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泣き童子 三島屋変調百物語参之続 みんなのレビュー

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みんなのレビュー111件

みんなの評価4.4

評価内訳

111 件中 1 件~ 15 件を表示

電子書籍

語る人。 聞く人。 それを見守る人々。 悩みのない人はいない。 苦労のない人生などない。 どんなに運命に翻弄されようとも。 人は幸せになるために生まれてきた。

2022/09/02 08:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る

今日も三島屋に客が訪れてくる。
だが、買い物のためではない。

黒白の間を訪ねてくる。
だが、主人の囲碁の仲間ではない。

言うに言われぬ話を抱えてやってくる。

語る相手は、主人の姪っ子おちか。

語って語り捨て。
聞いて聞き捨て。

それだけが約定である。

「怪異を語るということは、人の世の闇を語ることだ。怪異を聞くということは、語りを通してこの世の闇に触れることだ。闇のなかには何が潜んでいるかわからない。そのわからなさまでをもまとめて聞き取って、胸に収めてゆく覚悟がなければ、この聞き手は務まらない」(第一話 魂取の池 P15)

「人は、故郷から離れがたいものなのだ。ふるさとは、血の流れのなかに眠っている」(第二話 くりから御殿 P94)

「男の目が焦点を失い、動きを止め、とろんと呆けた。まるで一瞬だけ死人になったかのように。
 初めて、おちかの背中にひと筋、糸のように細いけれど冷たいものが、すっと走ってすぐに消えた」(第三話 泣き童子 P120)

「怪異を語り、怪異を聴くと、日頃の暮らしのなかでは動かない、心の深いところが音もなく動く。何かがさざめき立つ。それによって重たい想いを背負うこともあるが、一方で、ふと浄められたような、目が覚めたような心地になることもあるのだ」(第四話 小雪舞う日の怪談語り P177)

「語りたい。だが語ってはいけない秘事だ。ただ世間の評判だけを頼りに、赤の他人に打ち明けていいものか。いや、赤の他人だからこそいいではないか。赤城信右衛門の心のゆれる様が、おちかには目に見えるようだった」(第五話 まぐる笛 P319)

「おちかは、その<商人>と名乗る男を知っている。その男が春一に述べた口上も聞いたことがある」
「--私は商人です。
 ふたつの場所をつなぐ道筋で、お客を相手にしているんです」(第六話 節気顔 P421)


今日も対話が続いていく。

魂に火をともす対話が続いていく。

語る人。
聞く人。
それを見守る人々。

悩みのない人はいない。
苦労のない人生などない。

どんなに運命に翻弄されようとも。
人は幸せになるために生まれてきた。

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電子書籍

人の心の機微をとらえたメッセージ性のある怪談

2022/02/14 08:44

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:しん - この投稿者のレビュー一覧を見る

前2作と比較すると、比較的短い短編が多く、全6編が楽しめる。相変わらず、怖い話がある一方で、諭すような話、やさしい話も入っていて、緩急があって読んでいて心地よい。

1編目「魂取の池」は、これから嫁入りしようという娘さんに母親が語った、悋気を戒めるお話し。でも、悋気で大事な人などを失ってきたおばあさんも、結局は幸せになっているので、心の持ちようが大事、という、含蓄のあるお話しだった。

「くりから御殿」は、土砂崩れで一人生き残ってしまった後悔、死んでしまった家族や友達へのうしろめたさを抱えて生きる語り手を描いている。災害を経験することが多い日本なだけに、こういう気持ちがわかる人は多いのではないだろうか。

「泣き童子」は、悪い心を持った人を感じて泣いてしまう子供の話。悪いことをしたとき、普通の人間はびくびくしたり気に病んだりするものだが、それを他人から指摘され責められ続けるのは神経がおかしくなるくらいつらいことだろう。

「小雪舞う日の怪談語り」は、黒白の間が舞台ではなく、おちかが札差の井筒屋が開く怪談語りの会に参加するというもの。語られる話はなかなか怖いものであったが、それだけでなく、おちかの華やかさに嫉妬心を燃やしてお勝の悪口を言う母娘への皆の仕打ちのキレに関心し、青野先生との外出に心をときめかせるちかの心の回復に温かい気持ちになる作品だった。

