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異邦人(新潮文庫) みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー798件

みんなの評価4.0

評価内訳

798 件中 1 件~ 15 件を表示

焼いて焼かれて焼き尽くされて

2010/08/08 23:24

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る

読書というものは健全な行為の顔をしながらこれ以上ないほどの毒を
青少年にもたらしたりするものだが、その健全さの象徴のような
『新潮文庫の100冊』が今年も書店には並び、その中で短めで
読みやすそうな外見のカミュの『異邦人』は、カフカの『変身』と
並んで、ちょっと世界を知りたがる人々に、決してわかりやすく
などない世界の入り口として今も聳え立っている。

本書の主人公にしておそらく小説世界の永遠のアンチヒーローである
ムルソーは、ママンの葬儀で涙を流さず、その翌日に女とコメディ映画を
見てから寝て、その後にアラビア人を殺し、その理由を「太陽のせい」と
言ってしまうんだけれど、高齢化と温暖化が進み、オウム事件を通過し、
芸人によってテレビが占拠された今の日本では、ムルソーって、
その辺にいる。テレビの中にもネットの中にも、マンションの中にも
役所の中にも会社の中にも、むるそう、という動詞が出来ても
おかしくないほどに、ムルソー的人間はいて、太陽がいっぱいに
なって、もっと暑くなったら、『変身』のザムザみたいなムルソーが
溢れ出て来そうな気がする。

本書がスリリングなのは、支離滅裂な殺人によって逮捕されたその後、
裁判を経て死刑に至るまでのムルソーの内的世界がむしろ理路整然と
感じられることだ。わたしたちの社会の了解事項は、国家が違うと
いえども、人間らしさや人権というものは、最低限分かり合えるものと
して、理解を試みる。一方で、太陽があるから毎日天候は変わり、
天候が変われば行動は変わり、行動が変わればきっとそれなりに
気分も変わり、気分の世界になってしまえば殺人だって起きてしまう。

ラストでムルソーは、民衆が憎悪を持って死刑囚である己を迎えることを
夢見る。これは、自らの行動に高度の理性的な判断が働く人間の態度だ。
人殺しは憎まれるべし、至極真っ当だ。

ここまで来て不図思う。夏の読書が危ういのは、何よりもまず
この『異邦人』これ1冊のせいではなかろうか?理性的なようでいて、
猛暑日に本を読むというのは何だか倒錯している感じもする。
いやもしかしたら『異邦人』があるせいで、わたしたちは太陽の
せいでおかしくなった自分たちを、おかしくなったと自覚できて、
何とか理性を保っているのかもしれない。20世紀前半に世に出た
ムルソーは、まだ現役だ。ムルソーを越える人間は、きっと太陽に
焼いて焼かれて焼き尽くされた後に、立ち上がってくるんだろう。
だってわたしたちはいつだって太陽のせいで生きて、太陽のせいで
死んでいくのだから。

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「きょう、ママンが死んだ。」

2019/02/12 12:32

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

冒頭1行目の「きょう、ママンが死んだ。」と裁判の最後での、殺人の動機を「太陽が眩しかったから」という主人公の男のセルフが有名。母親が死んでも涙を流さないし、アラブ人を殺してしまうし、血も涙もない男に周りからは思われてしまう。そんな男に肩入れしてしまう私はいったい・・・

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感じてほしい、違和感。

2004/10/30 17:27

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ミナ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「今日、ママが死んだ。もしかすると昨日かもしれないが、私にはわからない。」という有名な書き出しから始まる不条理を描いた作品。主人公ムルソーは母を養老院(老人ホームのような施設)に入れ、その死に関しても涙を流さなかった。その翌日、彼女のマリーと遊んだ。…そして、ムルソーは灼熱の太陽の中、アラビア人に向けて発砲した。彼が絶命した後も撃ち続けた。…
 ムルソーの一見何でもない人生が、俄かに一変したかに見えた。逮捕されたムルソーは裁判で母親の死に関する行動で責められ、死刑に処せられる。それでも、私には彼の一貫性に変わりはないように思える。この物語は一人称で書かれているからこそ良いのだと思う。非常に淡々としているのがよく解る。だからこそ、この不条理がとても解る。解ると言っても、感覚的に捉えられるというだけで、私にはそれを言葉で表現することは出来ない。ただ、全てに意味は無いのだ、という印象を受けた。それを実行した彼は斬首刑に処されるのだ。
 この作品のあらすじや内容を知っている人は多いだろうが、是非読んでみて不条理を体感してほしい。読み終えたあとに何かしらを感じるだろうから。そして解説を読んでみるのも良いと思う。人の意見を知ることはとても良いことだ。
 
 個人的に私は、ムルソーが「司祭」を「モン・ペール」と呼ぶのを拒んだのがとても印象に残っている。直訳すれば「私の父」…ムルソーは自分の父ではないからムッシュゥと呼ぶのだと言った。とても彼らしく思えるのは私だけだろうか。もっとフランス語が読めるようになったら原文で読んでみたいと思う。

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衝撃!

