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  3. 佐々木 なおこさんのレビュー一覧

佐々木 なおこさんのレビュー一覧

投稿者:佐々木 なおこ

1,066 件中 46 件~ 60 件を表示

紙の本今日もていねいに。

2009/07/22 18:00

「今日もていねいに。」 この言葉からいろんな想いや行動が生まれそう…

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

なんだか松浦弥太郎さんウィークとなりました。
彼の著書『日々の100』から、この本に飛んできました。
いろんな言葉が沁みこむ、沁みこむ…。キーワードは、そう、この本のタイトル、『今日もていねいに。」です。


「ずいぶん長いこと気づかずにいたのですが、人生にははずれ券というものがないようです。なぜなら、失敗と成功はカードの裏返しになっていて、二つで一つになっているから」

おわりにのところにこう書いてありました。続いて

「今日をていねいに生きるとは、カードをくるりとひっくり返す方法。ばらばらの点だったカードを、一本の線に変える方法。そしてなにより自分で自分を日々更新する方法だと思います。」

とありました。
大いに納得、です。

この本では、自分を整え暮らしの基本作りをすること、
人や社会とのつきあいに、秩序とよろこびを加えること、
生きていく智恵と楽しみを知ること、
いくつもの今日という日をていねいに重ねること、
それらを弥太郎さん流のアドバイスでまとめてあります。

例えば、うららかな笑顔は極上のプレゼント、生きるうえでのお守り、毎日をすてきにする秘密であるということだったり、旅に出る感覚で本を読み、ちょっと気分を変えたり、一人を楽しんだりすることだったり、大切なことをルーティンで流していないかチェックすることだったり…。

いろいろなエピソードが登場し、心温まる想いをいくつも感じました。中でも弥太郎さんが小学二年生だった時のことが印象的でした。体調がすぐれず長く小学校を休んでいたら、学校一こわい男の先生が、自分の大切にしている小鳥をお見舞いだとあずけてくれたのです。「子どもだった僕にとって、メジロのお見舞いは、熱があることすら忘れるくらい心おどることでした。」はるか昔の出来事ながら、嬉しいと思った気持ちはこんなにも人の心に長くとどまり、そして今も嬉しい気持ちにさせてくれるものなのですね。弥太郎さんは言います。「受けた親切をその人に返せない。そんなときは、別の人に返してもいいのです。本当の親切とは、無償のものであり、相手の立場や心に寄り添ったものです。」と。

そうそう、耳の痛いアドバイスもありました。
「増やしたら、減らす。
ごくシンプルなこのやり方が、ていねいに生きる秘訣です。」
そうか~これが秘訣かぁ~。少しづつ、少しづつでもこのアドバイスに寄り添いたいものです。
そうしたら、アラ不思議!
昨日、今日と、掃除のはかどること、はかどること!
これが継続すれば、言うことなし…。当分、目の届くところにこの本を飾っておかなくては、ですね。^^;


『今日もていねいに。』
この言葉から、日々いろんな想いや行動が生まれそうです。


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紙の本夢は書物にあり

2009/07/19 10:25

本好き、特に古本好きにはたまらないエッセイ!

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本好き、特に古本好きにはたまらない、出久根さんの最新エッセイ集だ。本が好きで好きで…そんな気持ちが伝わってきて、なんだかそわそわしてくる。

中学を卒業と同時に上京し、古書店に勤めた出久根さん。
住み込みの店員で朝の八時から夜の十時閉店までの勤務、「夜間の高校に行かせてもらえないか」と店主に相談したところ、「行かせてやりたいが、店番の交代要員がいない」と言われたそうだ。
しかし、そのあとに続く店主の言葉が、なんともいい。
私は思わず書き抜いた。

「学校に通わなくたって、ここで勉強できるよ。うちには、これだけの本がある。ここが学校だよ」「本の数だけ学校があり、教師がいる」
ほんとうにそうだなと、思う。

出久根さんは上の学校へは行かれなかったそうだが、
古本屋を学校と決め、店にある古書を教師に選んだのだそうだ。
「なるほど、たくさんの尊敬できる教師がいる。読めば、教師の人柄に触れられる。自分と性が合う先師を選ぶことができる」
まさに本を読む醍醐味だぁ!と、思うことしきりでした。

なんでも、江戸時代のこと、全国各地にあった私塾に学問を志す若者が入門したときの話、若者たちは塾の先生を慕う、と同時に、先生の所蔵する本が目当てだったのだそうだ。
そして現代に目を移せば、「図書館に行けば、学校があり教師がいる。無料で、自由に閲覧できる。これがいかに幸せなことなのか、実感できない現代人は不幸せかも知れない」
出久根さんの言葉に、おおいにうなづく。
あらためて幸せな読書環境に気付いた次第だ。

