- カテゴリ:一般
- 発売日:2018/12/07
- 出版社: 筑摩書房
- サイズ:19cm/189p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-480-83211-5
紙の本
82年生まれ、キム・ジヨン
【今日の作家賞(第41回)】ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生、学生時代、受験、就職、結婚、育児…。彼女の人生を克明に振り返る中で、...
82年生まれ、キム・ジヨン
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商品説明
【今日の作家賞(第41回)】ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生、学生時代、受験、就職、結婚、育児…。彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかる困難と差別を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・韓国で135万部突破チョン・ユミ、コン・ユ共演で映画化社会現象を巻き起こした大ベストセラー小説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・日本でも圧倒的共感の声! 「これはわたしの物語だ」異例の大ヒットで、ついに22万部突破!!「女性たちの絶望が詰まったこの本は、未来に向かうための希望の書」――松田青子2019年間ベストセラー(「単行本 文芸書」部門第8位/トーハン調べ、「単行本 フィクション」部門第10位/日販調べ)6か月連続売上第1位! (2019年1-6月 海外文学部門/トーハンTONETS i調べ)ひとつの小説が韓国を揺るがす事態にK-POPアイドルユニットのRed Velvet・アイリーンが「読んだ」と発言しただけで大炎上し、少女時代・スヨンは「読んだ後、何でもないと思っていたことが思い浮かんだ。女性という理由で受けてきた不平等なことが思い出され、急襲を受けた気分だった」(『90年生まれチェ・スヨン』 より)と、BTS・RMは「示唆するところが格別で、印象深かった」(NAVER Vライブ生放送 より)と言及。さらに国会議員が文在寅大統領の就任記念に「女性が平等な夢を見ることができる世界を作ってほしい」とプレゼント。韓国で社会現象にまで発展した一冊は台湾でもベストセラーとなり、ベトナム、アメリカ、カナダ、イギリス、イタリア、フランス、スペインなど25カ国・地域で翻訳決定。本書はもはや一つのだ。ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかの様子のキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児……キム・ジヨン(韓国における82年生まれに最も多い名前)の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。「キム・ジヨン氏に初めて異常な症状が見られたのは九月八日のことである。(……)チョン・デヒョン氏がトーストと牛乳の朝食をとっていると、キム・ジヨン氏が突然ベランダの方に行って窓を開けた。日差しは十分に明るく、まぶしいほどだったったが、窓を開けると冷気が食卓のあたりまで入り込んできた。キム・ジヨン氏は肩を震わせて食卓に戻ってくると、こう言った」(本書p.7 より)「『82年生まれ、キム・ジヨン』は変わった小説だ。一人の患者のカルテという形で展開された、一冊まるごと問題提起の書である。カルテではあるが、処方箋はない。そのことがかえって、読者に強く思考を促す。小説らしくない小説だともいえる。文芸とジャーナリズムの両方に足をつけている点が特徴だ。きわめてリーダブルな文体、等身大のヒロイン、ごく身近なエピソード。統計数値や歴史的背景の説明が挿入されて副読本のようでもある。」(訳者あとがきより)解説:伊東順子装画:榎本マリコ装丁:名久井直子【商品解説】
著者紹介
チョ ナムジュ
- 略歴
- 〈チョナムジュ〉1978年ソウル生まれ。梨花女子大学社会学科卒業。長編小説「耳をすませば」で文学トンネ小説賞に入賞して文壇デビュー。「コマネチのために」でファンサンボル青年文学賞を受賞。
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紙の本
日本と韓国似たもの同士
2019/08/23 06:22
14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
