- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
紙の本
異端というマイノリティ
2023/02/05 22:59
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読了してから脳裡には2つの事が浮かびました。1つ目は、本作品を書き上げるに当たって、かなり緻密に構成を練ったのでは、という事。2つ目は本作品の中心となる『水』をよくぞネタに思いつく事が出来たという事。
まず構成として、『語り手』が順番に主体となって話を進めていく形式。この形式はミステリ小説では時折見掛けます。近時では湊かなえさんの『白ゆき姫殺人事件』が一例です。ただ本作品は更に拘りがあり、それは前章の一文にあるワードやセンテンスが次章の冒頭に引き継がれるというスタイルです。テレビCMでもありますが、A君が持っていたカメラにどんどんクローズアップされ、更にその後再び引き下がっていくと別のBさんが同じカメラを持っていた、みたいなやつです。
2つ目であるテーマの『水』については、よくこんな発想が湧いたなぁ、です。マイノリティというものは殊更日本人が最も敏感になる分野であり、その分野に向けて昨今世間を賑わす(もう今や昨今ではなく、かなり前の時代からも陰々とあったでしょうが)社会的事件を根底にして抉り出したキーワードを鋭く描いています。社会ネタと言えば宮部みゆきさんの『模倣犯』を少し彷彿とさせるような気もしました。
さて、本作品の最大ネタである『マイノリティ』。このワードを、どう捉えるか。現代に於いてとても複雑で難しい内容だと思います。島国である日本という古来から横たわる根深い思想文化から考える必要は多分にあるでしょうし、随所に出てきていた『多様性(ダイバーシティ)』と関連付けてみると、一絡げに纏め上げる事が出来ない様相もあります。まさに現代ネタです。そういった複雑な様相を本作品で読み手に呈ずる著者は、なかなかに凄いと感じました。
朝井リョウさんの作品と言えば過去に2つ程読了しましたが、今一つピンと来ず、の印象でした。ですが、本作品はかなりズッシリと応えました。一方で同氏の作品のタイトルはパロディー的なものが幾つかあり、本作品もおそらく『性欲』からもじった『衒い』感がします。『正欲』の『正』について、食欲・睡眠欲・性欲が3大欲求と言われ、その3つは人間として大多数、マジョリティとしての欲求であり、また追究すると人間或いは日本人が持つマジョリティの感覚という意味で『正』を使い、そこから対比的クローズアップでマイノリティを炙り出す暗喩的な狙いがあったと解釈しました。
紙の本
初の朝井リョウ作品
2023/03/28 20:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみん - この投稿者のレビュー一覧を見る
恥ずかしながら、朝井リョウ作品はこれが初めて。
読んだら、読む前には戻れない!というキャッチコピーは、大袈裟に聞こえるが、確かにそうだなと感じる。
多様性という言葉を用いて、自分とは違う何かを「受け入れてあげる」側だと思っている人は多いように思う。かくいう私もそのうちの1人なのだ。
今まで軽い気持ちで見ていたテレビのニュース。
今までと同じように、、見れない気がする。
紙の本
まさに、正欲。
2022/11/04 03:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くるくる - この投稿者のレビュー一覧を見る
多数派で構成されるこの社会で、多数派に紛れ込むことでしか生きていく方法がない現実。
そんな世界で芽生えた多様性の理解、尊重の傾向。
多様性とは何か、多様性を理解することの意義を考えさせられる本であった。
詮索、干渉、査定される現実はいつの時代も変わらないのではないかと恐ろしくなった。
紙の本
想像力
2022/05/30 13:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マンゴスチン - この投稿者のレビュー一覧を見る
何言ってもネタバレになりそうで何も言えやしないんだけれど、
無意識に人を傷つけかねないために
想像力というか、物を考えながら他人と接しなければならないなという教訓を得た。
自分の想像の範囲内がいかに狭いものか。
価値観がぶっ壊されます。おすすめ。
紙の本
多様性とは、、
2021/10/24 07:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Pana - この投稿者のレビュー一覧を見る
「多様性」という言葉に違和感を持っている方には読んでほしい。
マイノリティな考えだから、多様性のあみ目からもこぼれ落ちてしまう。そのマイノリティって、誰が決めたの?
自分の了見の狭さを思いしらされる本でした。
紙の本
欲
2021/08/04 20:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝井リョウさんの本は、割と読んでいる方だと思います。それでも、この本は、なかなか読み進む事ができませんでした。途中からは、ぐんぐんと話しに引き込まれてしまう感じでした。