松下竜一さんの『豆腐屋の四季』の話が登場したときは嬉しかった。出久根さんもたいそう松下さんのことが好きで、長い間、こつこつと彼の全著作を集めていたのだそうだ。
なにしろ私が唯一読んだ全集といえば、全30巻の松下竜一さんの全集なのだ。
そしてその全集を読んでいる最中に、2004年に松下さんが67歳で亡くなられたので、その思い入れもいっそう強くなった。私は図書館で次々と借りたが、私はこんな全集こそ、多くの人に読んでもらいたいと思ったものだ。

「広島のお結び」の話には、思わず身が乗り出すほどだった。あるとき知人から具が数種入りの大きくて美味しいお結びが広島駅新幹線乗り場近くで売っていると聞かれたそうだ。それで出久根さんは広島駅で降車して探されたそうだが、見当たらなかったとおっしゃる。広島の名物ですか?と知人に訊かれたが、「さあ、どうかな」とのお答えだったとか。

出久根さんが私に同じ質問をされたならば、私は即答します。
「はい、そのおむすびは、広島の名物です」と!
たぶんそれは、むすびのむさしの山賊おむすびです。
昆布と鮭入りで、しっかりと海苔にくるまれた、それはそれは美味しいおにぎり!広島駅の新幹線の改札近くに売店があり、「むさし」のれんがはためいています。新幹線口店もあり、そこではむすびのほかにうどんなども食べられます。今年の春に誕生した広島新球場にも、支店があり、そこでは新球場限定の弁当もあります…。ここのおむすびの話になると、ついついボルテージが上がってしまうのですが、ほんと広島で新幹線を途中下車してでも、食べて欲しいと思うほど、美味しいおむすび、なのです。
きっと同じように思われている広島県民も多いかと思われます。
なんせ広島にしか店がないので、それが魅力でもあり、ちょっと残念でもあり、大ファンとしては複雑なところであります。
あ~むすびのむさしの話が、とんでもなく長くなりました。ごめんなさい。(^^;

エッセイの中ではいろんな本が紹介してありました。
中でも中村武志さんの本はなんでもいいから読んでみたいなと思いました。
出久根さん言われるところの「底抜けの善良さが丸出しの名文」、このオススメ言葉がビビビの響きました。
出久根流、源氏の読み方のところも、興味深く楽しく読みました。

「夢は書物にあり」思わず手に取りたくたるタイトル!
表紙の古本、そして裏表紙のよつばのクローバー、内容にしっくり合ったイラストも、なんとも良かったです。

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心をとらえて離さない写真がいくつも…

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

心をとらえて離さない写真がいくつもあった。

ふたりの女性写真家がフィンランド各地に残る古い木とその歴史を訪ね歩いて、まとめた一冊だ。

そう、この表紙からして、なんともいい。
熊と気持ち良さそうに抱き合っている白いドレスの女性。
これまで感覚的にはあまりぴんとこなかった、私の愛読書・川上弘美さんの『神様』の世界が繰り広げられている…そう気付いて、とても嬉しかった。

木と緑を愛するすべての人へと、冒頭に書いてある。フィンランドとは、こんなにも木と森にあふれたところだったのかと、しみじみ思った。そしてムーミンの生まれた国だものなぁと、大いに納得した。

なんとも心弾む写真は、マヤと呼ばれるフィンランドの子どもたちが作った樹上の隠れ家。この小屋でひと晩じゅう子どもたちだけで過ごすこともあるそうで、そんな子ども時代を送った人は幸せだなぁ~と。

次から次へと紹介される木の様子に圧倒される。
見事というほかない。
大きく枝を広げ、大地にどっしりと根付き、その傍らで人々が心から安心したようにくつろいでいるさま…。

木が語りかけているなと感じる。
人と木が共に生きているなと思う。
木のそばに椅子が置いてあった。
その椅子に座りたいなぁとつくづく思った。

この本はフィンランドで「もっとも美しい本」賞に輝いた本だそうで、NHKのスペシャル番組「世界里山気候・フィンランド・森・妖精との対話」が原点なんだそうだ。

面白いなと思ったのは、フィンランドには「すべての人の権利」という習慣があって、それは森を散歩したり、スキーをしたり、キノコやベリーなどを森の恵みを享受する権利は、土地所有者が誰であっても、すべての人に与えられる権利だというもの。まだ私が子どものころ、近所の田んぼに自由に出入りしてレンゲを摘んだり、おたまじゃくしを捕まえたり…そんな懐かしい出来事を思い出した。今だったら、これはどなた所有の田んぼなのかしら?という思いが先にたって、とてもそんなことできないよな~とも思いながら…。しかし、現在のフィンランドではその「すべての人の権利」を享受できる余地がだんだん少なくなってきているともあり、古きよき時代は共通なのかなぁ~とも。

「トゥリー・ピープル。木の民である私たちの根が、枯れることなく生きのびていってほしい。そうすれば、私たちには希望に満ちた未来が与えられることでしょう。森、丘、川は、たんなる森、丘、川という物質的存在を超えたものなのです。」あとがきの言葉がしみじみ心に残りました。

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永谷園の生姜部レシピ!

