重い話ではあるが
2025/03/14 08:12
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物たちが皆重い過去を持っていて皆苦悶している。しかし、どこか救いのある話で最後にはそれなりに纏まったので読後感は悪くない。この作者の作品としては読みやすい部類にはいるのではないだろうか。
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
心を閉ざした孤独な弁護士と、人を殺めた罪を背負う従兄弟。身元引受人となり生活を共にする内に、忘れていた人の温もりに触れ、ゆっくりと互いの心の傷を修復していく、感性豊かな長編ミステリ。
命に苦しめられながら、命を生きる。身近な人の死や失踪など、平穏な日々が突如として崩れる恐ろしさを、大切な人たちとの結び付きを通し描いた、心の解放の物語。
相容れない性格と先入観に囚われながらも、小さな言動から相手の心の深くを読み取り、互いに歩み寄っていく。少しずつ積み重ねる努力の大変さと大切さを、堅実に訓えてくれた。
「贖罪」の在り方など、追い詰められた人の取る整合性がない判断。自らを痛め付ける事でしか護れない人間の弱さを、痛いほどに感じさせられた。
重いテーマの中に覗く軽妙な会話がアクセントとなり、閉ざされた籠に光が射していく光景が目に浮かんだ。特に一番最後の二人の会話が良かった。
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
不可解な経緯で同居することになった弁護士村瀬快彦と従兄弟の蓮見亮介。薬丸岳さんの小説らしく「痛み」はありますが、読みやすく、ハートウォーミングな小説です。
籠の中にいる理由
2024/10/17 21:40
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
籠の中にいるふたり。
自ら閉じこもるのと、
自らを閉じ込めるのは
似ているようでずい分違うなーと思いました。
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
明らかに悪い奴はいる。
犯罪者でも殺人犯でも、必ずしも絶対悪とは言えない場合もある。
血よりも育った環境が大事ってことなんだろうか。
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感動した。感動した。大好きな薬丸岳さんの最新作ストーリーテーラークライムノベルの第一人者、読む手が止まらず結末が近づくのがいやなほどの大傑作であります。弁護士である主人公の村瀬快彦と従兄弟の蓮見亮介の関係性、なぜ殺人を犯したのか謎が解けていくことへの期待感、そしてなぜこんな事になってしまったのかと言う結末にあぜんとしてしまった。あなたも読んで涙して下さい。感動して下さい。
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薬丸岳は
やりきれない、やるせない
そんな気持ちになることが多いので
弱ってるときには読まない
しかし最近読んでなかったなーと
読んでみた
謎がいっぱいだった
ラストで怒涛の謎解きなんだけど
そこまでも退屈しないし
複雑に(ってこともないけど)絡まった
人間ドラマに仕上がってた
何より
しこりは残るけど
よっしゃ、幸せにむかっていける!
って思えたので
あれ?これ薬丸岳だっけ?