英エコノミスト誌は2018年3月、「ガラスの天井ランキング」を公表している。日本は、先進29カ国中ワースト2位。韓国は最下位だ。またダボス会議が毎年発表するジェンダーギャップ指数も、日本は149ヵ国中110位。韓国は115位。女性差別は両国で似たもの同士なのだ。
本書「82年生まれ」が日本でも売れているのは、日本の女性達の「あるある」という琴線に触れた女性差別事例が満載だからだろう。
例えば、冒頭から、日本でいえばお盆の韓国の秋夕の連休に夫の実家に帰り夫の家族親戚の食事作りをさせられる本書の語り部キム。(あるある)
子どもは男の子の方が跡継ぎとして大切にされる。日本は国民の象徴である天皇制については、まだまだ厳格に男子でしか世継ぎと認めない。
韓国では、1999年男女差別禁止及び救済に関する法律が制定された。
しかし、キム氏が就職しても差別は続く。社長の意思で決まった企画チームに抜擢されたのは同期の男性2人。業務と結婚生活特に育児との両立が困難でありはじめっから女性を員数に入れていない。
そして結婚すれば子どもを産むことを周りからせかされる。キム氏は、思う。子どもを持つことで「人生がどっち向きにどうひっくり返されるかわからないのに比べたら」夫が失うものはあまりにも些末であると。夫にキム氏は問う。「あなたは何を失うの」この答えに夫は「僕だって」とこういう言う「家長として君と赤ちゃんを扶養する責任が大きくなるし」
キム氏はそれを聞いて「私、あなたがお金を稼いでこいって言ってるから会社に行っているんじゃない。面白いし、好きだからやってんのよ」
このあたりのシュチエーション、言葉のやりとりは、そのままどこかの家族の会話だろう。
日本で、男女雇用機会均等法が制定されたのが、1985年。JILPT主任研究員の周燕飛さんがJILPTのメルマガに「過去最高の女性就業率:その裏を読む」というコラムを寄せている。今の日本の現状を端的に表わしているので、抜粋して紹介したい。「女性の就業率は空前の高さである。総務省『労働力調査』によると、2018年は15~64歳女性の就業率が69.6%に」「30代を中心に出産や育児によって働く人が減る『M字カーブ現象』が解消されつつあるようにも見える」(M字カーブとは、女性の就業状況を表わすグラフで、日本と韓国は、出産育児でいったん退職し、子どもの手がかからなくなった時点で再び女性が就労するので、子どもが小さいうちは就業率が減る現象をさして言う)「このとき問題となるのは仕事の内容である。就業率の急上昇とは裏腹に、正規雇用に就く女性の割合がなかなか上がってこないのだ。訓練機会もキャリアの見通しもないまま低技能・低賃金で働く、いわゆる『非正規のわな」に陥っている女性は一向に減る気配がな」い、「言い換えれば、女性の6割以上は依然として、『専業主婦』もしくは家事や育児の傍らで働く『準専業主婦』状態である」「『専業主婦』モデルはすでに『夫婦共働き』モデルにとって代わられたという認識は、大きな誤解だと言える」「『夫は外で働き、妻は家庭を守る』という男女役割分業慣行は、今も日本社会に深く根付いている」
韓国在住の伊藤順子が巻末に本書の解説をしている。その解説の中で最も心臓をグサリとさされた箇所は以下の「東京医大での入試差別事件が発覚し、日本の女性達の多くが足下が崩れ落ちるようなショックをうけた。怒りと情けなさの中で思ったのは、韓国なら即時に2万人の集会が開かれているだろうと言うことだ」という指摘だ。女性差別の世界的な指数で、韓国は日本の後塵を拝しているが、今後はわからない。
紙の本
出てくる誰もが優しくて報われない
2019/04/06 19:14
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:minami - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう(フェミニズムの)本が、売れているということに、小さな希望を感じる。
女性やなんらかの弱い立場にたつ人であれば、必ず感じたことのある矛盾と悔しさのエピソードに溢れているのに、直接的にえぐるというよりは、やわらかい眼差しで整理していくような本。
出てくる(男性含め)登場人物は、主人公に意地悪なわけじゃない。嫌な人はいない。だけど、ガラスの天井と、出口のない迷路にぽつんと取り残される。ジェンダーイコールの問題は、マジョリティv.s.マイノリティではない。敵は、どうしようもない「慣習」であり、慣習は私たちのアイデンティティに深く結びついている為、本当に事態は複雑なのだと思う。
電子書籍
韓国だけの話をしているのではない
2020/06/02 20:32