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

何が驚いたって、この世に生姜部があるという事実、です!(ちょっと大げさ)
そしてその生姜部があのお茶漬けで有名な永谷園さんのところにあるということ!で、この生姜部はお楽しみクラブとかじゃなくて、れっきとした部署の一つなのです。ここから生姜の商品がいくつも誕生している…。なんでも生姜を育てるところから手がけているという…。
永谷園さん、目の付けどころがナイスですねぇ。

で、その永谷園さんから「生姜を使ったレシピを100品以上作ってもらえませんか?」との依頼を受けて、100品どころじゃなくて、129品もの生姜レシピを考案したのが、この本の著者、行正り香さんなのです。
私にとって行正さんレシピはお気に入りのものがあり、特に彼女のハンバーグのレシピは絶品なのです。だから、行正さんレシピなら、もうこれは美味しいに決まっています!

ズラリ紹介された生姜レシピ129品!
美味しいのはもちろん、身体にもよくて、いうことなし!です。
薄切りアスパラガスのしょうがじょうゆいため、
焼きなすのたっぷりしょうがソース、
いわしのパン粉揚げ しょうが風味、
五目ひじきのしょうが風味、
しょうがと油揚げの炊き込みご飯…。
ほんと食べていると身体がほっかほっかになるのが実感できるレシピばかり、生姜の美味しさも再発見できますよ。

さらに嬉しいのは、ほぼすべてのレシピは永谷園生姜部ウエブサイトでムービーで見ることができるのです。文字だけではぴんとこなくても、ムービーを見れば、作る意欲がさらに沸いてくるというもの、です。

この一冊のおかげで、わがやの生姜消費量は確実に増えました。生姜レシピで、今年は夏バテしらず…かな!?


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紙の本岸本葉子の根菜ごはんのすすめ

2009/06/01 11:01

おいしく、しかも身体によい 根菜ごはんレシピあれこれ

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

引き続き、岸本葉子さんのあれこれ読んでいる最中、です。
今回はレシピ本。「すっかり根菜ごはんにはまっています」と語る岸本さんが手がけた一冊です。彼女の食生活の流れは、このあいだ読んだ本でしっかり頭に入っています。そしてこのレシピ本の誕生秘話も読んだばかり、この本が作られる過程が思い出され、一ページ一ページがなんだかありがたく感じます。^^;

じゃがいも、さつまいも、里いも、長いも、にんじん、ごぼう、れんこん、大根…。
これらの根菜がさまざまな調理法で次から次へと登場します。
なんだか手間がかかりそうと言う思いは「火にかけなくていいもの、まな板すら使わないものも、あります」こんな力強い言葉にすっ飛んでいきます。
注目したいのは根菜ごはんの大きな魅力ともいえる作り置き!根菜ごはんをまとめて作って、それをいろんな料理に展開していく…そんな技も、分かりやすく紹介しています。
例えば、じゃがいも、にんじん、玉ねぎのすましスープは
豆乳を加えてクリームスープ風に、
さらにあさりを加えてクラムチャウダー風に…。その見事な展開ぶりに惚れ惚れです。

根菜ごはんを効率よく作るために、スライサー、ピーラー、圧力鍋、魚焼きロースターなどの調理器具を紹介したページもありました。
私が目からウロコだったのは、魚焼きロースターを使っての調理。れんこん、長いも、アスパラなどがこんがり焼けて、なんとも美味しそうなこと!あじつけも岩塩とオリーブオイルを焼きあがりにつけるのみ。実際に作ってみましたが、焼き上がりの美味しさは格別、でした。
ほかにもいろいろ根菜さっぱり炒め、さつまいもの炊込みごはん(表紙の写真ですね)など、今夜にでもすぐ作りたくなるようなレシピが満載でした。

病後の養生のため通い始めた漢方で、日々の食事は「薬以上の薬」と実感された岸本さん。根菜ごはんを作り食べる日々を通して「今では養生法という位置づけを超え私にとって心からおいしいと思えるごはんです」と言われています。
おいしく、しかも身体にもよい!
根菜ごはん、大いに頼りになってくれそうです。

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昭和の美味しさ、ここにあり! 『暮しの手帖』よりえりすぐった

