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海の見える理髪店 みんなのレビュー
- 荻原浩 (著), 斎藤美奈子 (解説)
- 税込価格:693円(6pt)
- 出版社:集英社
- 発売日:2019/05/17
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紙の本
お風呂で読んで、よかった
2019/06/28 23:19
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
「海の見える理髪店」。
題名を見ただけで、なんだか気持ちよさそうな、青を基調とした風景が目に浮かぶ。
のんびり、ゆったりできそうな。
でも、読んでみると、そんなのんきなことばかり言っていられない。
大きな大きな失敗をしてしまった人生。
ふりかえりたくない、直視したくない過去がある人生。
しんどい現実が目の前にあり、ちょっとうれしくなる過去がよみがえる。
無力で小さな、本来守られるべき存在が、ちっとも大切にされない現実のつらさ。
「時計が刻む時間はひとつじゃない。この世にはいろいろな別々の時間がある。」
さいごの「成人式」にやられた。
こんな作品を読んでる自分の顔を、ひとには見せられない。
途中までもそうだけど、後半のドタバタになっても、こみあげるものは変わらない。
郁美ちゃんと仲間達のふるまいが泣かせるじゃないか。
お風呂で半身浴しながら読んだのが正解。
だれにも顔を見られないし、すぐ顔を洗えるしね。
紙の本
爽やかなでも重みのある話
2019/09/23 11:07
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレになりますが、「海の見える理髪店」は最後の方で一寸したサスペンスっぽいところがあったり、「いつか来た道」母子(おやこ)の確執の末…、「遠くから来た手紙」はSFファンタジーとは又違った味があり、「空は今日もスカイ」は悩める小学生のこの先が気になり、「時のない時計」は本当にタイトルそのままで時計が刻んできた亡き父の生き様が垣間見え、「成人式」は娘を亡くした両親が式に参加すると決心~決して暗く終わらない力強さを貰うような…6編とも「家族」が共通しています、色んな形で。
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独白のかけ合い
2019/08/27 18:41
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:扇町みつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台は理髪店、登場人物は理髪店店主と客の二人だけ。この作品にはカギ括弧でくくられたセリフが無く、店主と客の独白で語られて行く。
ラストでなるほどとなる訳だけれども、カギ括弧のセリフと地の文で書かれるよりも二人のそれぞれの思いが伝わって来たのではないかと思う。直木賞、納得。
他5篇の短編が収録されている。どれも家族関係に悩みを持っている人や、ある程度年を経た人に刺さる内容だと思った。今、特に何も感じなかった人も10年後くらいに読み直してみると結構刺さるかもしれない。
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萩原さんの
2019/08/08 20:14
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
作品は、どこか暖かい感じがして好きです。この作品で、ついに直木賞受賞したと知り、これは読まなければ!と思いました。
といっても、もう3年も前に受賞で、今更知って恥かしい。
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直木賞受賞作
2019/07/26 00:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
荻原さんの作品に、
「誰にも書ける1冊の本」という作品があるけれど、
あの内容を小説として実践したような内容。
表題作はあんまり「らしく」ない、普通の(?)文。
抑えたから受賞できたん?と穿ちたくなる。
少しずつらしくなって、
荻原節ががっつり堪能できるのは「空は今日もスカイ」
文章になる日常と、文章にはならない平和な日常。
ふたつをつなぐ、日常の物語群。
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普通の人の人生のドラマ
2019/12/26 01:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Masetto - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編が6編。 普通の人々人生にもいろいろあってドラマがある。。。というお話。 ドラマといっても奇跡とか奇想天外とかそういうのはなくて あり得る話というか。 主人公たちの年代はそれぞれなので 読む人が思うことは読者の年代によってもそれぞれだと思うけど読みやすく良かった。
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家族とは
2021/04/21 00:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:昼休み - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の斎藤美奈子の解説まで含めて、良かった。
「遠くから来た手紙」が一番好きだった。
その次に、「空は今日もスカイ」。
うまく言語化できない。家族って不思議だな。
紙の本
私は「成人式」にまいってしまった
2020/03/03 21:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題の作品は、何年か前にNHKで朗読を聞いたことがあり内容は知っていたのだが、それでも良い作品というのは結末を知っていても感動する。それにしても、この作品で直木賞受賞ってあまりにも遅すぎないか、何を銓衡しているのだ銓衡委員たちは。どの作品も面白かったのだが、私は「成人式」にまいってしまった。主人公夫婦は最愛の娘を15歳でなくしてしまった、それから5年たち娘が生きていたら当然のように迎えていた成人式がやってくる。この主人公たちは娘の代わりに成人式に参加しようとするのだ。私にも今年成人式を迎えた娘がおり、この夫婦の娘が小さなころの溺愛ぶりは「うちと同じだ」とにやっとしてしまった。しかし、この夫婦を襲った突然の悲劇と、成人式での出来事には涙で活字が読めなくなるほどだった