恋とか愛とかやさしさなら みんなのレビュー

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プロポーズの翌日に彼氏が女子高校生を盗撮って、こんなのどうしたらいいの？と一緒に苦しくなりながら読んだ。
相手に対して許せるライン、許せないラインは人それぞれだと思うけど、初犯の出来心での性犯罪って判断に迷いそう。
新夏の考えや行動はなんとなく自分と共通するところがあって、「わかるわかる！」となりながら読んだ。
新夏が出てくる前半は面白かったけど、後半は面白さ半減。多分、被害者一家のせい。

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結婚秒読みな彼がいて、幸せなんだろうなというシチュエーションが冒頭で来ているので、これは何かとんでもないことがあるんだろうな…と思っていたら、まさかの盗撮事件が起きる。
彼が盗撮で捕まったら、別れますか？それとも無かったこととして付き合い続けますか？という問いに主人公はずっと悩み続ける。
別れるか別れないかは人によると思うが、大半の人は別れる選択をするのではないだろうか。
いくら相手がもうしないと言ったって、どうしても疑ってしまうよね。
主人公の場合は、彼の姉に「当然別れるよね？」と言われたり、逆に彼の母親は「そんなことで別れないわよね？」スタイルだったりと周囲からのノイズが激しく、じっくり考えることが難しかったろう。
まあ最後は自分の直感に従うしかないし、結局他人が何を言おうが自分がやりたいようにするという主人公の姿勢は良かった。
何にせよ、別れろ別れるなは他人が言っていいことじゃない。

彼の気持ちはやっぱり理解はできないし、理解したいとも思えない。後半では彼の視点で話が進むのだが、本当に何でこの人は盗撮してしまったんだろうと最後まで疑問が残った。一生、罪を犯したというレッテルを貼られて生きていくんだよね。そんな覚悟はなかったと思う。
盗撮してしまった女子高生のために憤るシーンがあるが、盗撮しておいてお前…と思う気持ちと、こいつ、良いこと言うじゃん…という複雑な心境になった。
本作は後味が良いような悪いような…。なんとも言えない気分だ。

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そんなに読んだことないけど
読んだことあるこの人の本の中では
１番よかった
直木賞のやつより
こっちのほうが
圧倒的にいいなと思った

彼女視点の話も
彼氏視点の話も
どっちも「もし自分だったら…」
って考えてしまう話だった

内容は忘れないと思うけど
タイトルと結びつかなくて
「この本、どんな話だったっけ？」
ってなるだろうから
ちゃんと感想書いときたいけど
考え出すと
思考が際限なく広がるので
うまいこと書けない

念の為
プロポーズした次の日に
盗撮でつかまった彼氏と
その彼女の話
って書いとこう

星はギリギリ４つに届かない３つ

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プロポーズされた翌日に恋人が盗撮でつかまる…何とも衝撃的なスタートに驚かされた。

ふわふわした気持ちで行ってしまった、出来心だと思うと言う彼。
彼の行動の原因を納得したいと思いながらも混乱し続ける彼女。
2人がすれ違っていく様子が描かれ、彼の両親と姉、彼女の両親等についても描かれる。
多様な考え方があるということを感じ、自分だったら…と考えながら読んだ。

「怒って軽蔑して、心の底から気持ち悪いと思ってほしい」と彼が思えたことは救いじゃないだろうか。

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なんかまた重たいテーマなのに、サラっと読める

罪と、許すと、許したいと許されたいと許されたくないが入り混じって、心臓になんとも言えない爪あとを残す

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ストレスの解消方法が他人に害を及ぼす形を取った時、恐らく箍が外れる。外れたら元には戻らない。それはもう緩いから。啓久の箍は外れかかってる。締め直せるかの岐路にいる。社会的には逮捕の時点でもう壊れたと見做されるが、啓久自体の生は終わってないので決着なんてついてない。その先の長い人生を自覚した時、多くの場合は考えるのを止めるのではないか。自分の中に閉じ籠もるか、世間を呪うか。傷ついてる時に、真の意味で反省ができる人は少ない。スカートの中を盗撮するのは圧倒的に男性が多数だと思うので、男性に聞いてみたい。社会的正義に迎合しない率直な意見を。啓久の思考を理解できるものなのだろうか。女性が描く男性ファンタジーだろうか。

新夏の苦悶はよく分かる。リミッターを解除した経験のある人と共に歩めるかどうか。恋やら愛やらやさしさなら「歩める」と答えるかも知れないけど、結婚の中身は「生活」だものね。
美しかったものだけを形にしちゃったらこの問題は終わりになっちゃうけど、終われないよね。そんな最高傑作嫌だよね。

アートって欲の発露だと思う。むき出しであればあるほど他人の心に強く影響する。自己発現としては犯罪心理の至近距離にあるのかも知れない。
私の嫌悪感が何処にあるのかをこの作品を読むことで知ることが出来た。
あけすけな欲求は気持ち悪い。それが許されるのは、お互いを好きで居てくれるたったひとりだけ。

「〜より」は啓久というキャラへの愛情を感じた。被害者からのアプローチはまぁまず無いと思う。でも彼女を解放してあげられた事は良かったなぁと思うし、こういう親、多分いるだろうなぁ…

小難しい表現は無いし、文体は若向けなんだけど、難問に真っ向勝負の読み応えがある作品だった。自分で手に取ることはまず無いジャンルだけど、良い機会を貰った。
でもめちゃくちゃ疲れた……リアルに具合が悪い……

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この物語の中に、共感できない人、共感できない考え方がたくさん出てきて、人って本当に厄介な生き物だなあって改めて考えさせれました。
でも、共感できなくても、その人にはその人の曲げられない強い思いや誰かに対する気遣いや優しさがあることに気づき、読みながら自分も無意識のうちにその人を応援していたし、理解したいなって思えました。
色々考えさせられるお話でした。

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誰の決断も否定できないし肯定もできない、正解なんてどこにもない問題を突きつけられました。答えなんてないのにそのときの最適解を出して人生を選び進んで行かなければならないという苦しさがページを捲る手を止めるのに、心は急いて二人がどうなるのかを知りたがる…もだもだとした体験でした。
新夏も啓久も安易に忘れようとか気持ちに蓋をしたりせず、自分の答えを出そうと苦しみながら最後までもがいている姿は尊敬します。
どうして自分がなにを一番大切にしたらよいのか分からないのか、常套句ですが、失ってみないと分からないなんて人は愚かだと感じます。
愚かだと自認して大事な人を傷つけないように慎重に生きて行くのだとお守りをもらった気がします。