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紙の本
想い雲 (ハルキ文庫 時代小説文庫 みをつくし料理帖)
著者 高田 郁 (著)
土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の...
想い雲 (ハルキ文庫 時代小説文庫 みをつくし料理帖)
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商品説明
土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった—。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
収録作品一覧
豊年星 | 9−75 | |
---|---|---|
想い雲 | 77−140 | |
花一輪 | 141−208 |
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素晴らしい話の連続
2020/06/16 21:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
又次が出る度ごとにいい!この真っ直ぐで正義感の強さが大好きで、また、料理を食べただけで、手入れのしていない包丁での料理と見抜く。これは何者?と思ってしまいます。澪は今回も苦難の連続。それを機転でもって克服していく姿に共感するこのシリーズの素晴らしさを感じつつ、最後の話では、澪が味付けに失敗したことに対して、りうが澪を諭す場面が印象的。常に人の言うことを聞く素直さの大切さを感じさせるとともに、情をかけすぎるのもダメということもよく伝わりました。本当に素晴らしいシリーズものです。
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春樹暮雲
2020/02/28 07:32
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高田郁さんの人気シリーズ「みをつくし料理帖」の3作め。
この巻でも四つの料理とともに四つの短編が収められている。
巻末付録「澪の料理帖」に掲載されている料理名は「「う」尽くし・梅土佐豆腐」「ふっくら鱧の葛叩き」「ふわり菊花雪」「こんがり焼き柿」で、「ふわり菊花雪」は名前だけでは何の料理かわかりませんが、これは山芋を使った料理。
表題作「想い雲」は主人公である女料理人澪と幼い頃に別れた友野江(今は吉原で伝説の花魁あさひ大夫となっている)の物語である。
テーマにあるのは「春樹暮雲」という言葉で、「遠く離れて生きる友ふたり。片や、春に芽吹く樹を眺めて相手を想い、片や、日暮れの雲を見て相手を想う」ということらしい。
作中では澪のよき相談相手でもある青年医師源斉が澪に伝えている。
この作品に出てくるのが、大阪では夏の風物詩でもある鱧。
ところがこれは現代でもそうだが、関東ではあまり人気がない。
そもそも骨が多くて料理も難しい。
野江のいる吉原の店に呼ばれて、澪は鱧を料理する。
そして、野江をすれ違うような逢瀬が待っている。
この連作短編集にはそもそも「想い」が幾重にも描かれている。
澪と野江の「想い」。澪が謎の浪人小松原に寄せるほのかな「想い」。澪の修業先のご寮さん芳のいなくなった息子への「想い」。そして、澪が働く「つる家」で奉公しているふきの弟への「想い」。
それらがこの3巻でのそれぞれのテーマになっている。
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またまた人情に泣かされました。
2016/11/29 09:07
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
またまた人情に泣かされました。料理を軸にきめ細やかな人情を描いた描写・展開に感動です。料理で人々を喜ばせたいという主人公・澪の直向きな熱意とそれを取り巻く人々が実に温かいのです。本当の思いやりの世界ですね。
シリーズ化も本格化ですね。巻頭に地図と主な登場人物紹介がついたのは嬉しいですね。
メモを書くのを暫くサボっていたらすっかり内容がうる覚えになってしまったため、省略とします。
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愛のかたち
2015/12/18 00:28
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回も泣き通し。特に野江ちゃんとの再会、これまた花魁たちの粋な計らい。ステキ過ぎます。野江ちゃんから託された物も、心がこれでもかってほどこもってるし。源斎先生の「春樹暮雲」、澪ちゃんだけでなくわたしの心にもしみ込みました。ありがとうございます。ふきちゃんが、薮入りで健坊をつる屋につれてこれなかったワケ、、そういうことか。ふきちゃんが幸せなのはなによりなんだけど、、うまくいかないんだな。幼い健坊、そりゃつる屋で一緒に過ごせるのが何よりだけど、大人たちの考えでわたしも目が覚めた。そういう厳しさも大切なんだな。優しいばっかりが愛じゃないんだ。健坊、いまは小さくて大人の気持ちなんて、わからないだろうけど、大きくなったらきっと感謝するはず。だから、めげずに頑張って。会えないかもしれないけれど、見守ってる人はいるんだよ!
