ブックキュレーターhonto編集員
本格ロードノベルとはいえないけれど、ちょと変わった道中小説
ロードムービーをご存じですか?旅の途中で起こる出来事を描いた映画のことです。小説にもロードノベルというジャンルがあります。ご紹介する小説は、少し変わったロードノベルです。旅は主題ではありませんが、車内での時間が小説の中で重要な位置を占めています。移動中の車の中という、特殊な空間で展開していく人間模様に惹かれます。
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作者お得意のピカレスク・ロマン(悪漢小説)連作小説です。車中のシーンは表題作と第3章の「検問」にも登場します。「残り全部バケーション」は夫婦の離婚と娘の独立で離散予定の一家と、悪事から足を洗いたい男・岡田が、なぜか初対面で一緒にドライブをします。ちょっぴりの切なさにユーモアをまぶして描かれた秀作です。
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事業に失敗し妻子とも別れた40歳の主人公の安男。その彼が心臓病の母に手術を受けさせるため、百マイル(160km)離れた病院へとワゴン車で連れて行くお話です。母の病気に直面してから病院へ搬送するまでの主人公の様々な葛藤が巧みな筆致で描かれ、車中で語られる母から息子への言葉には思わず心打たれます。
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