セーヌ右岸さんのレビュー一覧
投稿者:セーヌ右岸
2016/04/04 16:34
本物でした。
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教養を身につけるということは、豊富な読書からの力も借りて、その人の意識、向上心・探求心、行動力、間違いのない一本の自己の軸を持つこと等が全て備わって、初めてなしえるものだと思いました。しかし、それは面白く感じたことの追求であったり、自分を前向きな行動に駆り立てるエネルギー源さえあれば、達成できることも理解できました。この年齢になって改めて、チャレンジしたいと向かわせる気持ちを起こさせる本でした。子供にも読ませたい本です。
2017/08/16 20:04
文章職人の神髄と秘密を知る
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読売新聞の「編集手帳」を読んでいて、なぜ「書き出し」と「締めくくり」が豊かな言語力、知見、エピソード等を披露しつつ、こんなにも見事につながるのか、いつも感嘆していた。そのコラムニスト竹内政明さんの文章術の秘密がどんどん証されていく。池上彰さんの文章術にも言えることだが、様々な文学作品や古典に出会ったり、社会事象に直面する中で、感性豊かに、感覚鋭く文章、フレーズ、言葉を感じ取り、つかみだし、引き出しを多く持つことが重要であることがよく理解できる。でも、それだけでは言い表せないいろいろな努力や訓練、苦労も重ねている。とにかく、本書を読んでいただくことにつきます。
紙の本大放言
2016/04/04 16:13
誤解・曲解の構造を知る。
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人の発言は、その言葉の真偽にかかわらず、聞く人の立場、置かれた状況等によって判断され、又は意図的に、誤解・曲解されることは良くあることです。特に、マスコミの注目を集める方の発言はなおさらそのようなことが多いかと思います。勿論、正確な評価もあるでしょうが、本書は、注目を集める方の発言等が、立場の異なる人から、いかに部分的に切り取られ、暴言・極論と批判されるか、発言の全体とその背景を説明している。ユーモアを交えたエピソード等もあり、非常に面白い内容であり、特定の評価のみで判断し、思い込むことの危険性を訴える書である。
2018/01/11 00:14
正に筆記体文字のお手本
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著者は並みではない超一流の書家であるが、美しく書くことが難しいとされるボールペンをあえて用いて、美しい、素晴らしいとしか言いようのない文字の書き方、字配り等を提示してくれる。自分の名字もお手本の中にあったので、何回も練習し、生まれて初めての美しさで自分の名字を書くことができた。息子夫婦にも購入し、手渡したところ、その文字の美しさに感動していた。
2017/10/21 00:10
とにかく面白い生きた歴史の裏側
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4年半ほど前、まだ著者の名前も知らない頃、丸善でタイトルに惹かれてページをめくったところ、教科書では味わえない古文書に基づく、戦国時代から明治にかけての著名な人物から忍者などに至るまでの歴史の実態・裏側や地震・津波の事例などが各項目・事例毎に分かりやすく簡潔にまとめられ、引き付けられ、即購入。歴史好きの少年が、13歳の時に祖母から頂いた磯田家に伝わる古文書の解読に没頭し、3ヶ月で解読。その後の人生を徹底的に古文書の探求と解読、そして、世の中への周知と歴史からの教訓の啓蒙に努めている。今、読み直しても面白く、引き込まれる。その後、本著者の本を何冊も買うこととなった。
紙の本スノーデン日本への警告
2017/08/02 17:41
監視社会の実態への驚きと乱用防止取組の困難さを痛感
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2013年のにスノーデン氏による機密情報リークは、米国の国家安全保障機関職員により行われたこと、その膨大な情報の量と監視手段・内容の異常さ、無差別・網羅的な大量監視政策の進展への恐怖等、世界に衝撃を与えた。本書は、スノーデン氏本人の発言や、監視による被害防止・被害者支援を通じて権力乱用や違法監視に立ち向かう人々の活動を通じてその実態を提示している。本書では、監視捜査を制御・監督するための一番強力な監視機関はマスメディアであるといわれているが、残念ながら日本のマスメディア、ジャーナリストに信頼を寄せられるかは大いに疑問であり、対応の難しさを感じる。
2017/03/24 21:55
でも知りたい現実
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マスコミに溢れる「きれいごと」ではなく、「不愉快なものにこそ語るべき価値がある」という筆者の考えが、エビデンスをそろえた上で、これでもかと精緻に本書を書かしめたのだと思う。知能や才能の遺伝率、性格、障害、犯罪の遺伝率はどの程度で、社会や家庭環境でどの程度変えることが出来るのか等の真実は当然知りたい問題である。しかし、美貌格差や性に係わる現実は触れられたくない問題かもしれないが、それを堂々と説明している。やはり手に取らざるを得ない書である。
2016/07/12 16:31
昭和天皇の苦悩がありありと!