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こいつぁいけねぇ
2015/04/09 16:55
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投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「こいつぁいけねぇ」というのは、
ヒロイン澪の勤める店の主、種市が
澪の料理に唸ってほとんど言葉にもならない絶賛を表す言い方である。
この言葉が、まさにこの巻を言い表すのにぴったりだった。
料理の物語というだけでなく、『みをつくし」のシリーズは人の情の物語である。
いつもそうなのだが、今回は題にも現れているように、とくにその要素が強いように思う。
そして料理と人の心のドラマとの幸せな合体。
これまでにも増して、澪の料理の季節と食材の組み合わせ、さじ加減の妙味のように
見事な出来に仕上がっていると思う。
絶品である。
とくにやはり表題作だろうか。
花魁となった「野江ちゃん」との絆はやはり物語のハイライトなのだろう。
様々な絆が描かれるが、どれも今後がどうなるかはわからない。
これからがまた楽しみである。
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想い雲
2022/08/16 10:40
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投稿者:yukko - この投稿者のレビュー一覧を見る
若旦那、佐兵衛の失踪理由
小松原さんの正体
少しずつ薄皮をはぐように明かされていく
野江ちゃんとのつかの間の再会は
主人公だけでなく読み手にも嬉しいサプライス
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佐兵衛とか
2020/07/25 21:24
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投稿者:ワガヤ - この投稿者のレビュー一覧を見る
佐兵衛の情報が出てきました。これからどうなるか、どう決着するか、気になります。野江ちゃんとの接触、ついに!ここもどうなっていくか、楽しみです。
佐兵衛への想い、野江ちゃんへの想い、そして、つる屋の偽物に振り回されたり、ふきちゃんと弟の話だったり、それぞれおつるや健坊への想いなどあって、良かったっです。
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シリ-ズ三作目
2020/01/31 19:39
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投稿者:里 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新しい料理に加えて次々と生み出される集客への工夫。時代考証のみならず、食材から調理まで、作者の徹底した下調べに頭が下がる。
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旬の料理と、商売敵?
2017/10/29 01:14
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投稿者:ゆうゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回も四季折々の、ささやかだけど魅力的な料理で周りの人々を幸せにしてくれる、料理人、澪。
しかし出る杭は打たれるということか、相変わらず公私ともども前途多難で、いろいろな苦難が澪の背中にのしかかる。
今作では若旦那佐兵衛の行方、野江、小松原。。。進展があるようなないような?
つる屋を苦しめる商売敵の出現?
様々な困難にくじけそうになりながらも、それでも何とか持ち前のファイトと笑顔で乗り切ろうとする。そんな姿にいつも励まされ、温かい気持ちになる。
「う」のつく料理は実は今夏実行したばかり。
きゅ「う」りとタコの酢の物を作ったよ(^^;
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又次さん♪
2016/02/08 14:57
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投稿者:maki - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ3作目はつらい話が多かった(>_<)
でも又次との新しい試みは楽しいし、健坊にも強く生きてもらいたい!
週末は、庭から柿をとってきて、焼いてみなくっちゃ♪
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結句、この世で一番恐ろしいのは人…
2016/01/20 16:08
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投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る
結句、この世で一番恐ろしいのは人、同時に優しく暖かいのも人、ありふれた云いようだがこの文脈で語られると今更ながらふに落ちる。自分自身が同じ人として他人にどう接しているのか、自分が厭なことは人にしないというだけでなく人に優しくありたいと、そう想わせてくれる一文に心を動かされた。
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シリーズ3作目
2015/03/28 20:38
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投稿者:hana - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズ3作目です。行方知れずになっていた若旦那の佐兵衛ですが、本作でようやく手がかりが得られます。それは喜ばしい内容ではなく、情報の出どころの信頼なさから丸呑みにできないことが救いに思えました。澪と野江との接点となる又次の人柄が少しずつ見えてくるのが面白く、それぞれの登場人物同士の心の交流も楽しめました。登場する料理も趣向が凝らされて作ってみよう!と思えるものばかりでした。
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ほろりとする人情譚――『想い雲』(みをつくし料理貼シリーズ第三弾)
2010/04/07 14:11
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『八朔の雪』、『花散らしの雨』に続くみをつくし料理帖シリーズ第三弾。
このシリーズは水戸黄門的オーソドックスにストーリーが展開するので詳細は省くが、今回もまた澪をはじめ「つる屋」の面々に試練が訪れる。しかしその試練ひとつ、またひとつと乗り越える度に、つる屋を中心に澪たちの絆は深まり、そしてその度にわたしの目頭は熱くなる。
いたってオーソドックスで先の展開はある程度読めるのに、このぐっとくる感じはなんなんだろう。踏まれても踏まれても頭をもたげる雑草のように辛抱強く健気な澪。その澪の料理にかける情熱。そして彼女を支える母親代わりのご寮さん、つる屋の旦那さん、下足番のふきちゃん、長屋のご近所さんのおりょうさんエトセトラ…みんながみんな、ほんっとうにあったかい。そして彼らの間で育まれる情や絆は深く、強く、そして時に厳しくやさしい。
第三弾となる本書では、澪の幼なじみで現在は吉原の大夫をしている野江ちゃんとの――直接的ではないのだけれど――再会が少しだけ叶い、また澪が想いを寄せる謎のお侍、小松原様も前作に比べるとかなり登場する。
ただ…第一作で知った小松原様の正体を解く鍵である「とけいのまのおのでら」の「とけいのま」の意味がわかり、澪の恋はますます苦しいほうに進んでいってしまいそうではある。もしかしたら澪の恋は叶うことはないのかもしれない。それでも、健気にひたむきに生きる澪を、そしてその恋の行方を応援せずにはいられない。
第四弾が早く刊行されますように。
『想い雲』収録作品
・豊年星 ―― 『う』尽くし
・想い雲 ―― ふっくら鱧の葛叩き
・花一輪 ―― ふわり菊花雪
・初雁 ―― こんがり焼き柿