電子書籍
娼年シリーズ
著者 石田衣良
恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。だが、バイト先のバーにあらわれた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香から誘われ、とまどいながらも「娼夫」の仕事をはじめる。やがてリョウは、さまざまな女性のなかにひそむ、欲望の不思議に魅せられていく……。いくつものベッドで過ごした、ひと夏の光と影を鮮烈に描きだす、長編恋愛小説。
娼年
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紙の本娼年
2010/08/14 22:58
優しさと静けさに満ちた小説。
15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かず吉。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
娼年。文字どおり、体を売る男の子の話。
男の子といったら語弊があるかもしれない。
主人公とは大学にほとんどいかずにBarでアルバイトを
している、何をしたらいいのかわららない、20歳。
偶然であった、女性のためのCall boy Clubを経営している
女性と知り合い、体を売るようになる。女性もセックスも
つまらないと言ってはばからなかった主人公は、その世界に
はまっていく。
お客さんごとに違う要求、違う性的指向を目の当たりに
して、主人公は性を追求していく。セックスの指向なんて
ほんとに人の数だけあるんだと思う。
石田衣良さんの小説の中でも雰囲気がだいぶ違う本で、
その雰囲気がとても僕は好きで、何度か読み返している。
小説に漂っている、静かな、穏やかな雰囲気がとても
気に入っている。
性的な描写もとてもきれいに書かれていて、嫌悪感は
僕にはない。もしかして、読む人によっては嫌悪感を抱く
かもしれない。
今回も読み返している最中から、何かうまく説明できない
けれど、心に浮かんできて、読み終わった今、心の片隅には
何かが確実に、残っている。そんな小説。
電子書籍娼年
2013/01/27 22:32
衝撃
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いもっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
普段、時代小説を中心に読んでいて、電子書籍で初めてこの作者の本を読みました。
ちょっとエロティックなモノだとは思いましたが、人間の性を見事に描いていて感心しました。
登場人物を自分で組み立てる現代作家さんは、すばらしい想像力と観察力で描いているのがよくわかりました。
続編も読みましたが、この作家に嵌まりましたね。
電子書籍爽年
2023/03/04 09:33
タブーなき石田衣良の世界。 彼の手にかかれば、難しい問題もクールでスタイリッシュに切り込まれていく。 小説ならではの醍醐味がここにある。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
石田衣良の「娼年」シリーズの第3作。
主人公 森中領が娼男の世界に足を踏み入れる第1作「娼年」。
経験を積み重ねる中で恩人との悲しい別れを乗り越える第2作「逝年」。
あれから7年。
少年から青年、そして壮年へ。
様々な出会いの中で、目の前にいる人に全力をかけて尽くしていくリョウ。
その姿勢は哲学的ですらある。
リョウを通して、著者の社会への考察、現代への提言がさりげなく伝えられる。
難しい問題でも、物語の形を取ることで読む人にじわじわと訴えかけてくる。
著者はその手法をあえてタブーを使って切り込む。
青年男子の草食化。
LGBTの先にあるアセクシャル(性的欲望を持てない人)。
子育てという難事への家庭や社会の評価の低さ。
欲望は否定し押さえ込んでも、歪な形で吹き出してくる。
むしろ、自分に正直に生きること、健全に欲望に向き合う重要性をリョウとその顧客たちのコミュニケーションを通してあぶり出していく。
タブーなき石田衣良の世界。
彼の手にかかれば、難しい問題もクールでスタイリッシュに切り込まれていく。
小説ならではの醍醐味がここにある。
紙の本爽年
2023/02/15 09:38
少年から青年、そして壮年へ。 タブーなき石田衣良の世界。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
石田衣良の「娼年」シリーズの第3作。
主人公 森中領が娼男の世界に足を踏み入れる第1作「娼年」。
経験を積み重ねる中で恩人との悲しい別れを乗り越える第2作「逝年」。
少年から青年、そして壮年へ。
様々な出会いの中で、目の前にいる人に全力をかけて尽くしていくリョウ。
その姿勢は哲学的ですらある。
リョウを通して、著者の社会への考察、現代への提言がさりげなく伝えられる。
難しい問題でも、物語の形を取ることで読む人にじわじわと訴えかけてくる。
著者はその手法をあえてタブーを使って切り込む。
青年男子の草食化。
