自分の信念を貫く！まっすぐに人生を生き抜く勇気を与えてくれる本

日本の石油王とも称される出光興産の創業者・出光佐三をモチーフとした壮大なスケールの小説。さまざまな陰謀や巨大な裏社会の力にはばまれ、いく度となく会社は廃業寸前まで追い込まれます。しかし、主人公の不屈の闘志で1人の解雇者も出さずに全員を守り抜きます。経営者の正義感に、魂が揺さぶられる物語です。　　

剣道の達人、柔道の達人、機械いじりの達人という還暦を迎えた3人の「ジジイ」たちが、町内で起きる悪事を斬る、現代版水戸黄門ともいえる勧善懲悪の王道物語です。劇中の悪は限りなくリアルなため、苦闘する主人公たちの姿にいつの間にか一緒に戦っているような、闘志と熱い感情を覚えます。

巨大病院のエリート中のエリート2人が主人公の物語です。作品が世に出てから、かなりの時が経ちますが、権力の腐敗や人間の愛憎の描写はまったく色あせることがありません。性格が真逆の主人公2人が己の信じる「正義」をかたくなに守り戦う姿に、魂を揺さぶられることでしょう。

消費者金融に努める主人公は、ある意味、社会の日陰に生きる存在ともいえるでしょう。きれいごとだけでは一歩も前に進めない世界で、主人公の根底に宿る正義感は、社会の矛盾と強烈にぶつかり合います。主人公の戦いを自分自身が理不尽な場面に遭遇した場合に重ね合わせて、勇気をもらうことができるはずです。

「半沢直樹」としてTVドラマ化され、有名になった原作本。『やられたらやり返す。倍返しだ』のフレーズにより単純な復讐劇と捉えられることもありますが、実際は、銀行に巣くう巨悪を成敗する中堅ミドルの奮闘がメインの物語です。主人公の生きざまに胸が熱くなるとともに、爽快な読後感を得られる小説です。