最後まで飽きない
2020/06/12 00:01
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投稿者:nglycine - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて作者の作品を読みました。面白かった!他も読みたくなりました。
社会派作品としても傑作
2020/04/06 19:40
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投稿者:AI - この投稿者のレビュー一覧を見る
現役医師だからこそ描ける精神病患者のリアルさと、若手精神科医の成長過程が共感できて、読後感もとても良かったです。心身喪失というテーマは実社会では刑事裁判で度々争点になっていますが、法律上無罪となることの是非や意味を正面から問う作品は今までになかなか会えなかったので、印象に残る作品になりました。
ぐいぐい引き込まれる
2022/02/17 14:56
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
精神鑑定の第一人者、影山の下で学び始めた主人公・凜が、人の心を知ることの限界にぶつかりながら、真実に近づこうともがく姿が描かれていて、ぐいぐい読ませる。
通り魔事件、母親の乳児殺害、家庭内暴力など、さまざまな社会問題が連作で登場する。
精神疾患への社会の無理解や法の不備といった問題も浮かび上がり、さすが現役医師だと思う。
精神医療がテーマなので、静かに進むミステリー。
深層心理に斬り込む
2020/05/10 10:08
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
刑事事件の精神鑑定を任される、ヒロインの苦悩が伝わってきます。現行の司法制度に対する、鋭い批判も込められていました。
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
精神鑑定医である影山司の助手に自ら志願していく新人医師の弓削凛は、その体験を通して犯罪者の心の闇に迫ろうとする。緊張感のある文章にドキドキしながら読みました。
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投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
精神鑑定医見習いの弓削凛が、犯罪者たちの心の闇に切り込んでゆくサスペンスものです。そして彼女自身も過去に親友を殺されたというトラウマを抱えつつ前に進んでゆくという成長物語の側面も感じました。同著者の別作品のような派手な演出はなく、淡々と真実を突き詰めてゆく真摯な作風は良かったです。
触法精神障害者の精神鑑定について知ることができる
2020/07/24 08:14
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集で娯楽として楽しめますが、精神科医が触法精神障碍者の精神鑑定をどのように行っているかも少しわかり、勉強にもなりました。
ただ、著者は法律の世界はあまり詳しくないみたいで、ん?と思う箇所もありました。編集者が法曹関係者にチェックしてもらえば直せただろうに…。「起訴」は刑事事件で使う言葉で、民事なら「提訴」。起訴されたら裁判になるし提訴されても裁判になるので(勝訴できるかどうかは別)、168ページの記載は変。しかも、国が選んだ鑑定医の鑑定結果が不当だったと争うなら民事訴訟ではなく行政訴訟では?
心の闇と心理戦の医療ミステリー
2020/03/15 02:09
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投稿者:はるちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰ともが持つ心の闇を描く医療ミステリー。
その背負っている重荷を少しずつ軽くしていくある人物。心理戦と心の闇との戦いが交差していくのが凄くて、とても面白ろかったです。
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優秀な精神科医の影山の助手になった凛は、親友を殺された過去をもつ。精神という病巣の不確かな、詐病なのかもしれないものがテーマで、しかも謎解きとしても読み応えあり。面白かった
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心って何だろう。
誰の中にもあるもの、でも誰もその存在を確認できない。あるに違いないものだけど、目に見えないし説明もできない。どこにあるのか。あるいは「心」と「精神」の違いって何?わからないことだらけの「心」。