LGBTの先にあるアセクシャル(性的欲望を持てない人)。
子育てという難事への家庭や社会の評価の低さ。
欲望は否定し押さえ込んでも、歪な形で吹き出してくる。
むしろ、自分に正直に生きること、健全に欲望に向き合う重要性をリョウとその顧客たちのコミュニケーションを通してあぶり出していく。
タブーなき石田衣良の世界。
彼の手にかかれば、難しい問題もクールでスタイリッシュに切り込まれていく。
小説ならではの醍醐味がここにある。
紙の本爽年
2021/12/18 07:55
少年から青年、そして壮年へ。 タブーなき石田衣良の世界。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
石田衣良の「娼年」シリーズの第3作。
主人公 森中領が娼男の世界に足を踏み入れる第1作「娼年」。
経験を積み重ねる中で恩人との悲しい別れを乗り越える第2作「逝年」。
あれから7年。
少年から青年、そして壮年へ。
様々な出会いの中で、目の前にいる人に全力をかけて尽くしていくリョウ。
その姿勢は哲学的ですらある。
リョウを通して、著者の社会への考察、現代への提言がさりげなく伝えられる。
難しい問題でも、物語の形を取ることで読む人にじわじわと訴えかけてくる。
著者はその手法をあえてタブーを使って切り込む。
青年男子の草食化。
LGBTの先にあるアセクシャル(性的欲望を持てない人)。
子育てという難事への家庭や社会の評価の低さ。
欲望は否定し押さえ込んでも、歪な形で吹き出してくる。
むしろ、自分に正直に生きること、健全に欲望に向き合う重要性をリョウとその顧客たちのコミュニケーションを通してあぶり出していく。
タブーなき石田衣良の世界。
彼の手にかかれば、難しい問題もクールでスタイリッシュに切り込まれていく。
小説ならではの醍醐味がここにある。
紙の本娼年
2004/05/24 10:34
「娼年」というタイトルながら、少女のように心震わせる女たちに目が吸い寄せられる
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミケ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「娼年」というタイトルが、目に飛び込んできた。
電車で居眠りをしていて、ふと目が覚めたそのときに。
少女漫画「正しい恋愛のススメ(一条ゆかり)」を読んだことがあるので
あんな感じで美少年の男娼が出てくる話かな、と思って読み始めた。
そう、その通りでした。
美少年(美かどうかわからないけど)が、ふとした好奇心から男娼になり
普通のホストクラブなどには、たぶん来ないであろう種類の女性たちを相手にする。
タイトルが「娼年」だから、20歳の大学生リョウが主人公の、ひと夏の成長物語であると
思うのだが、私はリョウが相手をした女性たちの方に意識が流れていった。
それは私が女性だからかもしれない。
男性作家の描いた女性なのに、これほど彼女たちの哀しみのようなものが私の心に
沁みてくるのが驚きだった。
名のある男性作家の描く女性像というのは、今までちっとも心に響かなくて
「何なの、コレ。」という感じで反発を覚えたものだ。
女性が女性を描いた時もまた、特に官能的な場面は生臭い感じがして私は好きではないのだが
この小説の中の女性の描写には生臭さを感じなかった。
女性が知っている女性というものを、生臭くなく、まるで少年のような透明さで描いていると思う。
陽炎のような、水のなかでゆらめいているような、そんなつかみ所のない印象の中で
(つまり、そのことで登場人物すべての不安な心の揺れを感じ取れるのだが)
ひときわ実在感を持って迫ってくるのが、リョウの大学の同級生メグミだ。
あの、断定的な物言いは、「常識的」すぎて、逆に何かに取り憑かれているような狂気を感じた。
「きっとリョウくんも、いつかわたしに感謝するようになる。
わたしはすべてリョウくんのためにやるんだからね。」
とたたきつけるように言ったメグミの姿は、そのまま子どもに対する母親の姿と重なって怖かった。
リョウが男娼として売れっ子になりダブつくほどのお金を稼いでも、金銭的な感覚が
マヒしないようにとバーテンダーのバイトを辞めないのと同じで、メグミのその怖いくらいの
「常識的行動」もまたこの社会で生きているんだという実感を忘れないためにリョウには
必要かもしれない。
石田衣良の小説は「うつくしい子ども」とこの「娼年」しか読んだことがないけれど
繊細なタッチがかなり読み心地が良いので、他の作品も読んでみたいと興味が湧いてきた。
紙の本娼年
2005/02/03 11:50
傑作。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
石田衣良を知らずしてこの本を手にする人はあまりいないだろうが、もしそんな人がいたらちょっと眉を顰めるような内容かもしれない。20歳の青年リョウが、娼夫として一夏を過ごす中で色々な女性と知り合い、成長していく?と言った物語。特殊な趣味を持った女性もいる。いや特殊な趣味をもった女性の方が多い。中には自分の祖母より年上と思しき女性とも、ベッドを共にする。その中で、女性と人間とを知っていく。
