紙の本
蓮生の私的プロジェクト
2020/04/20 14:00
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
百人一首の私的考察。
誰が何のために作ったか考えたこともなかったので、期待以上に面白かったです。
キーマンは藤原定家と蓮生。蓮生は知られていませんが、源実朝と既知なくらいの超セレブ。その蓮生が嵯峨野の別荘に飾る障子色紙を定家に発注し、できたのが「百人秀歌」。これをべースに定家の息子の為家が、一部改変を加えできあがったのが「百人一首」との由。つまり定家は蓮生の私的プロジェクトゆえに気楽に選んだようです。
ところで、草野氏が拘っているのは和歌の選定基準ですが、学会の反応が薄いことに不満のようです。
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百人一首の謎
2020/01/04 20:00
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
田辺聖子さんの百人一首を読んでから、百人一首の謎がずっと気になっていました。何気なく歌留多などやっていても、深い意味があるという点が興味深かったです。
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たらちねの・・・
2017/02/24 11:36
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
歌の意味だけでなく、成り立ちについても解釈の仕方が様々で、百人一首ファンは突っ込みどころ満載の書なのだろう。
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高田崇史のほうが面白かったかも
2016/03/02 09:28
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投稿者:わびすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
高田崇史の「百人一首の呪」を思い出した。あちらのほうがロジカルで面白かった。こちらは研究結果なのだから、推理小説より結論は明確であるべきなのに、結論は出たようなでないような、ぬるっとした感じで終わる。はっきりと結論が出ないならフィクションの面白さには勝てないと思う。
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『百人一首の謎を解く』
2016/03/08 05:15
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投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
2時間ほどで読了。
出だしは面白くて、まるで推理小説かサスペンスかと思う展開だったが中盤からは“こいつ、じせつに酔ってる”と言う感じで飽き飽き気味。
1日に2冊読むのはテレビがなければ容易いがもう少し自分の本を見る目、探す目を養わないとイカンなと思う。
何というか、著者は勿論知るわけもないんだがこの本を買ている著者が一番愉しくて、それをみんなにひけらかしたくてどうしようもないという感じの本の読後感。
書くのは大変かもしれないが読む方は斜め読みで好いかなぐらいな、感じだった。
百人一首を久し振りに全て、100首読めたのがせめても救い。
確かに色々と文献を読んで渉猟し、構想を練ったんだと思うが途中の80頁前ぐらいから“ほーら面白いだろう”みたいな文章に飽き飽きしてしまった。
もっと流して読んでも良かったかな。
百人一首を推理小説の題材にした態で好きな人には堪らないだろうが45年この方、百人一首に親しんでいる人間には胡散臭い、の一言かな。
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百人一首どころか、短歌和歌にはとんと無学な身だけれども、題名に惹かれ後学のためと読んでみた。
百人一首の成り立ちが、それぞれ苦に満ちた人生を送った歌人を追善供養し、鎮魂が撰歌の結果だったとは。
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百人一首は誰がなんのために作ったのかを解説してくれる本です。
元々「百人一首」はなく依頼主のためにテーマのある中で百首以上を選び襖に飾るものでした。
和歌の何たるかを教えるために秀でた百首を選んだものだと思っていたので驚きました。
学校で覚えたりならったりはしたものの意味までは知らず。
悲哀に満ちたあまり幸福な歌ばかりではないところもわかりました。
もう一度百人一首してみたい。
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うーん。うーん。うーん。タイトルと帯と前半のパラ見で買ったんだけど、残念な一冊でした。
前半は面白くて、百人一首の“謎”とはそもそも何か?を整理してくれていて興味深い。いつ、誰が、何のために、なぜ、そして歌の中身が偏っているのはなぜか?元の写本がまったく残されていなかったのはなぜか?などなど。そして、百人一首と双子のような存在である「百人秀歌」の存在は何なのか?これも誰が何のために、そしてなぜ百首ではなく実際には百一首あるのか?