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

先日の夕方のこと、少々小腹が空いた。
いや少々ではないな、猛烈にお腹が空いてきた。
しかし時計を見ると、あと30分程度で娘が中学校から帰ってくる。
いつも娘とのおやつタイムを楽しみにしているワタクシなので、ここでなにか食べては一緒におやつが食べられないではないか!と思う。
だのにこの空腹感は許してくれなさそうだ。
なにか口にしないと、バターンと倒れるぞ~とまで要求してくる。
そのとき、ふと目に飛び込んできたのが、キッチンカウンターにあった黄色いバナナだった。
………。
もう、これは焼くしかない。
そう、バナナを焼くのだ。

つい最近仕入れたばかりの自然派おやつレシピ!
岸本葉子さん著『おとなのごはん日記』で紹介されていた焼きバナナ。
植物性油をフライパンにさっと引いて、三枚に立て切りにしたバナナをさっと焼く。あいにくメープルシロップはなかったので、焼いたままをそのまま食べたが、その甘いこと、美味しいこと!
瞬く間にペロリ。そして30分後には、しっかり娘ともおやつタイムを楽しんだのでした。^^;

バナナつながりで選んだこの一冊。
雑誌『暮しの手帖』の創刊号時代から、昭和の時代の食にまつわるエッセイをえりすぐって集めたものです。選者は壇ふみさん。目次を見ると、井伏鱒二さん、幸田文さん、坂口安吾さん、石井好子さん、佐藤春夫さん、草野心平さん…などなどの顔ぶれが並び、さすが『暮しの手帖』とうなります。

表題の「バナナは皮を食う』は牧野富太郎さんのエッセイ。牧野富太郎さんといえば、あの植物図鑑のおじさんではありませんか。「バナナはバナナバショウ一名実バショウ、即ち学名で言えば…」バナナも彼にとっては研究対象の植物の一種なのだなぁ~と思うことしきり、でした。

食ア・ラ・カルト、
おむすびの思い出、
わたしの大好きな味、
自炊や工夫は身を助ける、
海外での甘い味辛い味、
味覚のこだわり、
つけものばなし、
ジャンルわけも『暮しの手帖』らしいなぁと思い、嬉しくなります。

一つひとつ大切に読みながら、昭和の食べものエッセイの醍醐味をぞんぶんに楽しみました。そうして「著者のほとんどは、すでに亡き人になっている」とあった壇ふみさんの言葉を思い出して、当たり前のことながら、文章は残るのだなぁ~と思い知りました。

昭和の美味しさ、ここにあり!
あちこちのページから懐かしい匂いが立ち上がってきそうでした。

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紙の本新解さんの謎

2009/01/26 16:40

読みながら笑い泣き… 新明解国語辞典は凄い辞書だ! 赤瀬川さんは凄いお人だ!

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

10年前に出された文庫である。
当時の大ブレイクをご存知の方にとっては、なにをいまさら…を思われる方もおありだろう。
10年前の私といえば、やんちゃざかりの二歳児を抱えて…。なので、私にとって新解さんブームは、まさに満を持して到来したのだ!と言うか、なんと言うか、まぁ早い話、ここのところ新解さんに夢中なのである。

いや~ほんとうに、面白いのなんの!
読みながら笑い、そしてあまりの面白さに涙が出ました。
それから自分の笑い声にまた笑える。
この本を教えてくれた友達の忠告どおり、公衆の面前で読まなくて良かったた。
昼間一人のリビングルームで、私の笑い声がこだましつづけました。

新解さんとは、三省堂から出ている「新明解国語辞典」のことで、この国語辞典にまつわるお話なのです。

「ぼくはまだ新解さんという人物に会ったことはないのだけれど」と
あとがきで赤瀬川さんは語り始めます。

「世の中には新解さんわかる人と、新解さんが分からない人に分かれるんじゃないかと、(略)
新解さんのわかる人というより、新解さんの見える人か。新解さんを感じる人。新解さんのその気配と応対のできる人。新解さんが見えるからといって世の中的には何もトクすることはないのだけれど…」

私は、遅ればせながら、赤瀬川さんに「ここにも一人、新解さんがわかる45歳がおります」と宣言したいくらい、この本に首っ丈で、そのことが本当に嬉しいのです。
それぐらい、面白い本、そして面白い国語辞書なのです。

「私は変な気がした。
読書のような気持ちになった。辞書なのに。」
赤瀬川さんの心の動き、そうです、これ!
辞書へのこれまでの思いをくつがえすほどの、それはそれは凄い例文の雨嵐なのです。

「ぼくもね、最初はヘンな辞書、ちょっとおかしな辞書、と思っていたけど、読んでいくうちに変わったね」
「凄い。攻めの辞書!」
「いや、凄いことだよこれは。あえて”明解としている意味がわかるね」
私自身、これまでの国語辞典への思いが覆されるというか、それはそれは凄い用例にぐいぐいと引き込まれました。

