若だんなの活躍ぶり
2020/01/06 10:22
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投稿者:あゆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
待ってました!しゃばけシリーズの最新文庫版。今回ばかりは若だんなが、長崎屋の跡取りらしい姿勢と働きぶりを存分に味わえる作品でした。文庫版は中々出なくて、待ち続けること長期間。しかし 長編小説に有りがちな繰り返しや、ただ文字数を埋めたような驚きも無い作品では無い畠中作品!やはり待ってて良かった。刊行数だけが多い、人気のシリーズ作品が増えている中、毎回
新しさと驚きを与えてくれる本作品を心から楽しみにしています。
しゃばけシリーズ
2023/06/04 15:11
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投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
病弱な主人公・若旦那のおとっつあんが急に倒れた。
助けるために、主人公が奔走する。病弱な息子可愛さにやってしまった父の思いとは。
右往左往するのは、そんな、おとっつあんの為。
世間には子を食い物にする悪い親がいる中、親は子を思い、子は親を思う優しさがここにはあります。
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投稿者:Qた - この投稿者のレビュー一覧を見る
薬種屋の集まりで藤兵衛さんがいくつもの薬を飲んで倒れてしまいます。若だんなを思うゆえだろうけど、無茶な事するなぁ。若だんなが、おとっつぁんの為に奔走します。
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
若旦那の父・藤兵衛を病から助けようという話だったのに、この件は最後のほうで
あっさり解決。...印象に残らなくて拍子抜け。
狂骨の話で猫が攫われて三味線の皮に...とか、そこまでえげつない話はこのものかに求めていないので読んでいてげっそり。
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投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
若だんなのお父さん(藤兵衛さん)が若だんなに効くか確かめるために色々な薬種屋たちからもらった薬を飲んで倒れてしまい、若だんなが妖たちと治療のために奮闘する短編集。恨みとともに井戸で死んだ者である狂骨の短編が、判明した事情からすると気の毒ではあったけれど、怖かったです。
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投稿者:papakuro - この投稿者のレビュー一覧を見る
妖の血を引く若旦那が取り巻きの人でないものとともに謎解きをするというおなじみのシリーズ。
本冊では、人相手が2編、人ならぬもの相手が3編です。
作者が人よりも妖に近くなってきたのか少し変です。
話の端緒が、薬の効果を確かめるのに何種類も一度に飲んで具合が悪くなってしまうということなんですが、それってあまりにあほじゃありませんか。一度に飲んだらどれが効いたのかわからないでしょう。
「長崎屋の主が死んだ」と、ほかと系統の違うタイトルがありますが、「なるほど、主が死ぬなど大変な話なら、タイトルの付け方がほかと違うのもありなん」と思って読んだらそういう話ではないし。しかも寛永寺で対峙することで寛永寺の問題も一緒に解決しようと言っていたのに広徳寺で対峙しているし。
妖退治の護符になぜ鳴家たちは平気でいられるの?
大黒天に冷たく当たってるけど、若旦那を探すのに神鏡を借りてたよね。
女性の名前に子がつくのが一般的になったのは確か明治末か大正の頃だったはずなので時代考証的にどうでしょう。
長屋の女将さんたちのお節介が妖怪じみていません。
と言うことで、なんだかなぁの星3つです。
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長崎屋の大旦那が、いろいろな薬を飲まされた挙句、倒れてしまった⁉️
おとっつぁんのために頑張る若旦那。
でも、それは確かにいつかくる日。
時の流れに若旦那の成長と妖かしたちとの違いを改めて感じ(T ^ T)
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若だんなと妖たち。
いつものばたばたかと思いきやおとっつぁんが倒れた!!
それぞれの出来ることを精一杯やって希望を持つのが清々しい。一太郎にできること、妖のそれぞれに出来ることは違うことで、それが集まると大きな力になる。坂左さんも来てくれる気がする。長崎屋の離れに
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しゃばけも随分続いていくなー、の16弾。
流石に作者もあの手この手を考えてくる?人気出て最終回を伸ばされてる漫画家みたいにはならないでほしいなぁ、なんて思ってしまった。。。
確かに一太郎の父、藤兵衛が寝込むのはなかなかないシチュエーションですが、何というか、薬についてはさほど掘り下げてはなく。若旦那がとにかくおとっつぁんの為に奔走するという。新しい登場人物が出てきた割には、話に深さがないのが残念〜。
まぁ、それでもしゃばけは楽しみなので、毎回買って読みますけどね!
