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黄昏の岸暁の天 みんなのレビュー

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みんなのレビュー121件

みんなの評価4.2

評価内訳

121 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

小野さん、まだ続編出ませんか・・・また読み返してしまいました。

2005/07/21 00:08

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゴン狐 - この投稿者のレビュー一覧を見る

十二国記シリーズの中で一番好きな作品。アニメにはまり、原作を探して初刊と間違えて当時最新刊だったこの本を購入。途中で間違えたと気がついたものの、面白さに押され一気に読み、以後全シリーズを購入。
王驍宗と泰麒を失い崩壊した戴国を救うため、泰麒と同じ胎果である景王陽子を頼って、将軍李斉が満身創痍で慶国に辿り着くところから物語は始まる。
十二国記人気キャラ総動員という感じで、めったに出てこない各国の王や麒麟が集まるところは見逃せない。泰麒を救うために、各国の秘宝を用いあの手この手で王と麒麟、使令が奔走する様はドキドキわくわく。一歩間違えば慶国の運命が傾くかもしれないという緊迫した場面での、景王陽子と延王尚隆のやり取りが笑える。延麒六太の合いの手も、相変わらずおとぼけが効いてにんまり。シリアスに展開しながら、クスリと笑えるところがあるのが十二国記シリーズの魅力。王と麒麟、友人・臣下同士のやり取りは敬意や優しさ・厳しさあり、時には辛辣で猜疑心に満ちて見えるけれど、根底には相手に対する信頼感が流れている。誰もが見返りや互いの上下関係抜きで、必死で奔走する様が心底羨ましく感じる。
一番好きなのは、李斉と景麒が初めて会う場面。幼い泰麒がどんなに景麒を慕っていたかを、李斉が告げた時の景麒と陽子の反応が楽しく、景麒ファンとしては嬉しい。陽子と泰麒の対面は、初々しい高校生同士を思わせほんわかするが、二人が十二国へ来たことで失ったものへの苦さがにじみちょっと辛い。最後に厚意に甘んじることなく自分の道を選ぶ者、黙って見送る者の互いの静かな思いやりが痛い。
「十二国記」はシリーズ物ではあるけれど、それぞれ独立して読んでも分かり易く、登場人物が皆魅力的で、悪役も悪役に徹しきれていないところがいい。
講談社X文庫 White heart シリーズは上下2巻に分かれていて、山田章博氏の原作の雰囲気にピッタリなイラストつきだが、自分で膨らませた登場人物のイメージを大事にしたい方、一気読みしたい方は、こちらの講談社文庫の方が好みかも。字体はこちらの方が柔らかい感じで、イラスト無しでも読みやすい。
部分的にアニメ化されている「魔性の子」「華胥の幽夢」「図南の翼」と違い、唯一アニメ化されてないが、アニメ制作のNHKによると続編が出てないし、諸所の事情で今のところアニメ化の予定はないそうなので、アニメファンの方も原作で楽しむのがお勧め。

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紙の本

シリーズ中、展開の意外性ではトップだと思います。今までの話がようやく一つになる気配が見えてきました。でも、そのせいで先の展開が難しくなったからでしょうか、未だに続編がでないのは残念

