ブックキュレーターhonto編集員
「暗黒郷」の世界観。ディストピア世界が堪能できる物語
ユートピアの対義語として認知される「ディストピア」の社会。科学が発達し、あらゆるものが理性的かつ合理化され、徹底的に管理、統制された社会。曖昧なもの、感情的なものが許されない息苦しさは、架空でありながら現実味を帯びています。もしかすると明日の私たちの姿かもしれない、一種の絶望に充ちた世界観をぜひ体感してみてください。
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会社を辞めさせられた機械技師。自分がロボットになり、人間が機械のしもべになることを方針とした国際秘密クラブで開発した「R62号」を、かつての会社に送り込む復讐の物語です。高度な技術の発展がたどり着いた機械至上主義。現代人が妄想する機械との立場の逆転。奇妙な現実味を帯びた恐怖が潜んでいます。
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科学の発達によって、記憶や感情を持った人造人間が存在する世界。逃亡した人造人間の処理を生業とする主人公はやがて、人間と見まがうほど人間らしい人造人間と出会うのです。人間と人造人間の違いとは何なのか。ロボット産業が発達する日本において特に、発達する科学技術の裏側にある難題を想起させてくれる物語です。
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時は西暦2540年。人間は工場で生産され、快楽は配給制。一見すると不満のない世界。しかし、未開の社会から訪れたジョンの目を通して見れば、少しずつ管理社会の歪な部分があらわになりはじめるのでした。1932年に書かれたにもかかわらず、現代にも通じる管理社会の歪みは、リアルな気持ち悪さを読み手に与えます。
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舞台は近未来の日本。表現の規制が過熱した結果、「メディア良化法」を盾にした検閲と、本の自由を守るために戦う「図書隊」の物語です。決して作り話だと断言できないほど、日本の情勢に合わせたディストピア社会が描かれています。ただ娯楽として楽しむ以上に、行き過ぎた管理社会について考えさせられる小説です。
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バトル・ロワイアル 上
高見 広春(著)
少年犯罪が注目されていた日本で発表当時の世相を反映したような、政府主導で中学生同士を殺し合わせるという衝撃の物語です。全体主義国家と、殺人ゲームを通して描かれる絶望の数々。暴力を盾にした権力の暴走からなるディストピア社会は、恐ろしいまでの恐怖をはらんでいることを示しています。
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