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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
教科書でも取り上げられることが多いが全編じっくり味わうのによい。読みにくいところは何度も読み返せるし注釈も理解を助けてくれる。
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投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、に始まる方丈記は京都鴨御祖神社の神職の家に1155年頃生まれた鴨長明が著者であるが、人の世の無常を感じ出家するも安住できない苦渋の内面が表現されているようだが、初めて読むには少々難しく感じました。他に長明自筆といわれる大福光寺本の影印・翻字が付いています。
隠遁としては道半ば。
2020/11/29 18:29
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゆく川の・・の冒頭は中学一年の時に平家物語・竹取物語・枕草子のそれと同じく暗誦させられていたので印象的でしたが、改めてこの度この歳になって通読してみました。
冒頭は無常を詠じていて感慨深かったのですが、文体はともかく、冒頭以後の内容は何とも哀れみを感じるものでした。厭世的な叙述はまだしも、悟りに対して生半可感がある様に思えました。本書の解説にも同様の事が記されていますが、この点については唸らざるを得ませんでした。但し鴨長明の生い立ちや処遇を考えるとやりきれなさには同感します。
恵まれない人生を歩む事になった長明の如何ともし難い辛苦の人生を本書を読む事で寄り添いつつ、自分自身を省みる一書である気が切々とします。
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読んだときに得た衝撃は言葉で言い表せない。常の私の思想とシンクロっぷりに、思考する事の無意味さについて愕然となった。
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一度読んでみようと思っていたのですが、こんなに短いとは思いませんでした…。
読む前は飄々とした感じなのかと思ったら、現状を遠い視点でうつくしく描きつつも寂しさが透けて見えるようで、哀れをさそいます。多分鴨長明はそんなこと思われると思ったら発表しなかったんじゃないのかなと思う。それくらい人間性が分かるエッセイ。文章は美しくて、読んでいて気持ち良いです。
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方丈記は五段に分かれるらしいんですが、お馴染みなのは第一段。行く川の・・・・・・ってやつですね。
これでもか、これでもかと世の無常を説く。
そんなに繰り返さなくっても・・・。ってぐらい説く。いい加減しつこい。
と思ったら第二段も無常を説く。もうイイッちゅうねん。
三段四段は長明さんの人生とか生活とか。
正直どうでもいい。
第五段は「俺どうしたら良いんだろう?」って感じで終わりです。
方丈記って文学としてはどうなんだろう。面白くないぞ。
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文章の調子がとてもいいです。冒頭の部分は名文として名高いそうです。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまるためしなし。」
声に出して読んでみるのもいいかもしれません。美しい文章です。
比較的平易な表現で、全体も短いので読みやすいと思います。古文でなにか読んでみたいけれど、難しそうでなかなか手が出ないというような人にお勧めです。
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この本は、読んだ年齢によって大きく印象が変わるのではないかと思った。
著者の万物流転、諸行無常で何をか栄華を望まんや、という姿勢は、今の時代においては「負け組」の発想を容易に連想させる。
著者の、才覚が筆致から溢れるような、現代でも無駄のないと感じるテンポのいい叙述で物事への執着心の無常を説く心の裏には、
彼の出自を絡めてみると、どうにも若き日の栄達を阻まれた世間への憾みが見え隠れするように読める。
これは自分が20代であるからなのかもしれない。
注釈も初心者に便宜的で、原文自体が平易な短文なので、初めて日本の古典に親しむという目的なら適切。
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悩み、遁世し、それでも悟りきれず。
なんとなく親近感を感じつつも、その厭世観は鵜呑みにはできないな、と。
小賢は山陰に遁し、大賢は市井に遁す。
とりあえず、26歳の感想として。
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突然古典が読みたくなる時期が一年に一度くらいやってくる。
とりあえず岩波文庫の黄色のコーナーをひとしきり見渡して選んだのがこれ。
有名だし短いし読みやすいし中身は濃いしで、古典が読みたい願望をみごとにかなえることができました。感謝。
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高校の教科書に載ってて、続きが気になって全部読みました。今の自分の考え方の基礎になってるような気がします。
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実はすごく短くて、あっという間に読み終えることができる。
脚注とか全く見ずに読んだから内容はざっくりとしか捉えてない。
むしろ文章のリズムとかを楽しんだ感じ。
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これは時間論であり、都市論であり、建築論だ。歴史の勉強をしながらゆっくり読みたい。誰かに読んでほしい。渋み含んだ重い声の人なんかに。
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今回の東日本大震災を受け、改めて読んでみた。
日本は常に天災を受ける国、過去の歴史からこの国のあり方を模索しなくてはならないと思う。
※この方丈記で描かれた時代に、まったく時を同じくして法然上人が都に居たことを付記しておく。
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この薄い本が、800年の歳月を越えて、なぜ、今の世まで生き残ったのか?不思議といえば、是ほど不思議な事はない。
平安末期の世相が落ちつかない不安定な時代に生きた長明は、人生の無常、有為転変の世相から離れ、出家して日野山に方丈の庵を結ぶ。そこで、四季の移り変わりに喜びを見出しつつも、悟りをひらくにはなお妄執があるのではないかと、反省しつつ心にもない念仏を唱える・・・。