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みんなのレビュー588件

みんなの評価3.1

評価内訳

588 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

伊坂ワールド再び

2010/01/14 09:22

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『陽気なギャングが~』以来エンタメ小説で高評価を受けた著者だったが、このところ社会風刺を思わせがちな作風が続き、軽く楽しめる「活気」が失われていたように思う。
前作『あるキング』では一層マイナーに走り、ファン離れを心配していたのだが、それでも著者自信が発信したいモノをその作風の中に貫こうとしている、それは見事に達成されているのならそれも良いかと思っていた。
が、本作はそうした素人心配を十分払拭してくれるだろう。

伊坂作品の醍醐味は何といってもその見事な伏線の配置とパズルのような構成とニヤリと笑わせてくれる対話を吐くキャラクター達だ。
一見無関係に思われる複数の人物や彼らのそれぞれの身に起こる事件が、ともすれば読み流してしまう一言二言がキーワードのようにして互いの運命を急接近させる。もちろん本作もその魅力は十分発揮されていて、まず物語りは2つ+西遊記で構成される。

「私の話」の主人公・遠藤二郎は人の痛みや苦しみ、つまり助けて!というSOSの叫びを敏感で手助けせずにはいられない性質だ。イタリアでの悪魔祓(エクソシスト)見習いの経験を生かしカウンセラーまがいの副業をしている。かつての憧れのお姉さんの息子(眞人)の引きこもりを助ける羽目になるのだが、実は彼自身、日々SOSを目の当たりにしても何も出来ない自信の不甲斐なさ非力さに辟易しており気が進まない。

一方もう一つの「猿の話」は孫悟空を名乗る横柄な語り手が、誰かに向けて五十嵐真をネタに因果応報の話を披露していく。
彼の仕事はトラブルの因果関係を追及する商品管理であり、滑稽なほどトコトン原因を追究するクールで論理的で、かなり変わった思考の持ち主だ。株の誤発注で300億の大損害を出した関係会社の原因調査をするべく責任者や関係社員と問答していくのだが、そこにあるのは責任のなすりあいばかり。やがてミス入力した社員の隣の家まで押しかけることになり、とんでもないモノを発見する。

引きこもり青年と唯一交友のあったコンビニ前で歌を歌っている人々と「西遊記」を橋渡しに、このまったく関係の無い二人と二つの物語急接近していくのだが、その手法は伊坂ワールドならではのもの。猿の話のどんでん返しも十分に楽しめるだろう。
さて、それでは今回の伊坂ワールド。彼らを結びつける共通項キーワードはなんだろう?

何度となく形を変えて言葉を変えて訴えてくるのは 
「人は失敗すること、間違えること、そしてそれを認めることに恐怖する」ということ。
そしてその恐怖から逃れるため、誰かに100%の責任を負わせようと白黒つけて「イチ抜けた~!」をしようとするということ。 だ。
「善悪は、正邪は、明確なものではない」「人間は善悪が共に存在している」 そうした言葉があちらこちらに現れるが残念なことに 彼らの周りには、100%の邪悪を押し付けられてSOSを出している人間がたくさんいる。そしてそれは私の周りにも溢れているかもしれないSOS信号だ。

二つの話は交錯し、彼らはある運命に立ち向かう!
西遊記と引きこもりと株の誤発注という突拍子もない関係と、信じられない未来とを信じ、これまたとんでもない方法で彼らは立ち向かうのだ。その詳細と結末は読んでからのお楽しみ・・・ということで。

今までの作品の多くは、権力や政治や才能など「何かとてつもなく大きな力」、そして抵抗できないほどの何かが伊坂作品主人公の「敵」になっていた。 けれど、今回は違う。 
これはもっと近くて身近で自分の中にある心の問題。他に押し付けるのでも逃げるのでもなく、失敗だらけの自分を認めてみようではないか。
そうすることで、世の中のSOS、きっと少なくなるに違いない。

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紙の本

おかえり☆

2010/03/15 16:39

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Mr.33 - この投稿者のレビュー一覧を見る

伊坂さんの本は、大好きで数多く読んできました。
しかし、最近の作品では正直満足ができていませんでした‥
最後に一つ一つの場面が繋がっていくあのワクワク感があまり感じられなかったからだと思います。
でも今回の作品は違う!
ワクワクしましたよ!!
内容は書けませんが、点と点が繋がるあの感じが久しぶりに十分に感じることができた作品でした。
個人的には本当におすすめの作品です。

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紙の本

何のSOS? 何の猿?

