しかしすでに会社はないであろうし、学校は閉鎖されているかも知れない。荒らされたコンビニやショーウィンドウが割られた衣料品店などが建ち並ぶ廃墟の街中で、それでも一軒くらい開いているスーパーがあるかも知れない。本屋もあるかも知れないし、ひょっとしてレンタルビデオ屋さんも営業しているかも知れない。そしてそうすると、そこで働く人、買う人、借りる人たちも存在しているかも知れない……。

     では、その人たちは何を思って余命3年と確定された時間を生きているのだろう。伊坂幸太郎は、この作品で8通りの人間模様を描き出している。小惑星の衝突という設定はSF的であるが、誰にも必ず死が訪れるという事実はSFではない。そういう事実を虚構の世界に横たわらせ、人は死を前にしてこういうふうでありたいという思いの一端を、作者は読む者に吐露する。
     最期まで頑固者の夫を許さなくとも良いではないか。最期までサッカーボールを蹴り続けていても良いではないか。最期まで警察を右往左往させていても良いではないか。最期までボクシングのトレーニングをやり続けていても良いではないか。最期まで赤ちゃんの成長を見守っていても良いではないか。最期まで家族ごっこを続けていても良いではないか。最期まで恋人を求め続けても良いではないか。最期の最期まで、とにかく生き続けても良いではないか。とにかく生き続けることが大切ではないか。
     たとえ、
     奇跡が、
     起こらずとも。

     その、心のひだに沁みいるような平明な語り口は、重松清に似て、すばらしい。 

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    紙の本

    日々の営み。

    2010/03/30 07:54

    7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

     小惑星が地球に衝突して、滅亡するという宣告を受けてから5年後の設定で物語りは展開されている。人々は慌てふためくのに疲れ、それも無意味なことだと気付き、小康状態にある。やり場の無い怒りや恐怖心を、他者にしかぶつけることができずに暴漢と化したり、無闇に人を殺したり。本書を読み進めて行くうちに、それは起こりうることかもしれないな、と思ったりした。

     本書はいくつかの短編から成っているけれど、どこかしら繋がるものもあって構成が面白いと思った。そして、各ストーリーのタイトルが韻を踏んでいるのもユーモアではないか。身内を亡くし、残された時間をいかに過ごすか考える者、あと数年で地球は終わってしまうと言うのに新しい生命の誕生に悩む者、色々だ。マンションの屋上に櫓を建てて、大洪水に飲み込まれる世界を見届けようと言う滑稽な考えを持つ人、食糧を販売するお店が次々と閉店していく中、営業を再開した店長。どれも、本当に有り得そうに感じるほど自然に描かれている。

     伊坂幸太郎さんの書籍はこれで2冊目だけれど、共通しているのは人が殺される時の描写が妙に生々しいこと、終始面白さが存在しているのでこれといってクライマックスと呼べるシーンがないこと。先が気になって、読み続けていたら物語が終わってしまった、という感覚が私にとっては斬新である。人々の内情の描写も長けていると、敬服しています。

     もしも自分が実際にそういう状況に立たされたら、どんな道を選択するだろうか。本書の登場人物たちのように、前向きに生きる事を選ぶことができるだろうか。終末がテーマの一冊だというのに、失望という言葉とは若干離れているような雰囲気がある。みんなそれぞれ、淡い希望を持ったり、己の信念から行き続けようとする姿が、なんだか凄いなと思った。

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    紙の本

    「生と死」を登場人物が暗中模索するストーリー

    2010/01/25 16:57

    6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:らんぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る

    「8年後に小惑星が地球に衝突します。」
    人類滅亡宣言から5年が経過した世界、これがこの作品の舞台である。

    地球に小惑星が衝突すると判明した世界、ましてや人類が滅亡する世界でもなく、「人類滅亡宣言から5年後」を舞台に設定した伊坂幸太郎の異才にまず拍手を送りたい。
    なぜ作者が舞台をこの時期に設定したのかは、全て読み終えると理解できるであろう。きっとそれがこの作品で作者が訴えたかったことではないだろうか。