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しゃばけシリーズは、お正月によく似あう。っと、今年は少し遅くなってしまいました。ゆったりとあの世界に遊びに行きました。
今回、若だんなは、あまり寝込んでいません。
狂骨の哀れさ、やるせなさが、胸にしみます。人としての並々ならぬ覚悟を感じたのは、寛朝さんの方で、若だんなは、残念ながら傍観者にしかならかなったのは、少し残念でした。
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いつもと変わらない雰囲気に安心する。
今回は若旦那ではなく藤兵衛が寝込む。
でも、いつかは来るんだよね。そういう日が。
怖いながらも御札にしがみつく鳴家、かっこいい。
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親はやはり、子供のことが大事だね。たとえ可能性が低くても一縷の望みを捨てられないものなのだね。
でも、藤兵衛はうっかり過ぎるような気がする。だから妖と一緒にいられるのだろうけれど。
一太郎は、成長しているようだが、体の弱さは相変わらず。いつか克服できるのだろうか?
妖だけでなく神仙にも面識がある一太郎、そのうち、仙人にでもならないかしらん。
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鬱々した気持ちを忘れさせてくれる面白いストーリーが多かった!
やっぱり江戸時代の結婚は現代人には理解できないけど、井戸端会議に参加する暇をもて余した奥さんの噂話の早さと好奇心はいつの世もスゴイねぇ~(笑)
とるとだす…
上野の広徳寺の高僧寛朝に呼び出された長崎屋。
そこには自分の店の妙薬をやたら薦める同業者達の姿があった。
そこで何種もの薬を飲んで突然倒れた父、藤兵衛。
父の体から薬を抜こうと色々とがんばる若だんなの巻。あなたは人に頼る方法を覚えなければならないと寛朝に言われる若だんな。
あやかし達の力を借りて、どんな薬を父が飲んだのか聞き込む。背景には各店主達の密約があり、長崎屋を自陣に引き込みたいがゆえ、息子の体によいと興味を引いた結果、五種類の薬を飲みまくったという。
しんのいみ…
海の向こうに現れる蜃気楼。長く滞在すると、記憶がどんどん薄れていくという。その中になぜか迷い混んでる若だんな。
そこで出会ったのは行方不明になった息子を探しにきた五助と、自分は何者か忘れた妖、坂左。
自分を坂左に会わせた喜見。
自分の生い立ちもわからなくなりかけていた若だんなは、神鏡の力で現れた長崎屋の面々に、自分のことを教えられ、枕返しという妖に父の枕を返してもらい、薬を吐き出させようとしていたことを思い出す。
実は喜見は蜃気楼の主で蛟龍、みずち。坂左はさかさで枕返しのことだった。
自分が嫌で蜃気楼の幻にたゆたっていた坂左は、若だんなの必死のお願いで父の薬を吐き出させて、江戸の町へ消えた。
ばけねこつき…
長崎屋に突然娘を娶ってほしいと染物屋の親娘が表れた。
若だんなには許嫁がいるし、娘は器量よしで、わざわざ相手がいる長崎屋に縁談を持ち込む理由を聞くと、神田の縁談先に2回も化け猫憑きだからと断られたという。
縁談を断るためのいい加減な噂だが、翌日のよみうりに、化け猫憑きの娘と長崎屋の若だんなの縁談の記事が載っていた。
また同時に、暇をもて余すおかみ達が長屋に住む金次や場久へ縁談を持ち込み、まさかの貧乏神が長屋のおかみに恐怖する。
どうやら染物屋の主は自分の手代にいずれ養子にするとか、妙薬のレシピを渡して分家させるとか、調子のいいことを言ってたようで、娘の嫁ぎ先に妙薬のレシピを渡すと言ったことで、手代は信じていた約束を相手側に果たす意思がないと悟り、一計を案じた。
予定通り主は妙薬のレシピをもって長崎屋へ向かう。手代は途中で暴露するも、結局妙薬のレシピは取らずに去る。
去った後の手代を金次達が自分の長屋へ誘い、自分の身代わりに長屋のおかみに差し出したのが秀逸!