「まぐる笛」は怖くてグロテスクなお話し。語り手の方言で少し和む部分がそれを和らげているところはさすが宮部みゆきの作品。

「節気顔」は家を飛び出した語り手のおじさんが、不思議な契約によって時々死者に顔を貸すお話。このおじさんがとてもやさしい人で、死者と別れて心に傷を負った残された家族や親しい人を探し当て、会って話を聞くことでその死者の死を受け止める手助けをしてあげる。顔が変わるなんて君が悪いけれど、死を受け入れるのは難しい場合もあるから、おじさんはいいことをしたのだろうな。

今回も人の感情というものの機微をとらえ、怪談の形を借りてメッセージを伝えてくれたすばらしい作品でした。

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紙の本

語る人。聞く人。 それを見守る人々。 悩みのない人はいない。 苦労のない人生もない。 どんなに運命に翻弄されようとも。 人は幸せになるために生まれてきた。

2021/11/06 08:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る

今日も三島屋に客が訪れてくる。
だが、買い物のためではない。

黒白の間を訪ねてくる。。
だが、主人の囲碁の仲間ではない。

言うに言われぬ話を抱えてやってくる。

語る相手は、主人の姪っ子おちか。

語って語り捨て。
聞いて聞き捨て。

それだけが約定である。

「怪異を語るということは、人の世の闇を語ることだ。怪異を聞くということは、語りを通してこの世の闇に触れることだ。闇のなかには何が潜んでいるかわからない。そのわからなさまでをもまとめて聞き取って、胸に収めてゆく覚悟がなければ、この聞き手は務まらない」(第一話 魂取の池 P15)

「人は、故郷から離れがたいものなのだ。ふるさとは、血の流れのなかに眠っている」(第二話 くりから御殿 P94)

「男の目が焦点を失い、動きを止め、とろんと呆けた。まるで一瞬だけ死人になったかのように。
 初めて、おちかの背中にひと筋、糸のように細いけれど冷たいものが、すっと走ってすぐに消えた」(第三話 泣き童子 P120)

「怪異を語り、怪異を聴くと、日頃の暮らしのなかでは動かない、心の深いところが音もなく動く。何かがさざめき立つ。それによって重たい想いを背負うこともあるが、一方で、ふと浄められたような、目が覚めたような心地になることもあるのだ」(第四話 小雪舞う日の怪談語り P177)

「語りたい。だが語ってはいけない秘事だ。ただ世間の評判だけを頼りに、赤の他人に打ち明けていいものか。いや、赤の他人だからこそいいではないか。赤城信右衛門の心のゆれる様が、おちかには目に見えるようだった」(第五話 まぐる笛 P319)

「おちかは、その<商人>と名乗る男を知っている。その男が春一に述べた口上も聞いたことがある」
「--私は商人です。
 ふたつの場所をつなぐ道筋で、お客を相手にしているんです」(第六話 節気顔 P421)


今日も対話が続いていく。

魂に火をともす対話が続いていく。

語る人。
聞く人。
それを見守る人々。

悩みのない人はいない。
苦労のない人生などない。

どんなに運命に翻弄されようとも。
人は幸せになるために生まれてきた。

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紙の本

盛りだくさん

2021/08/30 23:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:やさし - この投稿者のレビュー一覧を見る

切ない話、泣ける話、こっわ、って話など、今回はおちかの百物語の話だけでなく語り会での話もあるのでいろんな方向性の話があって、でもそれぞれいいです。青野先生と会って、でもうまく会えなかったなあと考える、かわいいふるまいできなかったなあというおちかがかわいい。

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電子書籍

心の煤払い

2021/01/31 13:09

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投稿者:うみしま - この投稿者のレビュー一覧を見る

変調百物語として書かれている三島屋シリーズ第3巻の解説に、この作品が書かれたのが東日本大震災後であるとありました。あの頃は、日々の不安と共に、体験した者にとっては、「死」を改めて考えさせられる日々だったと思います。亡くなった方への想い、生き残った自らの苦しみ。そんな中で、このような作品を書くことができた宮部さんの胆力は、作中の18歳になったおちか同様日々強くなっているように感じ入りました。作家とは強い心の持ち主だと。
第3巻は凄惨な事件や災害から微笑ましい嫉妬まで、幅広く描かれています。これまでの2巻での体験が主人公おちかを成長させているように、読者もまた少しずつ成長しているのかもしれません。
おちかが初めて本来の意味の百物語会へ参加することで、自らの百物語の意味を見つめなおすきっかけとなり、一面的に「悪」と決めつけていたものが、別の側面では「発心」「よきこと」と位置付けられるということが、読者にも納得できる筋立てです。おちかが参加した百物語会の座元が、「怪談語りは1年一度の心の煤払い」と定めて、語ることで自らを見つめなおし、誰の心にも巣くう闇を闇として見つめながら、語ることで昇華して、客観的に見つめなおす、考え直すきっかけとなることを提示してくれていると思いました。

