ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学
著者 著:本川達雄
動物のサイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、総じて時間の流れる速さが違ってくる。行動圏も生息密度も、サイズと一定の関係がある。ところが一生の間に心臓が打つ総数や体重あた...
ゾウの時間 ネズミの時間 サイズの生物学
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商品説明
動物のサイズが違うと機敏さが違い、寿命が違い、総じて時間の流れる速さが違ってくる。行動圏も生息密度も、サイズと一定の関係がある。ところが一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用量は、サイズによらず同じなのである。本書はサイズからの発想によって動物のデザインを発見し、その動物のよって立つ論理を人間に理解可能なものにする新しい生物学入門書であり、かつ人類の将来に貴重なヒントを提供する。
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ロングセラー、それに恥じぬ快著
2002/04/16 04:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鳥居くろーん - この投稿者のレビュー一覧を見る
これぞ新書、てな一冊。
この本のすごいところは生物学と物理学という二つの分野をかくもわかり易くつなげてしまったことにあろう。そう、とにかくそれに尽きるのだ。
生物とそのサイズの関係、サイズがその構造や生態に与える利点と制約、あるいはその移動方法とエネルギー効率の関係、などなど、マシーンとしての生物に関する興深い疑問を次々と提起しては解説してくれる。ただ記憶するだけの不毛な受験勉強にあけくれる高校生がいるのならば、この本を先に読ませたいくらいである。「理科ってこんなにおもしろいものだったのか」と、そういってくれるに違いない。
内容は重すぎず軽すぎず、好奇心を満たしてはまた誘い、鈍ってるノーミソにほどよい刺激をあたえてくれる。そしてあくまでも手軽。新書の名にふさわしい名著である。
完全なる科学ではないが、ロジックを学べる
2024/01/31 22:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sampo - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学のレポート課題として読む。科学として証明されていないものの、法則としてよく知られているものについて、丁寧に論じた文章。
数式のところで諦めずに最後まで読むべし
2022/08/22 20:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
生命科学の本で、いろいろな動物をカバーしている。数式がところどころ出てくるが、はっきりってよく理解できない。それでも言わんとしている意味はとてもよく分かる。数式のところで諦めず、最後まで読んで欲しい。無茶苦茶面白いから。
四半世紀も前の名著
2022/02/17 11:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初の出版は四半世紀も前のであるが、未だに版を重ねている名著である。生物の体の大きさに代表される様々の物理的性質をわかりやすい物理的法則と生物学で大変に興味深く解説している。この法則は生物学以外に企業や国家の大きさと振る舞いにも当てはまりそうな気がする。
楽しい
2019/03/31 22:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年「生き物になりたい展」のような体験型イベントに参加した。自分が実際に生き物の殻をつけたり、バジリスクになって沼を走ったりw
それと同じで自分と象やネズミが同じ大きさだったらと思って読んでみるとすごく面白そう。
地味なロングセラー
2010/08/14 06:04
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゾウの時間ネズミの時間 本川達雄(もとかわ) 中公新書
何かの本にこの本が紹介されていてこの本を読むことにしました。何の本に紹介されていたのかは覚えていません。
61版とよく売れている本です。初版が92年なのでロングセラーです。理系の人向きの本でした。動物園に行きたくなる本です。
生き物を使った実験結果に基づいて、大きさと何かを比較して、比例を求める。そのときに限界点が存在する。学者さんはこういう視点でモノを見ているのか。そこに利潤の追求はありません。動植物の進化について語られています。
研究結果から、日本国民は食べすぎであるとか、植物にも生きる「欲」があるとか、ユニット構造で生き延びやすくするとか、球根で冬を越すとかがわかります。
ゾウは100年生きることができる。ネズミは長生きできない。どちらも一生は同じぐらいの心拍総数と理解しました。スクリューよりもヒレのほうが推進力は大きい。車輪構造の足をもつ動物がいないのはなぜか。ウニの棘(とげ)が折りたためることは知りませんでした。自然の摂理について書いてあります。自然は神秘的です。とくに全体の動植物が生存し続けていくためのバランスがうまくできていることがわかります。
自分サイズの時間を
2003/07/09 14:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アキノ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本のおもしろさにはいろいろあるが、ぼくが特に好きなのは、常識的な知見をひっくり返してくれるようなものや、他の問題にまでさまざまに新たな発想を得られそうな本だ。本書もそういう一冊である。
本書の白眉は真っ先に出てくる「時間は体重の1/4乗に比例する」だ。筆者によると、動物の生理的時間はどれも変わらない可能性がある。つまり、ウスバカゲロウの一生は当人にとっては嘆くほど短くないし、鯨の寿命ははたで見ているよりも長いとは感じていない。蟻んこの一日はめちゃくちゃ長いし、ゾウの一日はあっという間なのかも。
ということはである。ぼくは年々一日や一年が短くなっているように感じているが、これは相対的な時間の短さ(それまで生きてきた時間に対する一日・一年の比)だけによらないかもしれない。小さいときは体重も少ないから、ものすごーく長い一日を過ごしていた可能性がある。というか、ぼくの記憶ではたしかにそうだ。夏休みなんか、永遠に続くのではないかと思っていた。あのときは、体重が軽かったからだったのか! あるいは、痩せた人がせかせかして落ち着きがなく、一方で太った人が鈍くて腰が重いのも、時間感覚が違うことで説明ができてしまう。