長崎屋の主が死んだ…
井戸で死んだ者が深い恨みを持つとなる、狂骨という恐ろしい妖が現れた。
あやつに関わる全て、長崎屋の主も祟ると言われても思い当たる節がない。とりあえず井戸で死んだ者を探すこととなり、妖達の力を借りて聞き込む。
若だんな自身も寛永寺へ向かう途中、狂骨に襲われていた寺の若い僧を助け、寺まで送り事情を聞く。
僧があの場所にいたのは、寛永寺に女犯��犯した大柄な男がいると読売に書かれており、どうやら寺内の勢力争いで噂を利用されたらしい。実際に女犯をした僧はいるため、その調査に行った所に狂骨がいたという。
寛永寺の僧が狂骨に襲われた理由はわからないまま、広徳寺に一泊することになった若だんな。
広徳寺でも吉原の女に惚れた僧を還俗させる、しないでもめていると聞いていたが、問題の僧が出奔してしまった。女が梅毒に罹っていて、還俗して添い遂げてもろくな最期にならない、と僧を説得しようとした所、反発して出て行ってしまった為、捜索している最中だという。
出奔した僧が狂骨だと気づく若だんな。
狂骨の意味不明なつぶやきが、なぜ女だけが梅毒になったのか、なぜ治らないのか、治せるものがいないのか、という世を恨んだものだった。長崎屋は江戸一とうたわれる薬屋なのになぜ梅毒を治す薬がないのかという遠~い理由で恨まれていた。
ふろうふし…
いまだに良くならない藤兵衛の身を案じる若だんなの元に、大黒神が現れ、常世の国にいる医薬やまじないの神、少彦名なら妙薬を知っているはずと教えてくれる。
粟に弾かれて飛ばされたのは、常世の国ではなく、なぜか神田明神の境内。妖達がついてきたから重くて途中で落ちてしまったのかと慌てる若だんな。
境内にいたのは常世の国にある不老不死の薬を欲する侍達。侍達は突然現れた若だんな達を神仙と勘違いし、襲ってくるが助けてくれたのは一寸法師。
若だんなが不老不死の薬を欲しがっていると誤解していた島子が、知らぬ相手にやるくらいなら惚れた相手にやる!と薬をもって下界に降りてしまった為、探しているという。
誤解を解いた若だんなは、島子を探す代わりに毒抜きの薬を探してほしいと交渉する。
果たして侍達に追われていた島子を無事見つけられるのか。という話。実は一寸法師が少彦名だったというオチ。
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若だんなと妖の江戸での生活に変化は少ない。それでも日々の営みに楽しみあり哀しみありで若だんなも己の在り方に自問自答している。そんな生活に父親が倒れるという事件発生。その解決に関わるさまざまな出来事と妖たち。一話完結で納得させられる内容であるが、今回はあらためて妖と若だんなを象徴とする人間との時間が異なることを認識させられた気がする。倒れた後出番がない父藤兵衛が出て来ないことで、より違いを認識する。当初から語られてはいたが、妖と人間の間を過ぎる時間の重みは違う。そんな哀しみを再認識した本作でした。
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毎年きっちり同じ時期に、新刊と文庫が出るしゃばけシリーズ。第16作になりましたか。今回は、一太郎の父にして長崎屋の大黒柱、藤兵衛が倒れてしまった! 全5編は、父のために一太郎が奔走する、連作長編でもある。
発端である「とるとだす」。上野の広徳寺に多くの薬種屋が集められ、一太郎も父に同行していた。父がそんな無茶をしてしまった理由が、一太郎には痛いほどわかる。それだけに、責任も感じるのであった。江戸時代も現代も大して変わらないねえ。
「しんのいみ」。一太郎の思いが強すぎたばかりに、気づくとこんな場所にいた。お約束と言えなくもないが、藤兵衛以前に一太郎が危ない。男がすがる気持ちを責めることができるか? それにしても、ここまで危険を冒して、「一段」ですか。
「ばけねこつき」。また一太郎の縁談ネタと思いきや、騒動の裏にある男の悲哀とは。働いて働いて…現代社会でもこういう事例はあるのではないか。残念ながら首を突っ込んだ甲斐はなかったが、めでたしめでたしでいいのか?
「長崎屋の主が死んだ」っておいおいおいおい、死んではいないのでご安心を。かわいい妖だけではない。なぜか長崎屋に恨みがあるらしいが…。逆恨みで片づけるには、あまりに悲しい事情。華やかさの裏にある、江戸の闇の一面。
「ふろうふし」。回復してきた藤兵衛の容態が、再び悪化。一太郎は特効薬を求めて神仙の住まう国へ飛んだはずが…。長生きしたいとは思うが、不老不死とは幸せなのか? 妖には妖の寂しさがある。シリーズの本質を突いた1編かもしれない。
最初から最後の薬を使えばよかったのではと思わなくもないが、この5編に描かれた以外にも、噂や評判を聞けば駆け付けたのだろうと推察される。藤兵衛の回復までどのくらい時間を要したのか。気が気ではなかっただろう。
やはり、一太郎の頑張りに注目すべきだろう。いつも通り、頭も働かせるが、自ら動く。床に伏せっている描写は少ない気がするが、畠中さんは敢えて少なくしたのか。父を助けたい必死の思いが、一太郎の気力体力を持続させたのかもしれない。