    仙台市のヒルズタウンの住人と周囲を取り巻く人々(息子を亡くし娘と喧嘩別れした老夫婦、望んでも子供ができない夫婦、妹の死の復讐を果たそうとする兄弟、偽装家族を演じている両親を亡くした少女…)が人類滅亡宣言からの5年間をどう過ごし、どう受け止めたのか。そしてまさに今「生と死」について暗中模索する様子が描かれている。その登場人物が今度は人類滅亡までをどう生きるのか、もしくは死を選択するのか。

    もう一つ、読者にはこの作品の魅力を楽しんでもらいたいことがある。それは各章のタイトルと内容である。各章のタイトルには共通部分があり、内容と照らし合わせてみると「さすが」と感心する反面、「無理あるかも…」と伊坂幸太郎の人間らしさも垣間見ることができる。また各章で主人公であった人物が他章の別の主人公の物語にふと現れるということもあり、魅力たっぷりの作品となっている。

    「このミステリーがすごい」常連の伊坂幸太郎であるが、「ゴールデンスランバー」のようにミステリーは強くなく、普段ミステリーを読まない人や苦手な人も是非手にとって読んでもらいたい。また伊坂幸太郎「死神の精度」が好きな人にはお勧めしたい作品である。

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    紙の本

    何故人は死を前にした絶望の病から再生出来るのか?

    2009/09/09 11:52

    3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:hisao - この投稿者のレビュー一覧を見る

    八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた今
    パニック小説ではない、人々がパニックに疲れ果てた後に得た静寂、余命3年は”諦め”のうちに閉ざれるのか?
    SF小説の体裁をとりながら、とてもリアルなテーマーです
    人にとって、一番確かな事、”必ず死ぬ”という事実、死に向かって生きているという事
    どうせ死ぬなら全ては無意味なのか?
    伊坂氏は陳腐かも知れないが、人類永遠のテーマーに真っ正面から取り組みます
    人間は生きている限り、何らかの生きている意味、生きている歓びを感じていたい
    生きているとはそう言うことなのだ
    意味を失えば、死を余儀なくされる前に自ら死んでいただろう
    だからこれは生き残った人の物語り、死を前にした人間の再生の物語り
    何故今まで生き残れたか、言い換えれば何故人は死を前にした絶望の病から再生出来るのか?

    生き残った人は壊れた家族のきずなを取り戻した
    生き残った人は3年後には共に無になるかも知れぬ生命を産んだ
    生き残った人は恩讐を捨てる事で3年逃げ切る事を誓った
    3年後には冬眠する事にした
    伝説のプロボクサーに師事した
    落ちてくる惑星をこの目でしっかり見ようとした
    偽の”娘”、偽の”お母さん”の役をかってでた
    櫓を作って”終末”を見届ける人となる覚悟をした

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    紙の本

    なぜか穏やかで清々しい。

    2023/03/10 20:09

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る

    あと3年で世界が終わる。
    わかっていながら、わかっているからこそ生きていく「ヒルズタウン」の人々の物語。
    「演劇のオール」が特に好きです!私が今まで読んできた、伊坂さんのワールドという感じがして楽しいお話でした。
    じんわり涙も。

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    紙の本

    もし私だったら・・・

    2020/04/25 22:01

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

    3年後、小惑星が地球を直撃して人類はおそらく全滅する。その時、私たちはその事実にどう向き合えるのかがこの小説のテーマ。心の中に蟠りをもちながら似非家族と過ごす人、あいつと同じ時間には死にたくないとあいつを殺そうとする人、難病のこどもと同時に死ねることに喜びを感じる人と思いは様々な人が登場する。ただ、多くの人はすでに自殺したり、殺されたりしてこの世から姿を消しているという世界。私だったら、どう過ごしてゆけるのだろうか。自暴自棄になって家族を道ずれに自殺してしまうかもしれない、ひょっとしたら、ここの登場人物の一人のように以前から殺してしまいたかった「あいつ」を殺そうとするかもしれない。また、子供を産むことについてはどうだろう、産むことは残酷かもしれないが、中絶をすることはもっと残酷にも思える

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    電子書籍

    やっぱり伊坂作品は良い

    2018/09/04 10:43

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:プロビデンス - この投稿者のレビュー一覧を見る

    地球が未来永劫存在するはずはないから、いつかこういう日がくる。そこまでの規模じゃなくても自然災害とかあるし。自分だったらどうなってしまうのか?とちょっと考えてしまった。

