紙の本
猫たちの修行の場
2022/02/01 21:21
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
生き方に行き詰り悩みを抱えた人間が迷い込む不思議な宿『山亭』。
『山亭』は迷える人間を相手にするという、猫たちの修行の場。迷える人間は誰もがどうしようもない人ばかり。
あくまでも猫たちの修行なので、迷える人間を幸福へと導くつもりなど微塵もないのです。
ただ、目的は愛する人の魂を救うためのもの。猫の深い愛を知ることになるのです。
紙の本
まだ先を切り拓くことができる
2022/03/17 00:09
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
マカンマランシリーズの感じかと思いきや、
暗い、重い、救われない……
山亭に現れる迷える者たちに対し、
オーナーはシャールさんのように
手を差し伸べてはくれません。
だって、彼らはまだ
自分で先を切り拓くことができるから。
オーナーはもっと大切な使命のために、
時が満ち、力が戻るのを待っているから。
紙の本
迷い込む
2023/02/18 23:56
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投稿者:ぽんぽん岩 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者さんと表紙に惹かれて手にしました。
どの話もリアルで見聞きする辛い状況の人が出てくる、それが不思議な山亭と猫達がからむダークな大人の童話?な感じ。
まず「序」の女の子が辛くて、最近はニュースで目にしても[またか]と思ってしまう子供の悲劇、この女の子が各章に出てくる。
悩みのある人がたどり着く山亭で地味に前向きになって帰って行くけど、読んでスッキリする訳ではない、けどそこがいいと思いました。
やはり出てくる料理は美味しそう、猫の民話や神話が度々出てくるけど、そこはふーんって感じでした。
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投稿者:302 - この投稿者のレビュー一覧を見る
序盤で注文の多い料理店の雰囲気を感じる。
料理やデザート、飲み物はとても美味しそうで、風景の美しさも伝わってくるから、不気味で怖い印象との対比が良かった。
紙の本
人は愚かで、脆く、弱く、悲しい
2022/03/16 09:52
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
Mグループの社内報の編集部おすすめの本。
猫と人間の関係を民話を交えながら、迷える人を救い出していく。
5編からなる短編集。
物語としてはあっさりしていて読み応えが足りない。
でも弱っている人にはちょうど良いのかもと思う。
「抗う女」は田舎を抜け出して成功するために努力を惜しまず懸命に前へ前へ進む姿が、過去のサラリーマンを見るようで痛かった。自分がいられる場所が見つかって良かった。
テレビドラマにすると映像的に見栄えが良く、ミステリーとしては面白いかも。
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うーん。
予想通りあまり好みではなかったなぁ。
独特の世界観はあり、御伽話なんだけど重い。
好き嫌いが分かれそうな作品だなぁ
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山奥のホテル山亭。レトロな雰囲気の重厚な佇まい。アイルランド料理は最高。麗しいオーナー、プラチナブロンドの大男の料理人、小太りなフロントに若い茶髪のドアマン。そこに辿り着けるのは大きな不安や悩みを抱えた人だけ。
子どもの虐待と猫の神話が暗めだから陰な印象だけどどれも結局は前向きに。
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世界観は面白いけれど、全体的に少し読みづらかった。
教訓めいた内容が持つ重さとエンターテイメント性のバランスがいまいちだったのかなと思います。
もう少しどちらかに振り切ってくれた方が楽しめたかも。
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猫の持つ不思議な魅力に翻弄される一冊。
「猫は人間の観察者であって、飼い慣らされた他の動物とはわけが違うのです」
いつも庭を横切って仲間の元へ向かうあの猫も、ミアキスの末裔かもしれない。
山亭ミアキスを訪れた人は、みんながみんなハッピーエンドになるわけではないし、ひどい目にあった人も、前を向いてこれからを歩む人もいる。
でもそれは、人間の観察者である猫が気づかせてくれたこと。
ただ教えられたり指摘されるのではなく、自分で自分の現状や本当の気持ちに気づくから、それぞれの方向に次の一歩を踏み出すことができる。
恐ろしいように思えて、慈悲深く愛情に溢れたいきもの。
ますますそんな猫の虜になってしまう。
そして白猫パンガー、実にいい仕事をする。
バターミルクたっぷりのボクスティ、熱々のカスタードソースをかけたアップルタルト、パセリとディルの入ったホワイトソースをかけて食べるコーンドビーフ…。
マカン・マランもそうだけれど、古内さんの描くお料理はどれも本当に魅力的。
アイルランドの妖精の話も興味深い。
ケルト文化は心惹かれるものがたくさんあるな。
”誰からどう思われようが、知ったことじゃないよ。要は自分がどうしたいかさ”
”みんな、自分の目的のために、自分を鍛えてるんだ”
”俺たちは、元々群れを成したりしない。一緒にいるのは、それぞれの目的のためだ。だからいつだって自由だし、迷ったりしないのさ”
猫のように誇り高く、自由に、意思を持って生きることは、なんて素敵なことだろう。
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山奥の素敵な洋館風のホテルに怪しい雰囲気を感じつつ、美味しそうなケルト料理にお腹を鳴らしながら、世界の猫達の民話に関心してたら終わってしまった不思議な話。
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山猫軒のような山亭ミアキス。
どっちつかず感が作品にのめりこんでいけなかった。
マカンマランシリーズが好きなだけに、期待もりもりで読んじゃったからか、、、。
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他作品から、勝手にほっこりをイメージしていましたが、雰囲気は全然違ってました。
山亭ミアキスに導かれた悩みを抱える人たちの連作短編集。
救いの物語なんですが、超絶美形オーナーと美味しいご飯にうっとりした後は、漏れなくゾクッがついてくる。
作中のアイルランド出身パンガーさんの料理がたまらなく美味しそうでした。
猫と人間には太古からの絆があるという。世界の猫の神話・伝承の数々をオーナーが語ってくれます。
個性派揃いの従業員たちが、ちょっと不思議でミステリアスな世界につれていってくれる。
プロローグとエピローグが繋がったとき、胸が詰まって涙があふれました。
『誰からどう思われようが、知ったことじゃないよ。要は自分がどうしたいかさ』
『あんたの眼に映ってるものが、俺の眼に同じように映るわけじゃないんだから。みんな違う眼で物事を見てるんだしさ』
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不協和音っぽい描写があまり好きになれなかったので星ふたつ。やはり料理の描写はよい。アイルランド料理。
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山中に突如出現する山亭、謎めいた従業員、美味しい料理、不可思議な体験、猫にまつわる物語。
設定だけ見るとおとぎ話のようだが、ストーリーはかなり手厳しい。
でもきっとこれは、逃げたい気持ちを抱える人々に対する新手のエールだと思う。
背中を押すどころか、蹴飛ばすような乱暴さはあるけれど。
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悩める登場人物達が、導かれるように辿り着いた山亭は、実はある猫達が、目的を果たすために人の姿となって修行している幻の山亭・・・そこには青い湖があり、長時間、親から車中に放置され、熱中症で亡くなったと思われる少女が母親を待っていて・・・そんなあるはずのない山亭で、猫の化身とは思いもせずもてなしをうける登場人物達・・・という、古内一絵さんの作品では珍しく、猫の神話や伝説を盛り込んだ、猫が少し気味の悪いファンタジーな物語でしたが、その山亭を訪れた問題や悩みを抱えた人物たちは、一歩踏み出していくという、やっぱり古内一絵さんらしい、前向きになれる素敵な作品でした。