2006/11/13 20:34

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

《宮廷の改革に乗り出して六ヶ月、ゆかりの地に起きた叛乱の鎮圧に乗り出した泰王 驍宗。彼の身を心配する麒麟 泰麒に襲い掛かる凶刃》ファンタジーに姿を借りた政治小説とでもいいたくなる一冊です。
我が家で競うようにして読んでいたシリーズがありました。何故過去形かといえば、新作が出る気配がまったくないからです。本当にどうなっているんでしょうね。そう、それが小野不由美の十二国記です。家族全員がやっと既刊を読み終わり、現時点での最新刊までたどり着いたのですが、それが2001年の出版ですか5年以上、続きが出ていないことになります。
ま、そういった出版上の不満はともかく、どれをとっても楽しむことが出来ました。なかでも今回の作品、波乱万丈の展開と話の意外性の点では、シリーズ中でも一番かもしれません。
驍宗が泰王として登極して半年、宮廷改革の余りの速さに側近たちは懸念し始めるのです。蓬山で泰麒が泰王を選ぶ場に立ち会った将軍李斎、名宰相と言われる花影でさえも不安を抱くのですが、驍宗の確信に満ちた姿と言葉になにも言うことができません。血を流すこと、争いを見ることを好まない麒麟・泰麒の目に触れないように進められる粛清。そして謀ったかのように起きる文州は轍井での乱。そこは主上・驍宗にゆかりの地でした。
王自ら出向くことで鎮圧は成功したかに見えましたが、白圭宮で気をもむ泰麒にもたらされたのは主上の死の知らせでした。混乱する泰麒に襲い掛かる凶刃。闘う術を知らない少年は異世界に逃げ込みます。その間、載国には新しい支配者が立ち、国政は混乱を極めていきます。争いの中で片腕を失った将軍李斎は、救いを慶国にもとめるのですが、禁門で身分を疑われた彼は、囚われ人となり、王に会うことすら出来ません。
何とか慶王・陽子に会うことは出来たものの、慶国宮廷は十二国の理を楯に動こうとしません。妖魔が跳梁し乱れた国で救いを待つ人々に手を差し伸べない、その何が天の意なのでしょうか。慶王・陽子の怒りは、蓬山、そして天そのものに向けられていきます。恐怖と哀しみの前に身を竦ませ、自分を失っていく麒麟・泰麒。彼を守るとされる最強の使令も、知らないうちに変貌していきます。
ここで問われるのは、法であり、国であり、それを前にした人間の生き方そのものです。これほどの大問題に真っ向から取り組むファンタジーも珍しいでしょう。いや、ただただ説教臭くなり、物語性を喪失してしまうお話ならあったかもしれません。でも、小野のこの小説に限っては、その政治性と話としての面白さが絶妙のバランスを取り、読者をあかせることはありません。
今までは、どちらかと言うと独立色が強かった過去の話が、一つとなって大きな流れを作り始めた感があります。ますます面白くなってきたのはいいのですが、ここまで話を大きくすると次の展開が難しいことも事実でしょう。それでも続編が待ち遠しいと思わせるのですから、現代最高のシリーズの一つといえるでしょう。

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紙の本

人生は自らの手でつかむもの

2004/03/25 08:42

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る

戴の国に謀反が起こり、泰王と泰麒は行方知れず。将軍、李斎(りさい)は命を懸けて慶国女王、陽子に助けを求めます。

すぐさま戴国を助けに動きたいと思う陽子ですが、十二国の世界では他国に侵攻してはならないという、天の理がありました。
延王やその他の国々と力をあわせて、異界に流されてしまった泰麒を連れ戻そうとする陽子ですが、彼女たちの提案に神と人の間に住まう狭間の女、玉葉は難色を示します。

そもそも十二国記にはシリーズを通して一つの矛盾がありました。
天意を得て玉座に就いたはずの王がしばしば道を誤り、民を虐げ、国が荒廃するのです。
麒麟に選ばれた王は天に認められた王。なのに、なぜこんなことが起こるのでしょう。

天に真実神が存在することを知り、それでもなお天が戴の民の血を吐くような祈りを聞き届けなかったのだと知って、李斎は叫びます。

——かくも容易く民を見捨て、仁道を踏みにじる方々が、これまで道を失った王を裁いてきたのか!!

これに対して、後に泰麒は言います。

——人の手には余るということというものがあると、僕も思います。けれども、そもそも自らの手で支えることができるものを我と呼ぶのではないんでしょうか。
——僕たちは戴の民です。求めて戴のた民であろうとするならば、戴に対する責任と義務を負います。と。

自らの人生は自らの手でつかむもの。十二国記はシリーズを通して王の道を説いていますが、それは同時に人生の道でもあります。

本書にはこれまでのシリーズで登場した王と麒麟、そして新たに範の国の王と麒麟までもが加わり、豪華な顔ぶれを楽しむことができます。

また、泰麒が異界へ流されていたときの詳しい物語は、『魔性の子』に記されていますので、こちらもあわせて楽しみたいものです。

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紙の本

戴国に異変が?