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    紙の本

    生きることの意味を知る物語

    2017/03/30 17:01

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:Mr.天才バブッコ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る

    これだけは言わせてください

    【死ぬ前に読んでほしい】

    そういう物語なのです。

    このお話のなかには、八つの人生の物がりが、書いてあります。

    一章 50ページくらいです

     終末のフール

     太陽のシール

     籠城のビール

     冬眠のガール

     鋼鉄のウール

     天体のヨール

     演劇のオール

     深海のポール
              』

    皆一つ一つの物語の中に、いろいろな人の人生が書かれてあります

    このお話は、説明が難しいです わたくし的には

    だから、

    よかったら

    読んでみてください

    わたくし的には、小惑星衝突

    と、いう設定が大好きです

    あと、一章 一章の、題名が大好きです

    ありがとうございます

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    紙の本

    終わった世界の物語

    2015/09/12 15:09

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る

    死が確定しており、皆の悟った感じがよく分かる。静寂の雰囲気が心地いい。いくつかの物語が群像劇になっていて、読めば読むほどニヤリとできる。

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    紙の本

    着地点

    2015/09/11 09:02

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:いりこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

    設定を読んだ時に想像したよりも心動かされた作品だった。
    それは以外にも穏やかでそれでいて期限がある事により、静かな情熱を秘めている人々の日常が描かれていた。
    私たちが普段思っているのに一歩踏み出せないことへ登場人物たちが挑んでくれている気がした。
    伊坂幸太郎らしいロジカルな面も含めてとても心地よかった。
    読後自分に問いかけることがいくつか出てきた。
    ぜひ読んでもらいたい。

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    紙の本

    タイトルから奥が深い「終末のフール」

    2009/07/07 06:41

    7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:そらねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

    「8年後に小惑星が地球に衝突し、滅亡する」という手垢のついた設定なのではあるが、そこは伊坂幸太郎ワールドのすごいところ。ハリウッド映画のように、人類の代表となるアメリカ人が劇的に活躍する設定の対極にあるストーリーに仕上がっている。8年前に滅亡が予告され、さらに5年後の設定。しかも舞台はおなじみ、仙台のとある住宅街。「あと3年で死ぬ。」なら平和に生きようとする小市民の視点から描かれている短編集。「あと3年で死ぬ」なら、あなたはどう生きようとするか?考えたことはありますか?生きている者は、もしかしたら明日死ぬかもしれないという可能性があることを忘れているほとんどの者たち。どう死ぬか?どう生きるか?の究極ともいえるテーマを軽やかに、そしてユーモアを含んで説いている、秀作である。

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    紙の本

    命は永遠ではないことを静かに教えてくれる一冊

    2020/07/18 16:28

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:Ryu - この投稿者のレビュー一覧を見る

    「8年後に地球が滅亡する」と確定したその5年後、と言う設定がいわゆるSF的なパニック小説とは一線を画しており、非常に面白かった。

    それぞれの置かれた立場で生と死に向き合う姿を通して、まだまだ時間はあると無意識のうちにたかをくくっている自分に気付かされた。

    支えてくれる大切な人への感謝を疎かにしていた事を静かに諭してくれた良書。

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    紙の本

    どう生きるか

    2020/05/27 16:29

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:Chii - この投稿者のレビュー一覧を見る

    小惑星が三年後に地球に落ちてくるとわかっている今、あなたはどう生きるかを問いかけられたような本。
    コロナコロナといわれるこのご時世、また次元が違うけど
    どう生きるか考えさせられた。
    見えない恐怖に怯えてる今、他人がこう言っているからこうだからではなく、うまく情報をキャッチして自分はどうするかと主体的に考えて生きねばと思った。

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    紙の本

    死について

    2019/01/27 21:51

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:Wakkun - この投稿者のレビュー一覧を見る

    隕石が落下し、死を宣告された人々の話。

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    紙の本

    伊坂さんが書くとこうなる

    2017/03/02 20:27

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る

    三浦しをんさん、新井素子さんが似た設定で書いてますね。伊坂さんが書くと諦めの向こう側の風景になる。諦めを悟りと言い換えただけかもしれないが、それでも生きていく彼らは印象深い。

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