って確認しちゃった
すぐ読み終わったし
辛さに打ちのめされることなかったけど
まぁフツーっちゃフツーなので
星は3つ
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薬丸さんの本は大体犯罪者と被害者が出てきて互いが複雑に絡み合うのだけど、今回は少し毛色が違った。
主人公快彦と刑務所から出所してきた亮介の関係性は「普通の人」と「犯罪者」だ。従兄弟という繋がりがあることはあるが疎遠だったようだし、最初は半ば承知せざるを得ないような感じで同居を決められてしまった快彦が若干気の毒だった。
しかし読み進めていくとどうやら亮介はいい人で、どう言う状況で犯罪を起こしてしまったんだろうと気になってくる。逆に人間味をあまり出さない快彦の方が分かりにくいキャラクターのように思えてきてしまう。
ラストは怒涛の展開。亮介が罪を犯した理由と快彦の元へ来た理由が全て明かされたとき、そうだったのか…と亮介に対するなんて言ったらいいのだろうか…慈しみの気持ちが生まれてくる。
自分に罰を与える人が多いんだよね、この本。それで納得できれば良いかもしれないけど、周りの人はあなたが思っている以上にあなたのことを大切に思っていてくれてる、と伝えたい気分だ。
亮介が犯罪者であることは変わらないが、読後は温かい気持ちになった。
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弁護士・村瀬快彦は
傷害致死事件を起こした従兄弟の蓮見亮介の身元引受人となり
ふたりは川越の家で暮らし始める。
薬丸岳さんの、複雑に絡み合った犯罪心理を描く作品を多く読んできた。
今作は、従兄弟として、弁護士としてどうすればいいのか。
悩む快彦を中心にストーリーは進んでいく。
中盤までは、ふたりの成長が描かれ終わると思っていた。
しかし、それだけではなかった。
そこから、もう一段盛り上がりを見せ読者を引っ張っていく。
最後に許すのは人。
そして、許されるのも人なんだと再確認。
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人と深く関わることを避けて生きてきた弁護士快彦が罪を犯して刑期を終えた従兄弟亮介の身元引受人となり同居することになる。明るくて誰とでもすぐに友だちになれる亮介を疎ましく思い嫌味ばかりを言う快彦。
しかし亮介のおかげで仲間が増え、快彦も他者に対して少しずつ心を開くようになり、そしてついに亮介が起こした事件についても明らかになる。
いつもの薬丸作品と少し趣きが違うように思ったが、最後はやはり心温まるストーリーだった。
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2024/07/20リクエスト 11
弁護士の快彦は、服役していた従兄弟・蓮見亮介の身元引受人となる。幼い頃に一度会っただけなのでほとんど他人。
小学生の頃、母親か自殺したことに自責の念を抱き、人との関わりを避けてきた。
そんな快彦が、正反対に思える亮介と暮らすことにより、だんだん変化していく。
快彦の周りの人が、いい人ばかりで、みんなが幸せになろう、ムードで安心した気持ちで読了。
(そうそう上手くいかないよね、とか言いたくない気持ち)
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父を亡くし恋人にも振られ一人になった弁護士の村瀬快彦は、20年以上疎遠だった従兄弟・蓮見亮介が傷害致死罪で服役していた事を知る。身寄りのない彼の身元引受人となり二人で暮らし始めたが…。子供の頃に母を亡くしてから人と関わる事を極力避けてきた快彦が、明るい亮介に影響されて変わっていく様に温かみを感じていたのに、亮介の起こした事件にまさかの真実がかくされていたなんて…。フィクションだというのに遣り場のない憤りを覚えた。1つの執着が何人もの人生を歪めてしまう。なかなかに重い物語だった。
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弁護士・村瀬快彦は傷害致死事件を起こした従兄弟の蓮見亮介の身元引受人となり、釈放後に二人は暮らし始める。小学6年生のときに母親が自殺し、それ以来、他人と深く関わるのを避けてきた快彦だったが、明るい亮介と交流することで人として成長していく。
だが、ある日、母が結婚する前に父親の安彦に送った手紙を見つけ、自身の出生に関わる衝撃の秘密を知る。二人は全ての過去と罪を受け入れ、本当の友達になれるのか――。
著者史上もっともハートフルな物語が誕生。最後に芽生える真の友情に、あたたかい涙が止まらない!
快彦も亮介も何か訳ありで どことなく影があるような感じがして いろいろ推理しながら読んでいました。
2人はそれぞれに籠の中にいたんですね。
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感想
歩み寄る。言葉にすればそれだけ。素直にできたらどれだけいいか。近くにいても心は離れているかも。もし勇気があれば。傷ついても。それでも。
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薬丸岳さんの作品はいつも、とても苦しくなりながら読んでいる感じなのだけれど、本作はほんの少し、苦しさ度合いが低かったかも。悪者以外の登場人物がみんな良い人だからかな。
一気に読ませるのはさすがだと思いました。
次回はどんな設定で書かれるのか楽しみです。