2023/01/01 18:32

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

あのカワイイ泰麒はどうなった?と不安あおりまくり、心配しきりのお話ですよ。
陽子や延王も巻き込みつつ話は展開し、「天」のありかたも分かってきて世の仕組みなども少し明らかに。世界観が広がります。

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紙の本

泰麒の話

2017/10/01 18:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:黄龍 - この投稿者のレビュー一覧を見る

姿を消した戴国の泰王と宰相泰麒の行方を追う女将軍、李斎。その忠義に共感した景王陽子ら隣国の王や宰相たちが、人間界に戻ってしまった泰麒の救出に立ち上がる。、尚隆をも言い負かす陽子にあっぱれ!「魔性の子」ともリンクしているので、両方読むとより一層解りやすく面白いです。

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紙の本

十二国シリーズの醍醐味を味わえる物語

2003/02/25 16:48

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぼさぼさ頭 - この投稿者のレビュー一覧を見る

泰麒は「風の海 迷宮の岸」の時から魅力的なキャラクターだ。繊細で優しく素直、周囲への気配りを忘れないという美点と、育った環境から来る自分への自信のなさの上に危うく成り立っている性格。それでいて、伝説と言われた妖魔・饕餮(とうてつ)を指令に下してしまうほどの秘められた力を持つ麒麟である。
驍宗(ぎょうそう)が王となり、順風満帆に見えた戴の国は、阿選の謀反によりめちゃめちゃになる。王・驍宗は行方不明となり、阿選に角を切られた泰麒もまた行方不明。6年の間に王のいない戴の国は、妖魔が跋扈し、阿選によって焼き尽くされた村が点在する荒れ果てた国に変わった。戴の将軍である李斎は、泰麒と同じく胎果でありまた同じ年ごろである慶王・陽子を頼り、謀反人という汚名を着せられて追われる身で、妖魔の巣窟を越えて、命からがら慶国に助けを求めてやってくる。深く同情した陽子が発起人となって、十二国の主だった国々の王・麒麟が協力して泰麒の捜索を始める。
一方、蓬莱の生家に戻っていた泰麒は、角を失くしたため麒麟であった記憶をなくし、泰麒を守るために暴走を始めた指令たちが殺人・殺人未遂を繰り返すために怨恨の的となっていた。そのためにもう麒麟と呼べないほど病み衰えているところをぎりぎり救われることになる。
西王母により病は払われたけれど、指令も持たず転変もできない泰麒。しかし彼は、戴の民としてするべきことがあると、右腕を失くし剣を操ることもできなくなった李斎を伴い(傍から見ればみすみす命を落としに)、戴へと旅立つ。

十二国のオールキャスト登場とばかりに、ユニークな王・麒麟が集まって、泰麒捜索のためにあれこれ手を尽くすありさまがおもしろい物語でありながら、こちらに戻った泰麒が目を覚まして以後の方が強く心に残る。景麒に、何もできない麒麟だった自分が、やっとできるようになったのにまた何もかも失くしてしまったと告げ、「僕はまだ間に合うでしょうか。僕にもまだできることがあるとお思いになりますか」と問うあのシーン。そして驍宗を探しに旅立つ決心を李斎に話すシーン。16歳になった泰麒のまっすぐで純粋な決心、戴の民を思う心情。角を失くしても彼こそ本当の仁の生き物・麒麟なのだと胸を打たれる。
この物語と合わせ鏡のような「魔性の子」を読めば、彼が蓬莱の国でどれほどつらい思いを重ねてきたか、それが地獄のような6年間だったということがよくわかる。それでも泰麒は麒麟の本性を失わなかった。むしろ純化したように思われる。不安と自信のなさから何もできなかった幼少時から大きく成長し、自分がゼロであっても自分のいるべきところを知ってそこにあえて立つ潔さを感じて涙なくしては読めない。どうぞ他の十二国記の物語同様、大団円に終わりますようにと祈りたい。

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紙の本

なかなか人生、思う通りには行きませんね

2001/04/22 01:17

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 待望の十二国記再開。
 人は切羽詰ると、何を犠牲にしても自分の都合を優先しようとする。けれど考えるのと実際行うのとでは雲泥の差がある。
 戴国の危機に陽子に助けを求める李斎。陽子の真摯さに打たれ泰麒捜索に協力する十二国の王と麒麟たち。
 十二国とはどういう仕組みになっているのか? ついに現れる西王母とは?初出場の氾王と氾麟が色を添える。
 続刊が楽しみである。

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紙の本

まちにまった「十二国記」新刊

2001/04/17 19:57

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投稿者:香華 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ようやく5年ぶりに十二国記の最新刊「黄昏の岸暁のそ天」が発行された。
 この話を一言でいうと新潮文庫「魔性の子」を十二国側からみたストーリーとなっている。そのためこの本を読んだあと「魔性の子」が無性によみたくなり、読み返した。
 5年待たされたが、待った甲斐のある本だと思う。ぜひ読んでほしい。

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紙の本

失われた希望・泰麒を求めて

2002/06/21 14:15

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:さすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