2020/01/04 16:38

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本をまだ読んでいない人はとても幸せだと思います。
これからこの本の衝撃を体験ができるチャンスが待っているのですから。
私ももう一度まっさらな気持ちでこの本の衝撃を受けることができればと願ってやみません。

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どうして殺してしまったのか

2015/08/27 10:46

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:とと - この投稿者のレビュー一覧を見る

フランス文学の中でも、かなり有名な部類にはいるこの作品。男を殺してしまった主人公は、自分とは何か、なぜ殺したのかを、考え抜く。主人公の気持ちに寄り添えるようで、最後のところはわからない。深みのある作品。

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愛するほどに憎らしい

2015/08/10 12:43

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジャコモ - この投稿者のレビュー一覧を見る

今年の夏は暑く、ちょっとしたことに苛々していた。ある日、友人にムッとして「死ねばいいのに」と思った瞬間、この小説の一節(「健康な人は誰でも、多少とも、愛する者の死を期待するものだ」)を思い出した。何十年ぶりに読み返してみると、主人公マルソーの言動や行動には何ら不条理的なところはなかった。人は普段の暮らしのなかで、「意味がないこと」に苛立ち、「意味があること」に憤りを感じる。確かに生きることも死ぬことも、ただ「太陽のせい」なのかもしれない。時間をおいて読み直すとまた違った意味が見えている小説は数少ないが、それが傑作の傑作たるゆえんだろう。

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不条理について。

2002/04/18 01:28

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Eni - この投稿者のレビュー一覧を見る

アラブ人殺害の罪で処刑される一人の青年の物語。
最終審判は、彼が殺人を犯したことよりも寧ろ、母の葬式で泣かなかったことに原因があるかのように下される。
不条理なのはムルソーなのか、それとも世の中なのか。

不条理について。その本質が見事に書かれた傑作。

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異邦人

2021/10/10 20:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る

母の葬式に涙を流さず、その翌日に意中の女の子と海水浴をして喜劇映画を見るという「常識」から外れた行動をする主人公ムルソーが、その行動が尾を引いて、アラビア人殺害をきっかけに、最後には死刑になってしまう。
ムルソーの行動の謎を、作者自身が解説している本が同じく新潮文庫から出ているらしい。まだ読んでいないので詳しくは分からないが、どうやらムルソーは世俗的な「嘘」をつかず、その場その場の刹那的な欲望に従って行動をするらしい。

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カミュの世界感

2020/07/28 13:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:芋栗 - この投稿者のレビュー一覧を見る

新潮文庫フェアで限定カバーを購入でき非常に満足。主人公に感情移入は全くできず、読後感は爽快なものではないからこそ、心に強く訴えるものがあった。二度目、三度目と読み返すうちに、主人公への理解や理不尽さなどがカミュの無駄のない端的な文書から伝わった。

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照りつける太陽の下で

2020/02/26 08:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:藤和 - この投稿者のレビュー一覧を見る

基本的に無感動な主人公が不条理な運命に巻き込まれるというのが大まかな内容です。
主人公の結末はほんとうにこれで良かったのか、考えてしまいますね……

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太陽のせいで人を殺す

2001/02/17 14:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 カミュ(フランスの作家、1913−1960、1957年ノーベル文学賞受賞)が若干28歳でかいた作品。「太陽のせいで」一人のアラブ人を殺してしまうムルソー、母親が死んでも涙ひとつ流さないムルソー。昨年に起きた豊川主婦殺害事件の容疑者の少年は「太陽のせいで」人を殺した無感情なムルソーに例えられました。淡々とした文体。不条理の先駆的作品。一読の価値在り。
 もし不条理のことをもっと知りたいなら「シーシュポスの神話」を読むことを勧めます。

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名著とはなんだろう。

2020/02/28 21:58

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なまねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「きょう、ママンが死んだ。」で始まる、カミュの代表作。
あまりにも有名だが、そういえば読んだことがなかったので読んでみた。

母を亡くしたとき、悲しむ様子を見せなかった主人公ムルソー。
彼は、知人とトラブルになった女の関係者を殺してしまい、動機を聞かれて「太陽のせい」と答える。
当然、陪審員の共感は得られず。
それどころか裁判に立ち会ったほとんどの人間の不興を買ったあげく、死刑判決が下る。
というのがおおまかなストーリー。

「普通の平凡で善良な市民」から見れば、母にすら情を持たぬ、自分たちとは相いれない殺人者として「異邦人」という名称が与えられた主人公。
彼にも共感はできないが、「普通の平凡で善良な市民」にも共感できない。
そもそも「普通の平凡で善良な市民」など、どこにいるんだろう。
というようなことをつらつら考えさせるところが、名著と言われる所以なのかも。

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興味深い

2020/01/30 15:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:すねよし - この投稿者のレビュー一覧を見る

カミュは初読みであった。
とっつきにくいイメージがあり、海外作品には長らく手を出せていなかったが、いざ読んでみると面白い。
カミュの思想に少しは近づけたかなと思ったので次の作品も挑戦してみたい。

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レビュー

2015/12/27 15:53

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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る

私はまだ学生で不条理な場面には出会ったことがありませんが、本を読みながらふむふむ確かにこの小説の世界は変わっているけど、そういう世界を知ることで今いる世界というか私の世界を見る目というのが怒涛のごとく変わっていくのが心地よく読んでよかったと思う作品でした。

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獄中の古新聞

2015/09/09 04:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:金吾庄左ェ門 - この投稿者のレビュー一覧を見る

不条理とか言われていますが、現代で言うならムルソーの考え方はちょっとドライなだけでそう問題があるようにはないのでは?と思えてなりません。他の登場人物も小言っぽい事ばかり言っているように思えます。

ムルソー自身、理屈っぽく罪を悔いて反省しているわけでもありませんが、願う事が見物人の憎悪を一身に受けながらの死刑というのが救いと言えば救いですね。

あと、ムルソーは獄中で古新聞の記事を何千回も読み、ある結論に至るのですが、お前がそれを言うなと思いました。

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