例えば、用例に固有名詞があれこれ登場なのです。

ぞっこん→「私は、雪子の美貌と気性に--引きつけられていたが」
たら→「田中さん--案外親切なのね」
むっと→「『何も、そんな意味で訊いているじゃない』久保木は、いささか--した」

雪子さん、田中さん、久保木さん、あなた方は一体誰なのでしょう?
むろん新解さんのお友達であることは疑いのない事実でしょうが…。

こんなのもありました。

ぼさっと→「駅から花屋に出る四つ角には交番があるのだが、管内の出来事には鈍感な警官が--立っているだけであった」

ぼさっとから浮かび上がるある風景、物語…。
ただただ感嘆、です。

赤瀬川さんはこの本の中で「新明解国語辞典」の映画化、はたまたテーマパーク計画をも打ち出していらっしゃる。

凄いなぁ~、どちらも見てみたいなぁ~。
そうだこの国語辞書も凄いけど、でも赤瀬川さんのほうがもっとスケールが大きいというか、凄いのだなぁ~と思うことしきり。
いやはや凄い人と出会ってしまいました。

ただ残念なのは、私が手元に持っている「新明解国語辞典は」第六版だということ。
凄い用例が続出するのは第四版なので、ぼちぼちと探してみようと思っているところです。むろん赤瀬川さんの本も追っていきます。こちらも楽しみで楽しみでクラクラきそうです。

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紙の本スタイル・ノート

2007/01/11 16:16

背筋がすっと伸びる本

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

槙村さとるさん、「おいしい関係」」や「イマジン」などの代表作を持つ漫画家です。
私は漫画家としての彼女は知らないのですが、
ひょんなことからこの本を手にしました。
50歳を迎えるという槙村さんが
これまでの経験をふまえて、彼女の選んだ生活スタイルを紹介しています。
それは彼女の言うところの「余計なモノは何一つなく、
大好きなモノに囲まれて、
カラダの声に耳を澄ませながら、
柔らかく、温かく、ヌクヌクと生活する」ということ。
例えば、おしゃれルールだったら、
こだわりのポイントをつくったり、「普段」を少しグレードアップする。
買い物ルールには、
迷ったら買わない、流行を把握する、定番を持つ、などなどがあります。
いいな!と思ったアイデアは洋服を色別に吊るということ。
そして洋服の定量を超えたら処分すること。
槙村さんはここ三年間くらい、この方法で着ない服をどんどん処分してきたそうです。
これなら、私にもできるかも?
槙村さんのクローゼットを詳しく図解したものがあり、
(さすが漫画家!)
これを見て惚れ惚れしました。
私もこんな風にしたい!するぞ!と。
そして一番ビシバシ響いたのが、カラダルールのこの部分。
「買い物上手になりたい、おしゃれになりたい、ステキになりたい…
そんなことを思いながらいろいろ試行錯誤を繰り返すなかで、
大切なのはカラダだってことに気がつきました。
綺麗なカラダにシンプルな装い。
カラダがガチガチだと、
他人を思いやることさえできないんですから」。
続いて、生き方ルールの
「何のための健康か、何のためのお金か、考えるようにしています。
自分にとって大切なものを決めてみると、生きることが楽になるかも」のところで、大いに納得、共感。
本の最後あたりで、年代別女性の生き方スタイルがイラストをまじえて紹介してあります。
注目は70代はALL解禁!
70代の母がまさにその通りをこの正月に語っておりました。
いやはや、どのページも納得、共感することしきり。
読後に、背筋がすっと伸びました。
表紙の颯爽とした女性のイラストがとてもいいなぁ〜と思い、
槙村さんの漫画もよんでみたくなりました。