作中ときどき語られていた、戴国の不穏な動き…白雉が末声を泣かないのに新王が立ったと知らせが来て、蓬山には泰果がならないまま…その理由が、この本でやっと語られることになる。シリーズの中では時代、発売ともに新しい作品になるので、いきなりこの本から読み始めるよりも、まず他の本(特に、泰麒が王を選ぶ『風の海迷宮の岸』はぜひ)を読んでからこの本を読むのをオススメします。内容が豊富な分、いきなりこの本から読むと、十二国記の世界観についてゆけないかもしれません。反対に、他を読んで、十二国記に馴染んでいる読者には、すでに見慣れた顔・また、見てみたかった顔ぶれが多く、作品の話とは関係なくその点だけでも十分に楽しめると思います。

この作品は、『魔性の子』と表裏一体になっているとか。この作品で、十二国記側からみた泰麒の失踪が語られ、『魔性の子』では、泰麒でありながらその記憶を失った高里の、蓬莱でのことが語られるとか。それを知らずに、この作品だけを読んだので、わたしには、なぜ泰麒が蓬莱で過ごしているときのことや、その心情が作中全くと言っていいほど語られないのか不思議であり、また不満でもありました。そこまで知りたいのが読者ですもんね。でも、そういうカラクリがあったと知ったので、ぜひ求めて『魔性の子』を読んでみようと思います。2冊合せて、1つ…知らない人には不親切かもしれませんが、知っていればなかなか楽しめる遊び心・・そう感じられるのは、作者の魅力かもしれません(笑)。つまらない作品なら、もう1冊を読もうなんて気は起こらないですもんね。

今作目を見張ったのは、景王・陽子の提案で、各国に泰麒を助けるための呼びかけをし、しかも、多くの国がその呼びかけに答えたところ。こんなに多くの王と麒麟が出てくる作品は、十二国記でほかにありません。私たちの国で当たり前の「国と国が協力する」ということが、十二国では当たり前どころか考えられないことだからです。国交がなくて当たり前、互いに他国に干渉しないのが十二国で当たり前でした。それを、天の決めた王と麒麟の約束事に触れない範囲、そのギリギリで、泰麒を救うために他国が協力する…。提案した陽子は胎果で、この国の常識を知らなかったからこそこんなことを言えたのかもしれないけれど、それでもすごいと思いました。そして、それを常識でないと知りながらバックアップした延王もすごいし、また乗った他国もすごい。十二国が大きく動いた気がしました。十二国記を語る上で、絶対にはずすことができないのがこの作品だと思います。

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紙の本

深まる世界観

2002/11/29 00:25

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投稿者:葛城リョウジ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今回のストーリー内容は、十二国記の世界観をさらに深めるものとなっている。多国間の協力、唯一天の意向を知る碧霞玄君の登場、十二国記の世界を定める天の摂理の性質、等を中心としたストーリー展開は、大きな世界観の表現に、重要な役割を担っている。
 多国間の協力では、延と慶の二国に加え、恭、範、才、漣、奏の五国、計七国となっている。それぞれの国の、王、麒麟に大きな魅力が感じられた。これらの、魅力あるキャラクターが、ストーリーにどう絡んでいくかは、非常に見ごたえがある。
 碧霞玄君に関しては、その存在を通し、様々な面から、天の存在意義に迫ることになる。その過程では、不思議な緊張感を味わうことができる。
 天の摂理では、覿面の罪等を例にし、その意外な性質が明らかになる。これは、ストーリーの大きなポイントになっている。
 十二国記の世界観を、さらに深めたい人は、一度読む価値がある。

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紙の本

協力

2002/07/08 15:21

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投稿者:柿右衛門 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 なんといっても今回の見所は、いままで多少の交流はあったもののほとんど独自の道を歩み、協力することがなかった12国が全部の国とはいかなくても協力をはじめたことだろう。
 陽子は陽子がいた世界、つまり私たちの世界でいう「大使館」的な役割を作りたいと考えた。
そして十二国がお互い協力しあえば、もっとよくなると考えている。
 この動きは十二国記の世界にあたらしい風を吹くことだろう。
 私たちの世界では、お互いがかかわりをもつことで平和だけでなく、戦争をいう悲劇も起こってしまった。
 さて、陽子が持ち込んだ新しい風は、この十二記の世界の中になにを運んでくるのだろうか?
 ますます続きが楽しみである。