心の病気。よく使う言葉だ。でもその病気を検査することも治すことも、とても難しい。数値化できない部分が多すぎて。そういう「心」を相手にしている精神科医。薬と面接を武器に「心の病」から患者を救うべく奮闘する。
精神科医が数ある科の中から精神科を選ぶのはなぜか。いろいろな理由はあるだろうけど、その中にはこの小説の主人公たる凛のようにどうしても「とある患者の心」を知りたいというのもあるだろう。
それを邪道だとか、精神科医として不適切だとか、という意見もあるだろう。でも、そういうやむにやまれぬ理由があるからこそ近付ける親和性のような何かがあるのかも。
凶悪な事件が起こったとき、犯罪者に対して精神鑑定が行われることが多い。正常な精神状態だったのか、あるいは心神喪失状態で罪を問うべきではないのか、を判定するのが精神鑑定医の仕事。
数値で測れないものである以上、担当医の力量や資質によるところが多い。その分責任も重い。凛が助手としてついている影山の冷静で冷徹で、なおかつ深い洞察がとてもスリリングで読む手が止まらない。
それぞれの事件の容疑者たち。表面的には彼らは心をあるいは精神を病んでいるようだ。彼らに必要なのは「罰」か「治療」か。もしも「罰」を与えるべきではないとしたら、その「罪」はだれが背負うべきなのか。傷ついた人たちの十字架はだれが背負うべきなのか。
普段、深く知ることのない「精神科」の世界。たとえ興味本位であったとしても知っておくに越したことはない。
いつ、私が、あるいは身近な誰かが、心を、精神を病むかもしれないのだから。
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最新作ということで購入。
てっきり長編かと思っていたのですが、連作短編集でした。
犯罪者の精神状態・責任能力の有無を調べるためにいる精神鑑定医。帯では、影山司が活躍すると紹介していますが、実際は、その助手・弓削凛が主人公で活躍する物語。
全5章で、各章ごとに対象者がいて、鑑定していくことで事件の真相がわかっていきます。特に最後の章では、大ボス登場!と思うくらい、読み応えのある話でした。
作者が医者ということで、医療用語が豊富に書かれていますが、わかりやすく書かれているので、違和感なく読めました。
対象者との面接の場面は、読み手にまで張りつめた空気が伝わるようで、いつのまにか夢中で読んでいました。そのぐらい、心理戦は引きこまれます。
安定感がありながらも、シンプルに終わるのではなく、一捻りあるので、とても楽しめました。
最後の章では、さらに隠された真実があったので、最後の最後まで飽きさせませんでした。
あまり知ることのなかった精神鑑定医ですが、印象に残ったのは、精神鑑定をする意味です。それは社会のため。なぜ犯罪が起きたのか。原因は何なのか。それを解明することで、同じような犯罪が起きるのを防ぐ足掛かりにするということです。被害者から見れば、責任能力の有無によって、有罪か無罪が決定されます。どちらにせよ、心の傷は癒せません。
第三者としては、このような犯罪を起こさないためにも、過去のケースを知ることで、対策を練らなければいけないなと思いました。
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容疑者の精神鑑定を行う精神鑑定医の助手を務める凛。かつて友人を殺され、犯人は精神鑑定に掛けられ無罪となった。それを確かめるべくその道へ進むが…一言で精神鑑定と言っても色々あるんだなぁ、と。どの話にも言えるのが精神の闇が深い。何故犯行に及んだのかって言うのも勿論だけど、心の闇が深ければ深いほどやるせない気持ちになった。
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犯人が精神疾患を患っていたからといって、罪が消えるわけではない。しかし、刑法39条には心神喪失状態の者は罪には問えないと明記してある。
ならば、その罪はどこに行ってしまうのだろう。
ならば、誰がその十字架を背負うべきなのだろう。
【P146より】
知念さんの作品には、魅力たっぷりな女医さんが多く出てくるのも好きなポイントのひとつ。
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各編ともひねりを利かせながらきちんと納得できる鑑定結果と結末が示されているのがよい。
新人女医の葛藤が解けたのもよかった。
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精神鑑定医のお話。どんな風に鑑定されるのか、初めて知りました。読み進めるうちに、いろいろ考えさせられてしまう。でも、絶対な正解というものは、ないんだろうな…だから、最大限に影山みたいに尽力しなくてはいけないのだろうと思う。凛が、出した最後の答え、素晴らしいと思った