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世界各地に残る伝説の物語!雄大な世界が描かれた英雄叙事詩の古典
叙事詩とは、世界各地の固有の伝承を長大な詩の形で綴ったものです。各地域の英雄とその行動を中心にしたものが多く、「英雄叙事詩」とも呼ばれています。史実に基づく部分もあれば、伝説に近い部分もあり、その雄大さは近代の記録文学とは一線を画す魅力にあふれています。ここでは、世界各地に残されている代表的な英雄叙事詩を紹介します。
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『イリアス』と並ぶ、ホメロスによるギリシャ最古の英雄叙事詩です。トロイア戦争終結後の英雄オデュッセウスのさらなる冒険を描かれています。ゼウスなど、オリュンポスの神々が登場し、当時の人々にとっての神との距離感も感じることができます。後のヨーロッパ文学に大きな影響を与えているので、教養としても読んでおきたい一冊です。
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ベーオウルフ 中世イギリス英雄叙事詩
忍足 欣四郎(訳)
現存するイギリス最古の英雄叙事詩です。基本構造は非常にシンプルで、英雄であり、後に王となるベーオウルフと3体の怪物との戦いを描いています。最初が巨人、次が復讐にきたその母親、そして最後の相手が竜です。全体に重い話で、華やかというよりは質実剛健な趣があり、主人公の謙虚さが印象的な物語になっています。
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『マハーバーラタ』と並び称される古代インドの英雄叙事詩です。質の高い古典文学として、ギリシャの『イリアス』『オデュッセイア』に比肩すると言われています。英雄ラーマによる魔王に奪われた妻を取り戻すための戦いと、その顛末を描いています。インドの神々や怪物が数多く登場し、壮大で幻想味あふれた世界観を堪能できます。
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ニーベルンゲンの歌 改版 前編
相良 守峯(訳)
中世ドイツで成立した英雄叙事詩です。英雄ジーフリトや、その妻となる姫クリエムヒルトらが登場する、騎士たちの世界を描いた物語。最初は明るい雰囲気で展開していくのですが、とある事件から怨念渦巻く復讐譚へと変化していきます。陰惨な戦いのはてに待つ暗い結末が、独特な存在感を放っています。
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ロシア英雄叙事詩の世界 ブィリーナを楽しむ
佐藤 靖彦(編訳)
イリヤー・ムーロメツなど、さまざまな英雄が登場するロシアの英雄叙事詩『ブィリーナ』を紹介&解説した一冊です。紹介&解説だけではなく『ブィリーナ14選』と題して、全体の『ブィリーナ』の翻訳も掲載されています。解説を読みながら、『ブィリーナ』を読んでみたい方にぴったりの本になっています。
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