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深く考えさせられる!哲学的なテーマを含んだ小説
もともと文学と哲学は密接しているジャンルですが、哲学的な要素が特別に強い小説、というものがあります。さらには著者が自身の哲学をわかりやすく表現するために、「小説」というジャンルを選択していることもあります。「哲学的な小説」というと難しそうな印象を受けますが、何度も読み返すことで新しい発見ができるものです。ここではそんな哲学的な小説を紹介します。
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異邦人
アルベール・カミュ(著) , 金原 瑞人(編) , Matthew Ward(英訳)
フランス現代文学を代表するの作家の1人である、アルベール・カミュの代表作。主人公の母親が亡くなった知らせが届くところから、小説は始まります。翌日、たまたま知り合った女性と一晩を過ごし、その後、トラブルに巻き込まれる形でアラブ人を射殺してしまい・・・。淡々と進む物語を追ううちに、「人間の生き方」について考えさせられます。
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嘔吐 新訳
ジャン‐ポール・サルトル(著) , 鈴木 道彦(訳)
実存主義を提唱したフランスの哲学者ジャン=ポール・サルトルによる小説です。主人公のロカンタンは研究者で、著者と非常によく似た人物。彼は「存在する」ということについて考えるたびに吐き気に襲われます。そしてその吐き気は、実存するものが無ではなく確かに存在する、ということを主人公に知らせるのです。
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わたくし率イン歯ー、または世界
川上 未映子(著)
著者の川上未映子は、大学で哲学を学んでいました。そして本書では「人はどの部分で思考するのか」ということがテーマになっていて、主人公はそれを「歯」だと考えます。一般的には人は脳で思考していると思われていますが、なぜ主人公は人間の本質を歯だと思うのか。そういったことについての文章が、小説というフォーマットで書かれた一冊です。
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本書は哲学者の永井均が小説風に書いた哲学入門書です。主人公は翔太という中学生の男の子で、夏休みのある日にインサイトという名前の猫がしゃべり始めます。インサイトは翔太に哲学の諸問題を『いまが夢じゃないって証拠は?』『心があるって、どういうこと?』など、わかりやすい形でぶつけ、翔太が哲学的に成長していくという物語です。
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