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あずき - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み進める中で、時にはジヨンとして、時には私自身として、怒りで頭が沸騰しそうになった。そしてその度に、「女性差別なんてしないよ。今の世の中、男も女もみんな平等であるべきだよ。実際、私は女性を男性と平等に扱っている。」なんて軽く言ってのける男性たちにこの本を押し付けたくなった。
でも、その度に頭をよぎるのは、「よほど気心が知れており、納得いくまで議論がてきると確信している男性にしか、私はこの本を勧めることができない。」という考えだ。
この中で語られる差別の経験を、韓国のものと捉えてしまう人、男女共同参画が語られる前の昔の話と捉えてしまう人かいるのではないか?そう思うと、この問題を自分のものとして捉えて互いに議論ができるような関係の人以外に勧めることができなかった。
物語の舞台は韓国だ。キム・ジヨンも韓国人女性。実際、韓国の女性差別の状況は厳しいものなのだろう。だけど、この本を読んで考えなければいけないのは、まずは自分のことだ。それなしにいきなり韓国の女性差別を考えるというのは、ただ問題を遠いところから眺めているどころか、助長しているということを理解できなければお話にならない。
自分が発している言葉や言動は、「女性」という言葉や立場を「人間」に置き換えたときに違和感がないか?
加害者を透明化し、被害者に対処・対策を求めていないか?
差別に不満を感じながらも迎合してやり過ごし、問題の解決に近づく1歩を未来の他者に押しつけていないか?
自らの意識と言動について考え、意思を表明し、知識を広め、議論しより深く考える。
この循環なしに、差別問題を解消することはできない。この問題は、法律や会社・学校のルールを整備しただけで解決できるものではない。
紙の本
映画よりも酷いミソジニー
2022/12/25 19:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yy - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書を原作とした映画がヒットしましたが、本書は映画より女性蔑視(ミソジニー)が酷く、読んでいて気持ち悪くなりました。しかし、これを読む事で韓国に住む女性の多くがどのような扱いをされて生きてこられたのか知る事もできました。
紙の本
読みやすく是非最初から最後まで読んでほしい
2021/09/16 23:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わいわい - この投稿者のレビュー一覧を見る
韓国文学を手にするのは初めてです。
映画きっかけで原作が気になり購入致しました。
結果、私は原作であるこの本が好きです。
特にラストが1番リアルで、思わずぞっとする怖さがあり
惹き付けられたポイントでした。
全体的にリアルで誰しもが体験している。
自分たちが無意識の行動としてやっていた事があると思います。
改めて自分の行動や考えを見直すきっかけになりました。
おすすめの本です。
紙の本
日本人としては笑ってられない話
2021/06/27 22:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
お隣の国、韓国の小説を私は読んでこなかった、読まずに「そう大した作品なんかないだろう」と理由もなくみくびっていた。ところが、パク・ミンギュ氏のたんたんとしているのに奇想天外な「カステラ」を読んで、いままで読んでこなかったことを後悔した。そして、今回読んだ、この作品にも脱帽した。キム・ジヨンという女性の少女期、就職活動、そして結婚、そこに待ち受けている男女差別、見えないどころか完全に見え見えになっている女性にとっての厚い壁、儒教国・韓国の嫌な側面を見せつけられたというところだが、よく考えてみると儒教国でもなんでもない日本も変わらない差別があることを思い出す、それどころか、現状では日本の方が後進的ではないのだろうかと最近の夫婦別性などでの政治家の発言を聞いているとそう思う昨今である
電子書籍
あっという間に完読
2021/01/28 23:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
韓国の時代背景もしっかり描かれていて、引き込まれました。日本ではあからさまな女性差別は感じていないと思っていましたが、本を読みながらとても考えさせられました。あとがき、解説も面白かったです
紙の本
男性こそ読むべき
2020/12/04 14:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あかぴ - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性の社会進出は当たり前の時代になりました。結婚、出産、育児は本当はおめでたいことであるのに、これらが女性自身のキャリアアップの障壁になってしまうという矛盾。