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戦争前夜状況の中で、若くして即位した昭和天皇が、軍部から上奏される都合の良い、好戦的な限られた情報の中で、実態を把握しようとする努力や明晰な分析力に、驚かされる。それだけに、立憲君主制と絶対君主制の間にあるような微妙な位置付けの立場で、最終的には戦争を回避できず、終戦を早めることができなかった天皇の悔恨がありありと読み取れる。終戦後のマッカーサーとの頻繁な会談や慰霊の行動等を含め、日本の歴史上、国として最も存亡の危機に立たされた天皇の苦悩が痛感される。そのような状況に置かれた天皇に対し、適切に助言できる補佐官のような存在が、実録からはみえてこなかったが、それも天皇の苦悩をより深くした原因ではないかと思う。
2016/04/04 15:30
政策判断の基本に立ち返る!
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経済・金融動向や政策判断等に際しては、根拠の定かでない極論、暴論に訴えたり、不安心理に取り入って、人々の関心を引こうとしたり、世間の耳目を集めようとする傾向が時々みられる。このような時に、自己の判断基準の軸を持っておくことが極めて重要と考える。本書は、その判断基準・材料として、facts & figures に基づくべきであるとして、各種事例・事項ごとに具体的な統計、数字、事実関係を示しつつ説明を簡潔明瞭に行っている。自己の判断基準の一つに持っておきたい本である。
紙の本グローバル化の憂鬱
2018/02/23 00:01
正論を堂々と!
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著者の本件エッセイシリーズは3冊目であるが、いずれも幅広い論点を説得力ある正論を正々堂々と述べている。ここまではっきり述べられるのはあっぱれである。政治家、評論家、マスコミ関係者たちに読んでもらいたい。
紙の本とんでもない奴
2018/01/27 00:43
納得せざるを得ないエッセイ集
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著者のエッセイは正しく正論であり、標的の中心を射抜くような鋭い指摘には、いつものことながら納得の連続である。確たる具体的な根拠もなく、自己の主義主張だけで批判・批評を行う評論家やジャーナリストと対極の関係にある。深い洞察力と具体的実証と現実を踏まえた確たる信念、真実を見抜く力を持った人間だからこその言葉だと思う。
紙の本社会人としての言葉の流儀
2017/10/13 11:59
言葉のプロの鋭い感覚を知る。
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朝日新聞記者から編集委員までの中で磨き上げた著者の、言葉や言動に対するプロフェッショナルとしての鋭い感性、感覚を読み取ることができた。安易な言葉使い、横文字に逃げて実感を伴わない表現、政治家やマスコミ関係者等の置かれた立場にそぐわない言動等、それぞれの批評や指摘には、大局観も伴い、大いに納得できる。「朝日新聞の紙面は面白くない」と書き、OB資格取り消し処分を受けたほど堂々と批評できることに、著者の矜持を感じる。朝日新聞らしい対応ではあるが・・・。
2017/09/06 17:32
「新自由主義」経済思想の本来の考え方を知る!
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経済格差の拡大は、「市場競争の行きすぎ」によるものとして批判されることの多い「新自由主義の経済思想」の本来の考え方を、金融規制のあり方、福祉制度の効率化、環境対策等具体的な政策等ごとに、日本における伝統的な「反市場主義」思想と対比しつつ、明快に解説してくれる。また、所得格差拡大の真相を高齢化、年功賃金及び自由貿易の観点から分析し、規制緩和への誤解を労働法制、事業参入規制等を例に解いている。さらに、年金制度や医療保険制度等の社会保障改革、雇用格差等の労働市場改革、規制緩和による農業を含めた新しい産業・サービスの育成について、新自由主義の考え方から対応策を提示している。本書は、「週刊ダイヤモンド」2011年の「ベスト経済書」第2位に評価されたものであるが、経済構造改革や規制緩和の動きが大きな壁に跳ね返されそうな現時点においてこそ、改めて参考とすべき内容である。
紙の本だから日本はズレている
2017/08/16 20:02
ぶれずに直視・直言
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3年前に読んだ本であるが、今読み直してみて改めて、流され易い社会の様々な事象を感覚鋭く直視し、ぶれることなく「本質的な価値」を正面から評価する著者だと思う。「良識派知識人」とは正反対の知識人の視点を持っているため、今もって内容が陳腐化していない。「いくつかの幸運が重なり、その恩恵を疑わず」、『人は、今いる場所を疑わなくなった瞬間に誰もが「おじさん」になる。』ことのないようにしたい。
紙の本大増税でもあわてない相続・贈与の話 改正相続税法対応のすべて
2017/08/15 18:57
必携の書
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相続法が改正され、それまで無縁と思っていた相続税の対象範囲が大幅に拡大し、対象者も激増した。本書は、本分野の第一人者である著者が事例毎、おかれた立場や状況毎に、安易な表現で、簡潔明瞭に、時には情を持って説明してくれる必携の書である。