問題提起はとても面白いし、いわゆる“定説”の中には根拠のないものも少なくなく、資料から判断するとむしろこうであろうと推論するところまではワクワクしながら読んだのだが。
歌の選ばれ方に関する定家の基準、並べ方、百人秀歌から百人一首に至る歌の入れ替えや並べ替えに関する“謎”などへの考察があまりにも杜撰すぎて呆れた。著者の主張に直接関係ない部分については、定家が「あまり深く考えずに選んだのだろう」「こだわらず適当に並べたのだろう」などとまるで根拠のない推定に終わっている。言霊の支配する時代、百首もの歌を選んで編む歌集(に準ずるもの)についてそんなにいい加減なことをする筈はないのではと思う。時代に配慮しているようで変に無頓着なことにがっかりした。
昔読んだ「絢爛たる暗号」(織田正吉)は、これも確かに穴のある推理ではあったのだが、配列や歌を選ぶ基準などへのこだわった考察は相当なもので、面白さでいえば段違い。また、小説ではあるが「百人一首の呪」(高田崇史)でタタルさんが(つまり、高田氏が)展開した推理の方が遥かに精緻でありスリリングだった。
前半の問題提起はとても興味深かったので☆2。
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タイトルに惹かれて読んでみました。ただ、1冊の本にするには内容が薄かったように思います…。
百人一首は恋の歌が多いと聞いていたんですが、ここではそこは挙げらず、中納言が多いとか、全員悲劇の人だとか、違った視点で百人一首を知れました。
あと、単純に百人一首の歌の意味を知らないし、歌人についても詳しくないんでなんか言ってることの半分も意味がわからなかったです。これは百人一首をちゃんと勉強している人向けですね…。
それにしても後半部分は…なかなか読み進められなかったです…
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百人一首に謎なんてあるの?と思っていた。
要は、後世の人が、定家に擬して作ったもの(で、どういう成立過程を辿ったのかは全く分からない)と思っていたから。
で、実際にはもうすこし分かるところがあるようだ。
定家が蓮生(れんじょう)の山荘の、障子色紙として選定したもので、山荘といっても、蓮生の地位を考えると、そう粗末なものではなかったらしい。
なお、熊谷直実の出家後の名が同じく「蓮生」だが、そちらは「れんせい」らしい。
その阿弥陀堂の障子に飾るためだったから、苦の世界である現世を象徴するような不幸な生涯を送った歌人が選ばれている、とのこと。
蓮生の帰依する浄土宗の世界観である二河白道図を、敏行の住ノ江=墨の江の歌、業平の「ちはやふる」=紅の川、陽成院の筑波嶺の歌=青い川の三首を配することで模しているというのは、面白かった。
中納言の位にあった人の歌が十人。
それも本書を読むまで知らなかったことだが、それは自身も中納言だった定家の「暴走」だとされている。
そこらへんは、どうなんだろうね。
一読者としては面白く読めればいいんだが、研究となると大変だろうな。
どこまでいっても、真実はそうだった、とは言い切れないのだから。
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存在や内容はもちろん知っている百人一首、
ただ藤原定家が作った、と「言われている」ように作成意図などは謎だらけ。
私も歴史好きながら詳しくは全く知らない……。
その謎を、藤原定家が僧の蓮生の嵯峨中院別邸の障子和歌のために作っていた「百人秀歌」が元であるという視点から、
「百人秀歌」は苦悩に満ちた歌人を選んで、その冥土までの道のりを暗示するというものだったのに対し、定家の子・為家の時代に
権力者や周りの貴族らの目を気にして、出産で亡くなった定子の歌は外すなど、体裁いい感じに組み替えられたという説で書いたこの本、
もちろん全てが事実でなくても、意外とこんな感じだったのではないか、という説得力もあって面白い。
為家の気持ちもわかるけど、
恋の歌を似たもので順序立てていたり、冥土と現世の河の様子を歌の順序で組み立てたり、
定家の「シカケ」はやっぱりすごすぎて、残しておいてほしかったなぁ……。
まぁ、それだと今のような誰もが知る百人一首にはなってなかったかもしれませんが。。。