2011/01/18 03:26

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

まずこの装丁。面白くて凄く好きです。無重力で猫や少年が浮いている感覚。眺めているだけで、なんだか心が躍るようでした。

今のところハズレがない伊坂さんの作品、期待は膨らみに膨らんで張り切ってページを捲っていった。語り手がコロコロ代わるストーリーは追うのに苦労したりするので苦手意識がある。けれど、伊坂さんの作品はいくつか、語り手が代わるものがあるのにスラスラ読み進められるのは一つの利点だと思う。なぜだろう、と自分なりに分析してみたら、答えは簡単でした。語り手が、その章の頭に明記されているから混乱せずに読めるという事。このちょっとした工夫が、著者は工夫とは思っていないかもしれないけれど、私のような単純な読者には有り難かったりする。

伊坂さんの作品はスラスラ読み進められるのに、『モダンタイムス』と本書は苦労した。最後の最後で散らばった破片で一つのパズルが完成するかのように符合していくのは見事です。しかも、ちょっと真実とそれまでの話にズレがあったというのもまた巧妙で、楽しませてくれました。西遊記はもちろん知ってはいるけれど、そこまで詳しくないので孫悟空の頭にはめられた輪の名前など、ちょっとお勉強したような感覚になりました。読んでいる途中、どうやら猿の話は誰か他の人が操っているような、妙な雰囲気で首を傾げたところも多々あったけれど、それも最後はきっちりと解決する。ああ、そうだったのかと目の前の靄が晴れるようです。

引きこもりや家庭内暴力。当の伊坂さんはそんな考えはなくして書き上げたのかもしれないけれど、なんだか今の社会にも通じるストーリーで、楽観的な思いでは読めませんでした。本書ではやり場の無い怒りや無力感が大きな要となっていた。そういう思いを抱いている人って、実際にいると思う。

『ゴールデンスランバー』や『グラスホッパー』のようなワクワク感や緊迫感はあんまりなかったけれど、完成度は高い一冊だったと思う。伊坂さん特有の、古い作品や曲を引用するやり方、好きです。

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紙の本

普通の作家が書いたのなら★五つでもいいのでしょうが、平均点が高い伊坂の作品となると、そうも言っていられません。とはいえ、このカバーは素晴らしい。特に色です、それとおもちゃ箱をひっくり返したような雰囲気、これを加味すれば☆一つプラスしてもいいかも・・・

2010/07/06 19:38

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

なんて言ったらいいのでしょうか、おもちゃ箱をひっくり返した感じで、とても好きなカバーです。それと色合いですね。茶系の色が圧倒的なところに赤や爽やかな青といった色が効果的に配されて、なんとも上品なモダンさを醸し出しています。この雰囲気って、伊坂幸太郎の小説そのもの。そういう意味で上手いデザインです。デザイナー関係者を見ると

カバーデザイン:松昭教(bookwall)
カバーアートワーク:Nam Home Sweet Home,2009
カバーモデル:八田星弥(クレヨン)
協力:GYLLERY AB-OVO
DTP:平面惑星

とあります。カバーアートワークのNam Home Sweet Home,2009 の力と言っておきましょう。

全体は本文と〈参考・引用文献〉から構成されています。で、お話としては伊坂得意の全体が最後に丸く繋がってしまうというアクロバティックなものなので、あとはその手腕を楽しんでもらうのが一番です。それにしても中央公論新社のHPの本の案内というのは、相変わらずひどいなと思います。著名出版社の中で、自社の本の情報をここまで出し惜しむというのは、なにか読者に対する怒りの気持ちでもあるのでしょうか。

新潮社のHPの至れり尽くせりぶりに比べると一目瞭然ですが、内容を知ることは殆ど出来ないし、なんていうか買い手のことを考えないという点では嚆矢、としかいいようがありません。これじゃ潰れても仕方ないなあ、でも今は読売傘下になって出直したわけだし、っていうことはこの惨状ともいえる現状を読売はよしとしているの? なんて両者の企業姿勢を疑ってしまいます。