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紙の本覚えていない

2006/09/29 15:22

50代の佐野洋子さんが記した実に力強いエッセイ

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「五十代は若いのである。
青いと言ってもいい。
こんな事を書き散らしていたのかと思うと
恥ずかしくて死にたくなった。同じ自分かと思う。」
あとがきで、現在68歳の佐野洋子さんが振り返る。
このエッセイには50代の佐野さんが実に壮絶に息づいている。
大胆な行動や辛辣な意見に度肝を抜かれ、
時にはゲラゲラ大笑いし、佐野さんってすごいわぁ!と思い続けて読んでいた私は
あとがきを読んで、少しビックリした。
佐野さんって、自分のこれまでしてきたことを、10年後には同じ自分か…と振り返ってる。
でも、続けてこう書いてあって納得した。
「書かれた文章が恥ずかしいのではない。
私は恥ずかしく生きて来たのだ。
そしてみんな忘れているのだ」
実に潔いお人だ、素晴らしい、私は深く深くそう思った。
男と女の関係、
母になるということ、
息子に対する日本の母親の現状、
はたまた家庭について、
佐野洋子節が心地よく響く。
例えば、
「どの道バカな男だったら、美青年だけを相手にせよ」とか、
「家庭というものはそれぞれ中を見てみればほとんど化け物で〜」とか、
「今だって日本人の男は十二歳の子どもである。
ほとんど全てを、女にしりぬぐいをさせている。
その上威張っている」とか…。
かと思えば、「ビシバシ息子をきたえた方がいいのだ」と言った直後に、
「私?もう息子がかわいくてかわいくて、いくつだって?
二十歳過ぎの178センチの大男よ」とおっしゃる。
そして、お恥ずかしいがと前置きして、自らワイドショーおばさん
であることを打ち明け、みのもんたさんをもはや他人とは思えないともおっしゃる。
しかし、「みっともない事はみっともないのだし、
立派って言えば立派なのだ。
滑稽も立派もひっくるめての人生だ」と声高らかに宣言する。
すんなりと納得させるだけの大いなる説得力が、彼女の文章にはある。
実に力強い文章なのだ。
椎名誠さんを絶賛する佐野さんの文章を読んで、
負けた…と思った。
詩人の伊藤比呂美さんを正統に評価する佐野さんの文章を読んで、伊藤さんの詩をよんでみたくなった。
内田百閒の小説に心底ほれ込み、ぞくぞくと嬉しかったのであると書かれてあるのを見て、私もぞくぞくしてきた。
私は佐野さんのことをもはや他人とは思えないようになってしまった。
読後、本のタイトルの「覚えていない」が実にしみじみ心に沁みわたった。

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紙の本犬が星見た ロシア旅行

2006/02/26 08:06

のめりこむロシア旅行記

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「つれて行ってやるんだからな。
日記をつけるのだぞ」
夫のロシア旅行に同行した妻は、こう言われた。
そして妻は、旅行中に走り書きをしたため、
それを元にこの本を仕上げた。
この妻とは、『富士日記』でも読む人をうならせ、魅了した武田百合子さんだ。
武田夫妻、そして友人の竹内さんが
「六九年白夜祭とシルクロードの旅」というツアーに参加する。
旅行会社の人も含めて10人のツアーで、
横浜港からハバロフスク号に乗った。
旅行のために家を出発するところから、
実にこと細かく記されている。
何時に起きた、誰が見送りに来た、どんな船だった…。
その日に食べたものも実に細かく箇条書きに記されている。
淡々と事実のみが記されているにも係わらず、
私はこの本を読みながら何度も爆笑した。
そして読み終わるのがなんとも惜しくて、
少しづつ読んだ。
例えば、こんな具合である。
「二人の少女はうなずき、二つある便所の片方を指して、
先へ入れとゆずってくれる。
しかし、この扉が、やっぱりまたかたくて、いくらひっぱっても開かないのだ。
二人の少女と三人がかりでひっぱると、扉は勢いよく開いて、
三人は重なり合って壁にぶちあたった。
用を足して出ようとすると、やっぱりまた開かないのだ。
ドンドン叩いたら急に開いた。
勢いよくとびでた私は、待ちうけていてひっぱってくれた
二人の少女もろとも、また壁にぶちあたった。
手を洗う私を、二人の少女は左右にきて、よくよく観察している。
私もよくよく観察させてあげる。
美人だなあ、と思っているのかもしれない。
そうだと、いい気持ちだ」。
ほんのすこし気難しい夫、頼りになる友人の竹内さん、
関西から参加している老人、ガイドの山口さんなどなど…。
旅行先で出会った人はもちろん、ツアーの面々への観察眼には圧倒される。
四六時中、一緒にいるのだ。いろんな面が見えてくる。
それが百合子さんの筆にかかると、実にいきいきと
そして魅力的に描き出される。
百合子さんは旅行中で起こる出来事に対して、
なんでもおもしろがって、ひとりで嬉しがったりする。
そんなところが、少し私に似ているかなぁと思い、
余計にこの旅行記にのめりこんだ。
当時のロシアの様子も興味深く読んだ。
読み終えた時は、私もすっかりこの旅行に同行した気分になっていたので、
少し淋しい気持ちになった。
そして、こんな旅行記が書けるといいなと思った。

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紙の本お味噌知る。

2022/09/19 19:02

偉大な味噌汁の存在を、改めて知る。

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

偉大なる味噌汁の存在を
改めて知る。

目次をぱらっとみて、目につくのは
〜自立の味噌汁〜という言葉。

善晴さんは言います。
「料理って自立やろ」
それに答える娘の光さん。
「自分自身で自分のお世話をする。その時の自分の体調を汲み取ってお料理できるって結構凄いことかも。」

