ブックキュレーターhonto編集員
背伸びをして見える新しい光景。多感な中学生にオススメしたい本
感受性が豊かな中学生の間に背伸びをしてみることは、大切なことです。つま先立ちをして、はじめて見える世界はとても鮮やかで、重要なインスピレーションをもたらしてくれます。ときには頭をぶつけて痛い思いをすることもあります。しかし、未知の光景や痛みの記憶があってこそ、大人への階段を登ることができるものです。そんな体験ができる本を紹介します。
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クローバー
中西 翠(著)
図書室の本にクローバーを隠す、そんないたずらが生んだ恋。けれどその相手は、親友の片思いの相手なのでした。中学1年生の初恋と友情が描かれた、淡い切なさの光る物語です。昨今、幼い子たちの恋が階段飛ばしになっているなか、初恋の正しい形を描いた本書は、恋愛の教科書としても優秀です。
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主人公は小学5年生のワタル。幸福な日常が突如として崩れ、絶望に飲み込まれそうになりますが、不幸な運命を変えるために「幻界」へと旅立つのでした。人間の醜さ、世界の理不尽さをリアルに描きつつ、ワタルの不屈の勇気、未来を切り拓く力を描いた絶妙なバランスが、思春期の狭間で揺れる青少年に、まさにぴったりです。
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高校全体で80kmの道のりを歩く「歩行祭」という行事。いつも見ている表情とは違う、夜の皆の顔。不思議な高揚感に包まれた行事を通して描かれる、大きな秘密、小さな賭けごと。青春の代名詞である高校生を目前に控える少年少女なら、誰しもが心踊り不思議な魅力にとりつかれる、唯一無二の味わいの物語です。
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