受け継がれる文化と風習に人々の思いを乗せて
2024/05/21 13:13
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投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
時代が移り、人は去り、記憶は廃れ、ただ文化と風習が思いの方舟になる。レーエンデ国物語は登場人物が1巻ごとに入れ替わり、読み進めるにしたがって寂しさを伴うが、4巻を読んで思ったのは「彼らの足掻きは蓄積した文化と風習に守られて、今に息づいている」という頼もしさだ。読者が親しんだ彼らは去った。しかし、彼らが残したものの名前が今になって大勢集まっているように感じたはずだ。それらは命なき同胞である。時代と世代、そして血脈を超えた同胞を傍らに、最も新しい世代たちが、己の使命と向き合い、懊悩し、決断を下す。連綿と紡がれた歴史は、まぎれもなく当時を生きた人々の打ち立てた証に他ならない。それを歴史と理解せよ。
銀呪病、泡虫の秘密もこの巻で明らかになる。時を超えた物語を追い、レーエンデの行く末へ思いを馳せる読者もまた、彼らと次巻で出会えることを楽しみになるだろう。
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投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう読むのがしんどい。なのに手が止まらない。ずっと希望がどこにあるのか、いつ来るのか探している感じ。物語のなかでも希望側からの記述もあり、最後は希望、と知ってるだけに。
正義と正義のぶつかりあい、でも求めるところは同じ。ヒールとなって討たれることを望むなんて悲しいね。
普遍的な正しさは人間には重荷すぎる。これも辛いが、わかりすぎる。人はずっと正しさをかけて争っている。どうしても日本とか、ほかの国を連想してしまう。ただのファンタジーとして読めなくてしんどい。次回作まで余韻に浸りたい。
早く救ってあげてー。
2024/05/09 22:45
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
神の御子、という
恭しい呼び名からは程遠い酷い扱い。
まさに神をも恐れぬ所業。
これまでの登場人物の中で
ダントツ辛い目にあってる。
レーエンでの英雄、早く救ってあげてー。
試練を与えるのは神か人か
2025/04/28 16:13
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
法皇帝の息子と娘は父や代々の法皇帝が秘匿してきた存在を知り、またいかにレーエンデの民を虐げてきたかを知る。
レーエンデの民たちが自らの尊厳を取り戻そうと立ち上がるにはどうしたらよいか? 兄と妹の道は違えた。
異母妹ルクレツィア
2025/05/28 17:14
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
レオナルドの異母妹のルクレツィアが、影。レオナルドが、光ということなのですね。
あまり、よく分からなかった神の御子やライヒ・イジョルニの予言書についても鮮明になってきました、そういうことか。夜明け前、ということは革命の起きる前……さて最後は……
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絶望だらけになった後半
ついに本物の希望が見えた終章
テッサの革命ぶりで胸に込み上げるものがあった
最終巻、早く読みたい気持ちと、
ハッピーエンドを信じてまだまだ読み終わりたくない、レーエンデの世界にいたい気持ちの両方がある
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レーエンデ国物語の第4巻です。
舞台は異なる世界、西ディコンセ大陸の聖イジョルニ帝国。大海原の果てに新大陸・ムンドゥス大陸が発見され、航海路が開拓された。交易の結果、産業が発展し資産家たちは莫大な富を手にするも、格差社会の底辺に生きるレーエンデ人たちは変わらず過酷な労働に従事させられていた。
今作の主人公は、西の司祭長ヴァスコ・ペスタロッチの嫡男、レオナルド・ペスタロッチ、またの名をレオン・ペレッティ。彼は始祖の血を引く四大名家の嫡男でありながら、民族格差を撤廃するために尽力し、やがてレーエンデに自由をもたらすためレジスタンスとなり革命へと身を投じてゆく…。
今作でも序章にて史実的にレオンについて書かれていて、えっ⁈となる。最初からネタバレですか…。この記述のせい、、、おかげで、中盤ですでに最後が予想できてしまい、正直ちょいうつになりながら読み進めました。でも!いゃぁ〜もう今作も惹き込まれましたね。早く先を読みたい気持ちと、読み終わりたくない気持ちとのせめぎ合いでした。
レオンの異母妹のルクレツィアが圧巻です。また、ここ2作ではほぼ触れられてこなかった神の御子やライヒ・イジョルニの予言書などなど、そもそもの物語の核心にも触れられ、『月と太陽』で疑問に思っていた事も「そういうことだったのね!」と納得。
