- カテゴリ:一般
- 発売日:2023/06/22
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/93p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-391712-2
紙の本
ハンチバック
著者 市川 沙央 (著)
【文學界新人賞(第128回)】【芥川賞(169(2023上半期))】重度障害者の井沢釈華は、10畳の自室からあらゆる言葉を送り出す。釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極...
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商品説明
【文學界新人賞(第128回)】【芥川賞(169(2023上半期))】重度障害者の井沢釈華は、10畳の自室からあらゆる言葉を送り出す。釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲し、生きれば生きるほど、身体はいびつに壊れていき…。『文學界』掲載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
第169回芥川賞受賞。
選考会沸騰の大問題作!
「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」
井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。
両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす——。【商品解説】
著者紹介
市川 沙央
- 略歴
- 〈市川沙央〉早稲田大学人間科学部eスクール人間環境科学科卒業。「ハンチバック」で文學界新人賞受賞。
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紙の本
問われているのは私たち
2023/08/16 18:48
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第169回芥川賞受賞作。(2023年)
作者である市川沙央さん自身が重度の障害者であることから、多くの注目を集めた作品である。
描かれた作品の主人公もまた重度の障害者で、「私はせむしの怪物だから」と作中に出てくる。「せむし」という言葉に「ハンチバック」というルビがつけられ、それがタイトルにもなっている。
それを自虐と呼ぶか、突き放した言い方というか、微妙だし、そのことの微妙感がこの作品をどう読むかという境界線ではないだろうか。
障害を持った主人公の女性が「妊娠と中絶をしてみたい」と願うことは、障害者である前にまず人間としてありたいという実に単純なことだ。
つきつめれば、これは人間の本質が書かれた作品だといえる。
男だろうが女だろうが、健常者だろうが、障害者だろうが。
だから、作者が障害者だから書けた作品には違いないが、書き手として想像の翼を広げれば書きえた作品ともいえる。
芥川賞の選評で、平野啓一郎氏が「当事者性が濃厚な作品だが、(中略)今後の自由な展開の期待」と書いていたが、おそらくそれこそ市川さんの受賞の大きな意味だろう。
多様性を認めうる社会にあって、市川沙央さんの作家性は必ず求められるはずだ。
ただ、その一方で過激な性描写について、松浦寿輝氏が書いているように「露悪的表現の連鎖には辟易」という意見には私も同じだ。
そこまで表現することがあったのかと思わないでもない。
紙の本
すごい本を読んでしまった
2023/08/23 11:25
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごい本を読んでしまった、という素朴な第一印象が口をついて出るのは、その実、描かれている世界が特殊なように見えて、現代社会をまんま映しており、その根深さに気づかされるからだ。
難病による重度障害者の視点から、この世に横たわる多様な偏見/ステレオタイプを、皮肉と自虐で浮き彫りにしていく。彼女の視点から、この世の中のあらゆるマチズモ(優位主義)が露わにされ、読む側も、自分自身のアンコンシャスバイヤスやアンコンシャスマチズモ(男性であることの優位性といった意味だけだけでなく、例えば健常者であることのマチズモなど)に気づかされる。
本書は、性と生が大きなテーマではあるが、性的な描写などに嫌悪感を覆える人はいるだろう。
紙の本
それは恐ろしくも現実である
2023/10/22 21:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:狂ったチワワ - この投稿者のレビュー一覧を見る
障害という生涯の、人を読む事ができた。
傑作であり、感情が爆発する感じがとても生きていると思った。
紙の本
作者が何を一番に伝えたかったのかを考える。
2023/09/08 22:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
一番なんてないと思うんだけれど、目の前にいる同じ時間を生きる人間と向かい合った時、その人自身と会話をすることが大切だと思う。それって、障害や年齢や文化に関係なく、私を私として認めてもらうことで、苦しい時に私が一番欲しいものだ。正直、当事者の苦しみを理解できるとは思わない。だけど、その周囲に生きる者として、一緒に生きる方法を考える。
紙の本
壊れながらも生きることの意味とは。
2023/10/02 21:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
障がい者である作者の、健常者であったなら。
という思いが、多く見られました。
障がい者であるだけで、恋愛や結婚の相手に見られない現実は、無くなることはありません(減ってきているかもしれませんが、無くなったわけではない)
"私の身体は生きるために壊れてきた。
生きるために芽生える命を殺すことと何の違いがあるのだろう"46頁
莫大なお金があっても、できないことがある。
お金より幸せなこととは何かを、問われているようでした。
紙の本
あというま
2023/08/22 21:57
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:玉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あっというまの通読でしたが、評判のほどには、心をうごかされませんでしたね。
最後の転換も、何かきちんと読まないと、真意にはたどりつけないのでしょうね。
それまでは、感心しながら読んだのですが、無念です。
紙の本
賞の意味
2023/08/14 16:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の伊沢釈華は、身体に障害を持ち、グループホームで生活している。両親の遺産がたっぷりで問題はなく、通信制の四大に籍を置く。出産は臨めないが妊娠、そして堕胎の願望がある。そうしたことを書き綴った小説をサイトに投稿しているうち、男性ヘルパーに自分の存在、考えを知られてしまう。まずは実録私小説と言った按配。次回作から果たして、どんな純文芸が書けるのか。受賞作は話題性先行だけに。
電子書籍
信念・信仰・伝道
2023/07/23 01:16
7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ろんどん - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説と批評の中間のような作品というか、小説とプロパガンダ(いい意味でも悪い意味でもなく)の中間というか、そういう読み物を読んだという読後感だ。物語として批評したり感想を言ったりするのがしっくりこない(これは褒めていない)。
感想をここに書くにあたって、「市川沙央・荒井裕樹 往復書簡」も読んでみた。それを読んで思ったのは、多分私がこの小説を好きになれないのは、作者の根底にある「生命への賛歌」「生きることへの肯定」への拒否感があるからだ。
その点に共感する読者はこの小説を肯定的に捉え、強く響くのかもしれない。
私には響かなかったので「あらはないけれど刺さるところもない、欠点も美点もない作品」と感じた。
作者は伝道として書いているのかもしれない。私はそういった物語を歓迎しない。
1点か2点か迷ったが、1点は読んだ人の人生を損なうような本に与えるべきだろう。この本は問題提起もしているし、読者のためになる視点や知識も提供しているし、読んだ人はそれぞれ得るものがあるだろうからプラス1点。
電子書籍
新鮮な切り口の作品だった
2023/07/24 15:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
場面の描写がリアルで、一息に読み終えました。
電子書籍
小説?
2023/08/08 23:32
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説でしょうか?むしろ、重度障害者である40代女性のエッセイというか、日記のようなもの……だと感じました。しかし、賞をとったんですよね。この作品に、小説としての賞は……。でも、重い内容なのでオススメします