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謎多き写真家、ロバート・キャパが気になったら読みたい本
スペイン戦争で撃たれた瞬間を撮ったという「崩れ落ちる兵士」で世界中に知られ、多くの傑作を残した写真家、ロバート・キャパ。その名前は、元々ある女性との共同作業のための偽名でした。戦場写真を代表する写真家 キャパの全体像とその謎に触れることができる本を紹介します。その謎を知ることは、ドキュメンタリー写真の本質に迫ることにつながるでしょう。
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ちょっとピンぼけ
ロバート・キャパ(著) , 川添 浩史(訳) , 井上 清一(訳)
ロバート・キャパ自身による第二次大戦従軍記。友人の作家 ヘミングウェイが登場し、女性とのロマンスなどで読ませる物語です。キャパの明るさとユーモアがあふれていますが、同時に、ハンガリー系ユダヤ人という戦争で迫害を受けた民族の悲しみも感じられる傑作です。
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ロバート・キャパ 決定版
ロバート・キャパ(撮影) , リチャード・ウェラン(編)
キャパの残した7万枚以上のネガから、キャパの弟で写真家のコーネル・キャパとキャパの伝記作家 リチャード・ウェランが937枚を選出した写真集。有名なスペイン内戦や連合軍のノルマンディ上陸の写真、フォトエッセイ、遺作のインドシナ戦争の写真などからキャパの写真の全体像が浮かび上がります。
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ゲルダ・タロー ロバート・キャパを創った女性
ジェーン・ロゴイスカ(著) , 木下 哲夫(訳)
当初、アンドレ・フリードマンとゲルダ・タローが架空の写真家として作り出したのがキャパです。2人は一緒に戦場写真を撮っていましたが、不幸な事故でゲルダは亡くなり、以降、アンドレのみがキャパとして活躍しました。そのゲルダの短い生涯に焦点を当て、2人の写真と人生を描いています。
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キャパの十字架
沢木 耕太郎(著)
『深夜特急』で知られる作家・沢木耕太郎はロバート・キャパを追い求め、「崩れ落ちる兵士」は本当にキャパが撃たれた瞬間を撮ったのかという謎に取り組みました。わずかに映る山や草木から場所や撮影の角度、使われたカメラを割り出すなど、その探究をスリリングに描き、読者を魅了します。
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ロバート・キャパの謎 『崩れ落ちる兵士』の真実を追う
吉岡 栄二郎(著)
美術館でキャパの写真を収集してきた専門家による、沢木耕太郎『キャパの十字架』をふまえた反証です。「崩れ落ちる兵士」は演出で撮影は本人でないという説に対して、キャパとゲルダの足跡を追いプリントを検証して「異なる撮影状況や撮影者は、やはりキャパだ」など、新たな説をさらに詳細に展開しています。
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