以上のことは妄説に過ぎないが、こんな風に本書からいろいろな発想が生まれてくる理由はたぶんこうだ。ぼくたちはふだん、お日様が昇って沈む天体の動きによって計られる時間に縛り付けられている。普段の生活も体内のリズムもそれにあわせて刻まれている。何より、社会生活がそれに合わせるように要求してくる。しかし、これには不自由を感じることも多い。特にちょっと長いスパンで見るとそうだ。同じ期間で経験することの量や質には個人差がある。本来であれば、同じ期間で同じ結果を出さなくても良いのだが、社会生活は物理的な時間によって制限されているため、同じ期間でできることを要求される。そうした部分にストレスを感じていると、もうひとつ時間軸を持っていてもいいのだ、という物理的な時間からの解放はかなり魅力的だ。もちろん、本書には個々人によって時間軸が違うようなことは書かれていないが、唯一絶対と思いがちな時間を相対化してくれるだけでもずいぶんと発想は変わってくる。実際、あちこちで本書の感想や書評を読んでいると、そういう発想の転換から何かを得ている人がけっこういる。
少しだけ本書を補足しておくと、人間の寿命とゾウや鯨の寿命はそんなに変わらない。ゾウは50〜60年ぐらいのようので、むしろ人間の方が少し長い。本書の話と矛盾するようだが、これは人間と他の動物が「生態的寿命」と「生理的寿命」という別の寿命で生きているためだ。「生態的寿命」で生きていた縄文人は、その寿命は30年ぐらいだったそうである。
体感時間?
2001/05/13 03:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:田村 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゾウとネズミでは時間の感じ方が違うと、体の大きさと時間の関係を解説。人間は1日24時間だが動物によって体感時間が変わる。
動物学者の著者は「時間は体重の1/4乗に比例する」と計算。飼い犬の時間を計算するのも面白いかもしれない。
一生
2019/08/18 06:17
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
名著。生物それぞれに応じた時間があり、何やら神の手にも感じるような不文律があるような論証だ。生命とは何かを考えさせられる逸品だ。
一生単位で考える生物学
2018/05/31 18:57
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投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の内容はタイトル通りに、ゾウの時間とネズミんの時間との比較が胆である。そこから、ゾウとネズミでは心拍数に違いがあることを指摘し、一生の心拍数の計算の近似値を算出する。そこから、生物の時間について、そしてゾウや他の生物の世界認識について考察する。ありそうでなかった観点からの書籍である。
動物は体のサイズによって独自の時間をもつ
2002/05/29 01:13
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投稿者:チェーミン・ノア - この投稿者のレビュー一覧を見る
動物は体のサイズによって独自の時間をもつが、
一生の間に打つ鼓動数や体重当たりの消費エネルギーは
変わらない。
常識を覆す視点に、人類の未来の貴重なヒントが見つかる。
「歌う生物学者」本川先生の大ブレーク作。けどちょっと退屈。
2002/04/09 00:17
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投稿者:Pinchan - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり昔に話題になった本ですが、やっと読みました。動物のからだのサイズと、心拍数とか代謝とか呼吸とか、ある法則に従ってだいたい決まる、というお話です。でもわたくし途中の数式とか数字の理屈のところは読み飛ばしてしまいました。すいません、よくわからなくて眠くなるものですから。最後のほうでウニ、ヒトデ、サンゴなどについて特にページが割かれています。ここらへん本のタイトルとは関係ないところですが、内容が面白いので、ここらへんに関する本川先生の他の本も読んでみることにしました。いや、ほんとこれらの動物って不思議ですよね。是非水槽で飼ってみたいです。それと本川教授は「歌う生物学者」として有名で、生物の生態を唄った歌をCDにして発売しておられるそうです。私自身はまだ聴いたことがないです。この本にも「恒例により」楽譜があって、「動物の時間」に関する詩が3番まで書いてあります。本川先生って生まれながらのシンガーというか、オペラの人のようです。なんでも歌わずにはおられないんですね。いつかその風貌を拝見する日が楽しみです。
私にはわからん
2018/09/15 13:17
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投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
所々に面白いポイントがあるが、難しいです。
あなたはベスト体重ですか?
2001/01/25 20:15
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投稿者:谷池真太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゾウも、ネズミも、一生の間に打つ脈拍の数は同じなのだそうである。ただ、その打つ速度に差があるだけなのだ。つまり、ゾウにはゾウの、ネズミにはネズミの固有の時間があるのである。
アインシュタインではないが、時間が相対的なものであるということを生物学の基礎部分を駆使してわかりやすく説明している。
ゾウは、大きすぎるがゆえに歩くだけで骨折してしまうこともあるらしい。ネズミは小さすぎるがゆえにエネルギー消費効率が悪く長生きできないらしい。走る速度という観点から、チーターが世界最速の生物であるということより、生物にとってのベスト体重は55キログラムくらいであろう、と著者は述べている。その繁殖方法の非効率性などから絶滅性動物といわれる人間がこんなに繁殖したのは、体重がちょうど良かったからかもしれない。
世の中細い人間や顔の小さい人間、お相撲さんだと巨漢が好まれる。また、ガリ専、デブ専という言葉もある。だが、人間ちゅうくらいががちょうど良いのである。