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紙の本

江戸時代の暮らしがそこここに丁寧に描かれているからこその面白さ。

2021/01/20 14:03

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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る

「三島屋」の奥座敷で始まった、聞いて捨てる「代わり百物語」のシリーズの第三作目。語られる話が相変わらず面白く、作家・宮部みゆきの物語の引き出しの深さはいかほどなんだろうと。それとともに、このシリーズに惹かれるのは、江戸時代の商家の暮らしぶりの記述。神無月の亥の日の炬燵開き、霜月の初子日に商家で行われるねずみ祭り、最終話はタイトルそのものが「節気顔」で、江戸の暦二十四節気をモチーフに使った不思議噺。語りに来る客人の着物の文様や着こなしなども興味津々です。

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紙の本

泣き童子

2020/10/24 13:50

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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

今回はおちかが井筒屋の百物語を聞いたり、山の神の怪物や次元のはざまにいる商人など、宮部みゆきワールド全開だった気がします。一章、一章話はべつですが、以前に読んだ話との繋がりがあり長編を読んでいる気分にさせてくれるところが面白いです。

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紙の本

人の温かさも、怖さも

2019/07/05 10:48

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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る

『泣き童子』は、宮部みゆきの江戸時代物。
百物語を聞く三島屋のおちかのシリーズの三作目。
重苦しく凄惨な話が多かった前2作に比べて、ほっとできる度合いがふえました。
お勝という、おちかの理解者が新しく登場したせいかもしれません。
読み終えた、後味がとてもよかった。
とはいえ、そこは宮部みゆき、人間の暗部にずばっと切り込みます。
人の温かさを描きながら、怖さも描きこむ。
さすがです。
現代物ですが、少し前に読んだ『ペテロの葬列』も、そうでした。
この作品は、ラストが切なくて、ちょっとそれはないでしょう!? と思いました。

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紙の本

ただ怖ろしく恐いだけではありません

2018/09/06 19:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Buchi - この投稿者のレビュー一覧を見る

ただ怖ろしく恐いだけではありません。 さすがの宮部みゆきさんです。
"小雪舞う日の怪談語り"ではホロリとさせられ、"まぐる笛"では お国訛りで語られて怪獣話が趣のある話になっていました。 "節季顔"では彼岸と此岸を行き来する商人が、単なる死の商人ではなく 人々の未練をつないで思いを成就していく良き商人と描かれています。

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紙の本

やっと読めた

2016/10/04 22:57

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投稿者:きこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

続きが読みたい。でも、雑誌で読むのはどうなのかなと思ってしまう。でも、文庫になるまで待てない気もする。

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紙の本

怖い話もあるが、心に響く不思議な話も

2022/05/26 04:06

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投稿者:.ばっは - この投稿者のレビュー一覧を見る

単巻でも読めるような工夫が心憎い。
他所で開かれている百物語の会に招かれるという新たな展開も登場。
3.11後に書かれたという第二話は心に響く。
第四話の傘地蔵のような話はホロリと来た。
続巻が楽しみ。

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紙の本

百物語

2019/07/09 18:01

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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る

おチカさんが聞く百物語の第3弾。
タイトルの「泣き童子」、怖いなあ。
でも、おちかさんの心がだいぶ回復して成長してる様子がよく分かります。

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紙の本

夏に読むのが一番

2016/06/26 16:15

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:やっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

静かな部屋で一人で読むのが物語の中に入れるのでオススメ。冷房を少し低めにかけて読めば雰囲気でます。

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紙の本

シリーズ中で一番バラエティーに富んでいる

2022/01/16 19:37

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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る

三島屋変調百物語第三弾です。ここには6篇収められている。この中に収められている作品群は、今までで一番バラエティーに富んでいる。なんじゃこりゃというのもあれば心温まるものもある。解説を読んで分かったのだが東日本大震災後に書かれた震災を想起させるものもある。再読してみたい。

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紙の本

告発者

2017/05/25 23:03

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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る

泣き童子はやりきれない話だった。己が罪を告発するのが…だったら。ラストシーンの後 どうなったのだろうか。

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