ブックキュレーターhonto編集員
こんな世界が到来したら?ゾクッとするディストピア小説の今昔物語
「ディストピア」と聞いてイメージされる、極端な反ユートピア的な近未来。実はこの世界観、そんなに遠い未来の話ではないかもしれません。今も昔もディストピア小説は、未来を言い当てているもの。それらの小説で描かれているのは、思想統制や禁書・焚書(ふんしょ)などが行われている世界。そんな世界になったら、あなたならどうしますか?
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世界大恐慌の最中の1932年に発表されたこの本は、独特でシニカルな文体と未来への鋭い洞察力で、今までさまざまな作品に影響を与えているディストピア小説です。大量消費の礼賛、人間に優劣をつけるカースト制、文化や文明の徹底的破壊。想像するだけで恐ろしい世界ですが、その後の世界で実際起こったことを予言していたのです。
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ディストピア小説の代表作。1949年の東西冷戦下で執筆されたことで、全体主義と思想統制への恐怖が真に迫っています。小説内に登場する「ビッグ・ブラザー」のような一党支配による政治世界は現実に健在で、思い当たる国も・・・。「ダブルシンク(二重思考)」などの新語を創り出し、後世の思想や文化に大きな影響を及ぼしています。
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『図書館戦争』と同様に、本の所持や読書が禁じられた世界を描いています。本が見つかると焚書官が駆けつけ焼却されてしまうという、本好きにはゾッとするディストピアが描かれています。主題は国家検閲の恐怖ではなく、テレビというマスメディアの脅威で、まさにテレビ時代の幕開けとなった1950年代の世相を写し取った予言的作品です。
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舞台は2019年の日本。悪書追放のための法律「メディア良化法」が制定されて禁書が定められ、情報を知る権利を脅かす世界が描かれます。「図書館法」に基づき、権力による検閲・焚書に異を唱え軍事的に組織された図書隊が対抗するさまは、まさに「知る自由」を守るための戦争。近い将来、そんな戦争が起こらないことを祈るばかりです・・・。
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