打てば響く!父娘の会話がなんともいい。

善晴さんは続けます。
「それを助ける自立の味噌汁は、一品で完結できるもの。」

自立の味噌汁のほかには、
家族の味噌汁、
組み合わせる味噌汁、
季節の味噌汁、
味噌料理、スペシャルな味噌汁が
紹介されています。

「自分で作って食べることが、
すべての始まり」です。

すべてのレシピ紹介のあとに、土井善晴さんはこう言います。
なんと力強いエール。

一人暮らしであろうと、
家族と共に暮らそうと、
そうして季節も春夏秋冬、
どんな状況でも、
いつでも、今からすぐに行動が起こせる。

要は、味噌汁を作ろうということです。

ふむふむ、いろんな味噌汁をどんどん作りたくなってきます。

ちなみに私が初めに作ったのは、揚げ卵の味噌汁(80ページ)でした。
この発想に、びっくり!
こんな味噌汁、初めて食べました。

味噌汁、つくづく深いです。

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お腹も心も満足する~ていねいに心をこめて作る一皿レシピ

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

NHK第1ラジオで毎週木曜日の夜に放送中の「かれんスタイル」。桐島かれんさん、パートナーの松浦弥太郎さんのお二人のトークがいつも楽しみです。毎回のゲストも素敵な人ばかり、それに毎回のテーマも実にいいのです。

「ていねい」がテーマだったその回、かれんさんが「ていねいが服を着ているような感じの松浦弥太郎さん」(そんなニュアンス)と言われているのを聞いて、そうそうそうとラジオを聴きながら大いに共感したのでした。で、かれんさんが「料理はていねいに作ると、味がぐんと違ったりして奥が深い」みたいなことを言われていて、またもや大きくうなずきました。

「ごはんですよ」は、なかしましほさんが、繰り返し作っている定番レシピばかりを集めた一冊!表紙の一皿は、しょうがたっぷりキーマカレー。大胆な絵柄のお皿と、キーマーカレーにのせられたゆで卵の存在感がじつにマッチした素敵な一皿ですね。まずは美しい、それから美味しそう!って思います。

『それぞれが忙しく毎日を過ごしている時こそ、自分で作った「ひとつのごはん」を食べてみてほしいなと思います。そして、お腹だけでなく心も満足してもらえたら、とてもうれしいです。』と、なかしましほさん!

彼女が言う「ひとつごはん」とは、いろんなおかずが盛りつけられたワンプレートではなくて、正真正銘の一種類だけのごはん。お米、麺、パン&粉もの、スープ…などなど、ジャンル分けされていろんな「ひとつごはん」メニューが紹介されています。

気になったところでは、麩じゃが(車麩を使ったボリュームたっぷりの一品)、にんじんピラフのドリア(く~美味しそう!焼き色に惚れました)、卵とじうどん(しほさん曰く、これは日本が誇るクリームシチューかも!)、そばペペ(なんとそばで作ったペペロンチーノ)。

そうして中学生ムスメのリクエストがあったのは、フレンチトースト、です。卵液を一時間以上置くとあったので、ムスメが帰宅する時間を逆算して、食パンを卵液に漬けてスタンバイしました。バターで焼いた甘さたっぷりのフレンチトースト、美味しかったなぁ~。次に作りたいのは、大根餅です。急いで旬の大根を買って来なくっちゃ。(●^o^●)

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まどをあけるように、ほんをひらこう!

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この表紙を見たら、中はどうなっているのだろうと本を開かずにはいられません。
私は、この色調の美しさに心を奪われてしまいました。

「あさになったので まどをあけますよ」
山のふもとに住む少年が、
町の真ん中に住む少女が、
川のほとりに住む兄弟たちが、
いつも窓から見える風景を、見せてくれます。
雄大な山、美しい町、どこまでも続く川の様子…、その風景たちは美しく、力強く、そうして「ここがすき」って思える安心感を与えてくれます。

いいなぁ、こんな風景を見ながら暮らすのって。
いつまでもこの絵本の中の世界に浸りたいと思ってしまいました。(●^o^●)

ふと、ひらめきました。
まどをあけるのと、ほんをひらくのは、似ているなぁと。
そして、こんなフレーズを思いつきました。
まどをあけるように、ほんをひらこう!


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紙の本逃避めし

2012/01/19 14:01

思わず頬がゆるむ納豆レシピ、あれこれ!