閑話休題。お話としては典型的な巻き込まれタイプなんですが、主人公のいやいやぶりが好きです。これもまた伊坂お得意の設定。で、笑えるのが二郎の母親と辺見のおばちゃんのいい加減ぶりで、老人の傍若無人パワーの全てが、もう死ぬまでは好き勝手に生きるんだという開き直りにあるということがよくわかります。いやはや暴走老人を前にした若者はかわいそうだ・・・

主人公の一人は遠藤二郎、現在は家電量販店の店員ですが、彼はイタリアで修行した「エクソシスト」というもう一つの顔を持っています。といっても、京極夏彦の小説に登場する京極堂主人で武蔵清明社の神主・中禅寺秋彦のような自分の意思で力を得たというわけではありません。イタリア留学中に友達だったロレンツォの父親に誘われたのがきっかけでなんとなく、なってしまったわけです。そう、遠藤は他人の発する「SOS」を見過ごせない性格なのです。

で、今回の事件に二郎を巻き込んだのが、彼の母親、名前はない・・・漱石の猫じゃあるまいし。でこのお母さん、六十過ぎて夫が死んでから吹っ切れ、自分の思うがままに生きるようになった元気なおばさんです。孔子のことを「孔子ちゃん」などと呼び、二郎を辟易させる。彼女がお気楽にいったひとことを辺見のおばちゃんが聞いて、それが辺見のお姉さんに伝わり、結局、次郎が眞人の悪魔祓いをすることになるのです。

その辺見のお姉さんというのは、二郎が子供の頃、憧れの異性の代表で、現在は40代後半。22年ぶりに言葉を交わした知り合いのお姉さんですが、彼女にあった二郎はその窶れぶりに驚いてしまいます。それは、彼女の息子で高校を出て専門学校に行ってすぐひきこもりを始めて2年になる眞人のことが心配でならないからで、その状態の解決をエクソシストである二郎に依頼するのです。

エクソシストの力が引きこもりに使えるのかどうか、なんていうことはこの小説にとってはどうでもいいことで、基本的には頼まれたら厭と言えない、決して積極的ではないけれど、動き出せばそれなりに役目をこなしてしまう遠藤がこの課題をいかに解決し、それにもう一つのエピソード、桑原システムの社員で、20分間で300億円の損失を出した菩薩証券の株誤発注事故の調査を命じられた五十嵐真がどう絡んでくるかを楽しむ、そういうお話です。

これがベストとは思いませんが、安定した伊坂の仕事振りは十二分に味わうことが可能です。相変わらずのほろ苦いユーモアも伊坂らしい作品と言えるでしょう。

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紙の本

これは、因果関係の物語である。

2018/12/30 18:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ひきこもりの少年の「悪魔祓い」を依頼された主人公、彼はSOSを受信しやすい。何とかしてあげなければ、という思いに握り潰されそうになる。

現代の出来事に西遊記が少しずつ溶け込み、マーブル状に物語は進む。

そのテーマは「正しさとは何か」であり「必然的関係性」である。

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紙の本

作風が変わったのでしょうか??

2012/12/02 23:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:tacque - この投稿者のレビュー一覧を見る

伊坂さんの作品として、定番の2つの視点から物語が始まり、そして最終的に1つになって結末を迎える流れは変わってないのですが、今までの終わり方と少し異なる印象を受けました。

作品を読んでいて、どことなく物語の進め方とエンディングへの向かい方、そしてエンディングの印象が宮本輝さんの作品を呼んでいるような印象を受けておりますが、これからの発展がとても楽しみになる作品でした。

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紙の本

あまり一般向けではない

2015/08/31 21:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:FUMI - この投稿者のレビュー一覧を見る

個人的には「一般向けではない」ように感じた・・・
 正直、物語がわかりにくいな・・・と思った。
 不思議な作品。

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紙の本

珍しく低評価

2015/03/21 05:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る

うん、よくわかんなかったね。無理矢理西遊記とかエクソシストとかユングとかメッセージを混ぜ込んだ感じでごちゃごちゃしてる。伊坂先生への期待値が上がりすぎていたのかな。時間つぶし程度にしかならなかった。

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2010/02/01 07:00

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2009/12/07 23:23

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2009/12/21 21:49

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2009/12/12 03:56

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2010/02/09 17:01

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2009/11/21 10:53

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2009/11/25 13:23

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