あぁ、もう次巻で完結ですよ。次のお話はなんと17年後!あの子たちが活躍するのかな?夜明けはもうすぐそこですね。
最終巻を読む前に1巻から全部再読したいなぁ。文庫本になるまで待つつもりだったけれど、買ってしまおうかしら…悩みます。
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頼むから、最後はハッピーエンドでありますように
これまでの物語の主役たちが、救われる最後でありますように
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レーエンデ国物語は一度読み出すと止められなくなる。4巻も一気に駆け抜けてしまった。
ヤバネカラスの銀天使が神の御子のそばにいる所で涙が出そうになった。
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これはすごい…天才の所業。レーエンデ国物語っていつも分厚いなァと思うんですけど2日で読み切った。「正義はひとつではない。人間が唱える正義は立場によって異なる。数多の正義が潰し合うことなく同時に存在すること。それこそが平和の象徴なのかもしれない。」って文章が出てくるんですけど…正義vs正義って切ないよね…涙
昨今の各地での戦争がまさにこれじゃん…
でもってステファノって最初きっとなんかやらかすんだろうなァって思ってたんですけど、結局自分では何もやらかしてないのに何もかもが可哀想すぎる。トリスタンに匹敵する可哀想さ。正義感ブルーノ大好き。
あと前作までは「名前を言ってはいけないあの人」ばりにひた隠しにされてた神の御子の名前あっさり出てきてウケた笑
神の御子の鍵はベイビージュードが持ってるんだろうなァ〜〜〜続き早よ!
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レーエンデを救う為に自分を悪とし、レーエンデ人を奮い立たせる為に動いていた。それを倒す為に動く兄お互いを愛し合っているのに殺さなければならない運命に切なくなりました。次作はついに完結!
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夜明け前が一番闇が深いとはよく言われる話だが、レーエンデのために闇と光を担う異母兄妹。
二人はそれぞれの正義を胸に革命を起こそうとする。
正義とは一つではない。何なら人それぞれ正義があると私は常々思っているけれど。
次巻で完結と予告。寂しい。
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商会運営の件は面白かった。が、革命の段になると前置きで壮大に語られるほど胸熱き展開ではなく、悪の道に正義を見出し走る義妹の願いを叶えるべく打つ義兄に見えなくもない。途中まではレーエンデのためにの大義名分が作用していたけど。
革命は一人で起こすものではなく、内から迸る民衆によるものだと思う。今作は暗殺を持って革命の一端としているけど、ちょっと運命に身を任せすぎかな。
ただ、見えなかったルーチェの意図とテッサの革命の失敗の裏話を垣間見られてよかった。レーエンデの民を奮い立たせるためには善政を敷いてはならなかったのね。
自作いよいよフィナーレ。次は誰の手にバトンが渡るのか。
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第4部「夜明け前」も命を懸けた愛と信念の壮大な物語で本当に最高だった。
義兄妹の愛情と互いの正義。何が正しさで、何が悪なのか。守りたいものが違う故に正義も違う。最終目的は同じなのに全ての闇を背負おうする妹とこの世の絶対悪を許さない兄。この2人の関係の切なさには涙した。朋友関係のブルーノとレオナルドのやり取りも面白さからかっこよさへと変わり、互いを思いやる気持ちに感動した。
あーみんな救われて欲しかった。みんなに幸せになって欲しかった。でも自由になることはそんな幸せだけじゃだめんなだ思い知らされた。
正義や正しさについて沢山考えた1冊だった。
ちょっと長いけど面白くてすぐ読み終えた。
早く次作が読みたい。
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完結直前の、革命のための物語。
毎度そうなのだけど、大きな歴史の流れを汲みながらも、革命のために立ち上がる人びとの個人的な物語がとても切ない。
今回の主役であるレオナルドとその妹であるルクレツィアの日常が煌びやかに描かれており、その後の怒涛の展開に胸が詰まる思いがする。
あまりにも人間離れした聡明さを持つルクレツィアと、真っ直ぐすぎるレオナルドの組み合わせは、どこか二巻の主人公であるテッサとルーチェを思わせる。
今回の話は、過去の物語の種明かしのような要素もあり、核心に迫る内容になっているが、過去作の出来事についても言及があり、また読み直したくなった。