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ほぼ毎日、夕食には納豆を食べている私。
納豆に添えられたタレとからしを混ぜて、ご飯にかけて、ぐるぐるかき回す。そうして、ちょうどいい具合に混ぜ合わせたところを、ほおばる最初の一口。毎度のことながら「く~しあわせ~」と思います。

先日のこと、なにげに納豆に福神漬を混ぜて食べてみたところ、その美味しさにおののきました。「おおっ」(ここ赤字にしたいくらい) …とまぁ、納豆の話をしているだけで、思わず頬がゆるんでしまう私なのですが、この「逃避めし」を読みながらも、頬がゆるみっぱなしでした。

漫画家の吉田戦車さんは締め切りが迫る非常時になると、なぜか創作料理を作ってしまうのだそう。そんな創作料理レシピを美味しそうな写真と面白い話&イラストで紹介した一冊!その料理たちは非常時に創作されるゆえ「逃避めし」と呼ばれ、その1の「奥州 しょうゆ豚弁当」から、その79の「魚醤そば」まで、実にバラエティ豊かラインナップを誇ります。逃避めしであるからにして、料理手順はいたって簡単、材料もどこのおうちでも常備しているようなものが多く、それが魅力なんですね~。で、この逃避めしには、材料としての納豆が頻繁に出てくるのです。だから頬がゆるみっぱなし!嬉しいじゃありませんか。

その11の「トマト納豆」は納豆にトマトを混ぜ、味付けは生醤油と辛子だけ。おお!福神漬け納豆が美味しのだから、これも美味しいに決まっている!

その14の「夕やけ番長」の納豆ご飯は、納豆めしに味噌汁をぶっかけたもの。おお!これもすぐに出来る…。

その61の「味噌納豆 伏兵添え」、これはネギに味噌をとき、納豆、削り鰹を入れてかき混ぜる。これをご飯にかけて食べるのだが、茶碗の底に醤油をちょろりとたらすのがポイント!考え出した吉田戦車さんは、私から表彰状ものですよ~。ちょっとここの部分を引いてみますね。

味噌納豆をぶっかけて順調に食べ進み、うまいことはうまいがなんとなく脳が納得しない感じのそのとき!
最後に口に入ってくる、醤油がしみこんだごはんの喜び。
「おおっ!」と、思わず頬がゆるむ。安上がりなサプライズ。
思いついた自分の軍略を絶賛したい、すばらしい伏兵であった。

この一冊、『ほぼ日刊イトイ新聞』連載を加筆修正し、再編集して書籍化したのだそうです。連載時にはちっとも知りませんでしたが、まさに本になるべくしてなった連載ですね。吉田戦車さん、おいしい納豆レシピをありがとうございました(^-^)(^-^)


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感動の嵐… 次は『マネジメント エッセンシャル版』を

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2010年の年間ベストセラー総合一位に「もしドラ」が選ばれましたね。ちょうど同じころ、私はこの本をようやく読むことができました。もっぱら本は買わずに図書館で借りて読んでいるので、ベストセラーがリアルタイムに読めないのがいつもの状況。なんせ今、この本を図書館で借りるとなると、地元図書館の場合には222人待ちなのです。今回はムスメのお友だちが持っているのを小耳にはさみ、それじゃあ借りてきて!とお願いをしたのです。しかもそのお友達というのが、ムスメが所属している中学校のバスケットボール部のマネージャー! できすぎのようですが、ホントの話です。(^-^)

タイトルそのまま!、高校野球の女子マネージャーのみなみちゃんが、ドラッカーの経営書『マネジメント』に出合い、野球部を強くするために、『マネジメント』を読み読み、甲子園への道をばく進するお話、です。いやぁ~、たった今、読んだばかりなのですが、ベストセラー総合一位になるのが、分かりますよ。途中何箇所か、ウルッ、ウルッときて、最後らあたりでは、涙なくしては読めませんでした。軽い気持ちでさくさくと読み始めたのに、最後にガツンと感動の嵐でした。

監督を始め、野球部員たち、女子マネージャーの仲間、そうしてみなみちゃんの幼なじみの夕紀ちゃん、登場人物の一人ひとりが、甲子園への道を信じ、応援し、目指します。最初は気持ちも行動もばらばらだったのに、見事に力を合わせて一つになっていく姿が、すばらしい感動の嵐をひきおこします。なんというか人間の可能性って限りないんだ~という想い、そして生きることの尊さをひしひしと感じました。その可能性を引き出すヒントがドラッカーの経営書『マネジメント』で、要所要所の書き抜きが、心に響きます。

「成長には準備が必要である。いつ機会が訪れるかは予測できない。準備しておかなければならない。準備ができていなければ、機会は去り、他所へ行く。」

「人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。」

「真摯さを絶対視して、初めてまともな組織と言える」

私もドラッカーの『マネジメント エッセンシャル版』を続けて読みたいと思わずにはいられませんでした。

あとがきを読んで、この小説に登場する何人かがAKB48というアイドルグループのメンバーがモデルになっているということを知りました。年末の紅白歌合戦を見るとき、「もしドラ」のことがふいによぎりそうですねぇ。年の終りに感動本を読みたいと思われる方、強力にオススメの一冊、でした。(^-^)

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