性的描写が細かく具体的で、ちょっと面食らう部分もあったが、しみじみと胸に染み入って来る物が確かにある。そして、確かに彼の作品でしかありえないと思わせられるテイストがある。
大変な売れ行きを見せ、直木賞候補になったのもうなずける1作。彼の作品はどれも素晴らしいが、その中でも珠玉の1作と言っていいのではないだろうか。特に女性ウケしそうな作品に思えた。
紙の本爽年
2020/06/07 22:23
冒頭で話していることが全てだ
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
神がいたとして、神が人間に与えたもの能力を、人間は未だに上手く使えないままでいるような気がする。性について、恥ずかしがらずに、ふざけ過ぎずに、もう少しだけ考えるべきだと思う。
紙の本爽年
2018/05/25 15:24
寝た
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「娼年」に始まり「逝年」を経て、シリーズ第3弾。そして、これが最終巻らしい。映像化もされたし、石田氏の作品では記念碑と言っていいかもしれない。女性の性と心理を書かせたら抜群の人だが、男娼を主人公にするとなれば、ネタとしても、ここいらが収めどころか。寝た、というのはヘタな駄洒落だけれど。
紙の本娼年
2022/11/08 00:14
深い
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かい - この投稿者のレビュー一覧を見る
セックスの描写も繊細で、男の感情の起伏をうまく表現されています。リョウがおもう、年上の女性への価値観に深く共感しました。
紙の本娼年
2021/07/18 13:01
ごく普通の大学生が
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
夜のネオン街へと堕ちていくようで圧倒されます。様々な性的嗜好を持つ客たちとの、一夜限りの関係にドキドキです。
紙の本娼年
2020/12/05 21:59
映画も見てみたい。。。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル通り大学生の青年が娼婦になる話。特にお金に困ってるわけでもない青年が、その仕事内容やその仕事で知合った人間関係にはまっていく過程で、雰囲気たっぷりの物語に自分もはまっていった。静かな雰囲気の主人公の芯の強いところも交換が持てる。とはいえ、電車の中で読むにはちょっと気がひけた。映画はまだ観てないけど、この雰囲気を出せているのかどうか見てみたい気もする。
電子書籍爽年
2020/03/21 12:17
夜と青春の終わり
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
リョウを始めとする夜の世界に生きる男女の、それぞれが選んだ道のりが心に残ります。いつまでも続くかに思えていた彼らの若さや美しさにも、いつかは終わりがくることを痛感しました。
電子書籍爽年
2018/05/17 21:28
リョウくんってこんな感じだった…?
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えんげ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前2作に比べて物足りない印象が否めない。
シリーズを通してこれまでも登場してきた女性達の性については、様々な欲求があって当然だろうし、それ自体にはさほど驚く様なこともなく、
この作品ではそれよりもむしろリョウくんがどう反応し、言葉を選び、受け止めていくかのプロセスや、彼自身の感性に期待するのだが、今回は主語が「日本は~」「この国の未来は~」などが多く、読んでいてリョウくんではなく著者自身の姿が邪魔をしてきた。
個人的にはリョウくんとクラブのメンバーたち関わりも楽しみにしていたが、今回はあまり触れられていなかったので消化不良な感じが否めない。
このシリーズの魅力はリョウくんだけでなく周りのメンバーの魅力あってこそだったのだと感じた。
うーん、もう一度1作目から読み返したらまた違う見方ができるだろうか。。
アズマ。
アズマの物語を読んでみたい。凄く。いつか書いてくれないだろうか。
電子書籍爽年
2020/11/15 21:30
性の開放が心の繋がりをもたらす
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
3部作の完結編になるのかな。人それぞれにいろんな性癖や性感帯があって面白い。そんな特殊な事情を抱えた女性が次々と出てくる。会話もけっこう開けっ広げで、セックスについてこんなにもオープンに話す人ってそうそういないだろうと思うのだが、どうだろう。むしろこういう女性がいたら素敵だなぁという、石田さんの願望?作中でも触れられているが、日本人は元来、性に対してもっと開放的な民族であったのに、そういった考えが破廉恥、タブー視されるようになり、欲望を殺すことでかえって心の繋がりも希薄になってしまったのかもしれない。