悪意・狂気にゾッとする！女流作家のミステリーズ短編集

全部で六つの作品が収められています。各作品に登場する人物が現実にいそうで、よけいに不気味さを増しています。なかでも作品「ひとりよがり」は、最後の光景を想像させ、ゾクッとさせてくれるでしょう。人間の悪意に焦点をあてて書かれている作品ばかりで、自分も巻き込まれるのではないかと錯覚するような一冊です。

全部で八つの作品が収められています。各作品で「食べ物」や「食事」に焦点があてられています。男女関係にまつわるミステリーが多い作者の作品ですが、この本の『弁当箱』という作品は、夫を亡くした妻とその子どもの描写に泣けます。悪意に翻弄される人間の切なさを想像すると、登場人物たちのその後が気になる作品ばかりです。

全部で11の作品が収められています。嫉妬や不満に囚われた女性の行動やセリフにリアリティがあり、性格や外見イメージの描写も巧みです。友達との間で、じわじわと育ってくる悪意。なかでも『髪』は、登場する主人公の表の顔と内なる思いの、その危ういバランスが崩れた瞬間の行動やセリフに注目して読みたい作品です。

全部で四つの作品が収められています。日常と狂気が紙一重であることが実感できる作品が多いです。食欲を止められない女性や孤独な老人など、喪失感や孤独によって今までと違う世界へ足を踏み入れてしまった女性が登場します。巻末エッセイの「たおやかな狂気」も作品をさらにおもしろくしています。

全部で10の作品が収められています。女性の執念がヒシヒシと伝わってくる作品ばかりです。登場人物やシチュエーションはさまざまですが、すべての作品に狂気を感じます。なかでも『きれい』は無理な美容整形をし、自分が崩壊してまでも復讐を果たすという執着や怨念を感じさせるゾッとする作品です。