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商品説明
かつてカルト集団として批判された団体の敷地から子どもの白骨が発見された。弁護士の法子は、遺体は自分の知る少女ではないかと胸騒ぎを覚える。30年前の記憶が蘇り、忘れて大人になった者と取り残された者はやがて法廷へ。【「TRC MARC」の商品解説】
大人になる途中で、私たちが取りこぼし、忘れてしまったものは、どうなるんだろう――。封じられた時間のなかに取り残されたあの子は、どこへ行ってしまったんだろう。
かつてカルトと批判された〈ミライの学校〉の敷地から発見された子どもの白骨死体。弁護士の法子は、遺体が自分の知る少女のものではないかと胸騒ぎをおぼえる。小学生の頃に参加した〈ミライの学校〉の夏合宿。そこには自主性を育てるために親と離れて共同生活を送る子どもたちがいて、学校ではうまくやれない法子も、合宿では「ずっと友達」と言ってくれる少女に出会えたのだった。もし、あの子が死んでいたのだとしたら……。
30年前の記憶の扉が開き、幼い日の友情と罪があふれだす。
圧巻の最終章に涙が込み上げる、辻村深月の新たなる代表作。
【商品解説】
著者紹介
辻村 深月
- 略歴
- 〈辻村深月〉1980年山梨県生まれ。「冷たい校舎の時は止まる」でメフィスト賞を受賞しデビュー。「ツナグ」で吉川英治文学新人賞、「鍵のない夢を見る」で直木三十五賞を受賞。
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紙の本
苦手
2022/05/29 11:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
この感じ。
読んでて息苦しくなる。
ストーリーとか構成とかとか展開とか、よくできてるんだろうけど、
その分、キツイ。
紙の本
琥珀に閉じ込めることはできない
2021/07/05 10:03
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもの未来を考えるのは、親や大人たちの役割であるかもしれないが、決めるのは子だも達だ。子育てというものには、どうしても大人の事情、大人の都合が大きくかぶさってしっまう。「子供のために」「あなたのために」という言葉で子供を守るかのようにして、大人自身を守ることになる。子どもを見守り、育てるのは、つくづく難しいものだと思う。琥珀に閉じ込められた虫のように、子供たちを閉じ込めることはできない。
紙の本
あの子はどこに行ったのか?
2021/11/01 21:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学校4~6年の夏休み一週間だけ参加していた《ミライの学校》。その跡地から出てきた少女の白骨遺体が誰のものなのか?
ずっと会ってなかった孫娘なのか?あの頃知り合った女の子ではないのか?
過去と現代を行ったり来たりしながら、読者も登場してくる少女たちの誰だろうと考えながら読み進めます。
身元は中盤に分かりますが、じゃあ何があったのか?という展開へ。
子どもにとって何が幸せか、大人はどうして間違ったのか、これからどう生きるのか、考えていきます。
紙の本
琥珀の夏
2021/10/22 22:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の中の琥珀も掘り起こされて、
子供時代のヒリヒリ感を思い出しました。
大人の二面性を知るあの場面、
ほかの事じゃダメだったのか……
何気にショックでした。
だから意味があるんでしょうけど(涙)
子供時代と今が繋がった前向きな終わり方で
救われました。
紙の本
親子関係
2023/04/02 11:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
親子が離れて生活するなんて、考えられないと思う。この物語には、そういう親子がいる。カルト集団のような団体が存在して、その跡地から白骨死体が発見される。ミステリーのようでもあり、現代の子育ての問題点をつくストーリーでもある。真相が衝撃的だった。
紙の本
琥珀に子供を閉じ込める
2021/08/16 07:23
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
辻村深月さんの作品は期待を裏切らない。
どれも読むと一気に読み続けたくなる。
おもしろいだけではなく、人の痛みに寄り添う優しさ、私たちが直面している辛いものに立ち向かう勇気、そしてミステリー的な面白さ満載。
本作は、子供達の理想の教育を目指す「ミライの学校」が舞台。小学校の夏休みの合宿に参加したノリコは誘われた学校の友達とも一緒にいられず不安な時間を過ごす。
そんなノリコに未来の学校に暮らすミカとシゲルが声をかけて二人の友情が育まれた。
そんなミライの学校の事も忘れていた頃、学校の敷地から子どもの白骨が発見される。
弁護士になっていた法子のもとに白骨で発見された子供は自分の孫ではないか調べて欲しいと依頼がある。
その後は一気読み。
紙の本
閉じ込めた過去と閉じ込められた未来
2022/03/21 23:47
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さつまいも - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもたちの未来のためにという名目で作られた学校。弁護士である主人公はその施設で起きた事件の弁護士を務めるように頼まれます。主人公自身も関わったことがあるその施設で起こっていたこととは……。
主人公が琥珀のように閉じ込めて忘れられようとしていた過去とそこに囚われて前へ進めない人、そして未来が閉じ込められてしまった子ども。記憶と今が入り混じり1つの事件へ向かい合う主人公たちが描かれます。子どもの未来を大人の手で閉じ込めておくことはできない。期待を裏切るどころか何倍にも楽しませてくれる作品です。
紙の本
一気読み
2021/09/23 08:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:owls - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み始めると、先が気になって、一気に読んでしまいました。子ども時代の少女たちの複雑な関係、心境みたいなものが、手に取るように伝わってきて、どこか懐かしいような、痛いような気持ちに…。どうなることかと思いましたが、希望のあるラストの展開で良かった。
紙の本
サマースクールで過ごす1週間
2023/05/30 15:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
カルトまでは行きませんが、宗教団体に教育された子供たちが主人公です。子供の立場からの目線、親や教育者のエゴ等、様々な問題が含まれていて、面白いです。
紙の本
【あの夏に私達が取り零した記憶の扉が開かれる】
2023/03/25 21:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えびし - この投稿者のレビュー一覧を見る
カルト的な教育施設に夏の間、親から切り離された少年少女の琥珀のような真実が炙り出される物語。
理想と高尚さを掲げて子供の考察力を鍛える環境を整えたというミライの学校。
聖なる泉やのどかな自然の中で、子供達を外界から隔てて、のびやかに育てるという。
それに感銘を受けた親が自らの子供を預ける。
美辞麗句で語られるだけで見えなかった窮屈さを子供は実際に入ってから知る。
子供の為を思えばの教育、離れて暮らす選択。
大人は理想を語るが、子供達の未来を奪っている事を忘れてはならない。