非常に考えさせられます。でも出口がないような気がしてしまいます。
キム・ジヨン氏だけではなく、彼女の母、祖母、あらゆる世代において、韓国社会が抱く女性への評価みたいなものの変遷がわかって非常に興味深かったです。
韓国に比べたら日本はまだ良い方という気がしてしまいますが、日本だって似たようなもの。今こそ変わっていかなくてはいけないと思いました。男性こそ、この本を読むべきだし、男性こそ意識そのものを意識的に変えないといけない、そんな課題を突きつけられた物語でした。
本当に最後はもやもや、何ともいいあらわせない歯がゆさ、そんな読後感が襲ってきます。誰かと議論したくなります。
電子書籍
痛いほどの共感
2020/11/04 02:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あゆみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
平成生まれ、社会に出てからそれなりの月日が立ち、「仕方ない」と受け入れてきた息苦しさの記憶が呼び起こされます。まるで自分の事のように、主人公の苦しみが理解できます。いつかこんな時代もあったんだね、と言えるような世の中になっていくことを願ってます。
紙の本
韓国は兄弟だ
2019/10/13 22:57
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:せきた - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは、娘をもつ父親に捧げる本だと思う。
男たちはいつも女たちを頼りに生きているのに、彼女らが抱える問題には無関心なんだな。
紙の本
男性に是非読んで欲しい
2020/02/22 22:55
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:55ひまわり - この投稿者のレビュー一覧を見る
今まで数多くの韓国ドラマを観ていて、男尊女卑を感じるシーンがよくあると思っていた。この本の主人公82年生まれのキム・ジヨンさん。1982年生まれなんて最近と言ってもいいくらいほんの少し前の時代。こういう差別を受けてきた女性たちの事を思うと辛く悲しくなった。生まれ育った環境の中で、教えられた事が理不尽でも仕方ないと思いながら生きてきた女性たちが沢山いる。男性に是非読んで欲しい。もし女の子の親だったら?と思って読んで欲しいなぁ。自分の娘に辛い世の中で生きて欲しくないと感じてもらえたら世の中が少しは変わるかも?
紙の本
82年
2019/04/20 07:25
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分では気がつかないうちに弱い立場の人に対して、心ない言葉を言っている気がして辛くなる事がある。読んでいると人の優しさが感じられ、ほっとさせてくれる。
紙の本
私も82年生まれ
2020/07/14 17:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
韓国のジェンダーギャップが、日本の社会の生きづらさに重なります。平凡な名前・ジヨンが、全ての女性たちにエールを送っていました。
紙の本
韓国の女性差別
2020/04/25 18:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人の女性の育ってきた境遇や母・祖母、姉のことなどを織り込み、韓国の女性差別について考えさせられるお話。
そんなに昔の事ではなく、「つい最近の事」といっても良いくらいの事で驚きます。
きっと今でもあまり変わりはないんじゃないのかな?
最終章、精神科医の胸の内では女性の苦しみに理解を示しつつも、辞めていく同僚を見送った時「後任は未婚の人で・・・」で終わってることでも分かる。
多かれ少なかれ日本でも似たようなことありますよね。
解説が秀逸。この小説での男性の扱いで溜飲が下がる思いがします。
紙の本
82年生まれ、キム・ジヨン
2019/11/13 07:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukko - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハッと気づいたことが二つ
自分より20年以上も後に生まれた彼女、なのに環境は殆ど変わっていない事
同じ兄弟なのに、同級生なのに、同期入社なのに・・・
男女で差別されてた事に最初から「諦め」ていた自分