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王になりたい

2001/05/22 11:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うみひこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 時たま、大義名分を滔々と説きたくなる。日常から説く離れて、みんなと同じ様に目立たないように生きる自分から離れて…。目的を持って天に道理を問い、この世を正していく。民意を問い、仁の動物麒麟を傍らに侍らし、仙になって何百年も生きる。
 王になりたい。十二国の内の王になって一国を統治したい。だが、この12国の世界は、とても矛盾したファンタジー世界だ。天帝がいてその意向を伝える女仙がいる。麒麟も天意によって王を選ぶ。だから後はその王が正しく政を行えさえすれば国は栄えて、理想の世界が出来上がる筈なのに、仙になっても王はあくまでも人間で誤謬を犯し私欲に走り、妄執に駆られて国を傾ける。たとえ麒麟に選ばれても、王になる覚悟をもてない者もいる。そして、ファンタジー世界の象徴のような生き物の麒麟なのに自分が麒麟であることを信じられないでいる者もいた。そう、あのおどおどした子供の麒麟、泰麒。一見予定調和に見えるこの世界を揺るがす者がいて、初めて物語が始まる。そして、5年ぶりに彼の物語が始まり戴国の物語と『魔性の子』の高校生高里の物語がやっとここで繋がった。今回の主人公は戴国の将軍李斎。満身創痍の身体で慶国の王、陽子の元へ辿り着く所から物語は始まる。慶国もまだ『風の万里 黎明の空』の時から殆ど時間がたっていない。その中で、行方不明の泰王と泰麒を探す手助けを求めて、各国の麒麟と王が集まってくる…。
 王になることを夢見て、王でいることの困難さを読む。そんな読者にできることは物語が途切れないように祈ることしかないようだ。

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十年ぶりの続編

2001/05/12 02:02

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投稿者:黒い山羊 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 待ってました、ものすごく。『魔性の子』から、実に十年。このシリーズの時系列中で、一番新しい話であること、何より高里があちらとこちらを行き来した経緯が、やっと明かされるのだから、もう眠るのも忘れて読んでしまった。期待したことも何も忘れて、物語に没頭でき、作中の人物たちの価値観・立場の違いを、とてもはっきりと見せ付けられた。
 テーマは毎度のことながらかなり重いものだが、そこは登場人物たちの性格や、軽妙な会話が救っている。おまけに、登場人物の意外な成長や弱点に思わず微笑してしまう。何より、一人一人の前向きの姿勢が、私たちをも引っ張っていく。相変わらず、大きな物語であると思う。そして、何より面白い。読後の苦しいながらも、一風の清涼感を感じさせるのも相変わらず。そして、今回はそれほど、待たずに次回作が読めるらしい。『戴』という国の命運やいかに、といったところで、七月を待つとしよう。

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紙の本

麒麟が戻る。

2001/05/02 17:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ERI君 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 待ちに待った十二国記の新作である。でも、テーマを聞いた時、それにしては短いと思った。やはり、今回で、この話は終わっていなかった。
 失踪した麒麟と王。その麒麟が国に戻った。王が戻る、後半が楽しみだ。しかし、最初から、行方不明の麒麟が戻る話と聞いていて、これだけ読ませるのだからすごい。すでに、外伝『魔性の子』があり、その裏話(こっちが、本筋とも言える)としても、すごいものだ。それだけに、どうなるか分からない、失踪した王の話が待ち遠しい。
 ただ、この作品から入る人がいるかもしれないが、そういった読者は、さすがにこの世界に入り込むのはきついだろう。そこは、シリーズ作品の欠点でしょうがないとは言え、気にかかる。まあ、他の作品がすぐに手に入れのが救い。でも、『魔性の子』が入手しづらいのが問題かもしれない。
 この後、この作品のX文庫版が出るそうだ。講談社文庫版とどう違うのだろうか。とっても気がかりである。汚い商売ではないよね。(宮引恵利)

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紙の本

読むべし!

2001/04/24 22:39

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投稿者:由貴 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 同シリーズ中の「風の海 迷宮の岸」と「魔性の子」を繋げて、尚且つちょっと先に進む話。たぶん、ファンの誰もが待ち望んだ内容ではないでしょうか。
 この本から読む方は、上記の2冊を先に読んだ方が楽しめると思います。そして、ついでにシリーズを買い揃えよう!

 続巻が楽しみな終り方ですが、後を引く感じではなかったと思います。読み始めると止まらなくなりました。流石です、小野主上。

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