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耽美な世界観がたまらない!恐ろしくも官能的な吸血鬼小説
ファンタジーやホラーに欠かせないモンスターのなかでも、吸血鬼は特別な存在といえるでしょう。ただ恐ろしいだけではなく、不死性と性行為を連想させる吸血行為が吸血鬼を妖しくも魅力的な存在へと押し上げ、官能的とすらいえる耽美な世界観を醸し出しています。ここではそんな吸血鬼の魅力を、十分に堪能することができる小説を紹介します。
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吸血鬼ドラキュラ
ブラム・ストーカー(著) , 平井 呈一(訳)
血を求めてロンドンへ現れた吸血鬼のドラキュラ伯爵が引き起こす、身の毛もよだつような恐怖を描いたゴシック・ホラーの金字塔です。強烈な恐ろしさと様式美を兼ね備えたドラキュラ伯爵の圧倒的な存在感は、いくら年月を経ても色あせることはないでしょう。吸血鬼に興味があるのなら、ぜひ一度は読んでおきたい小説です。
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吸血鬼カーミラ
ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュ(著) , 平井 呈一(訳)
表題作は、19世紀のオーストリアを舞台に女性ばかりをねらう美しき女吸血鬼の暗躍を描いた小説です。その独特な世界観は、後の吸血鬼小説の傑作『吸血鬼ドラキュラ』に多大な影響を与えたといわれています。また妖艶なレズビアニズムを連想させ、怪奇小説ながら百合族のバイブルとも呼ばれるなど、その耽美な世界観に圧倒されてしまうかもしれません。
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ヴァンパイア・レスタト 上
アン・ライス(著) , 柿沼 瑛子(訳)
アン・ライスの「ヴァンパイア・クロニクルズ」シリーズの2作目で、本書では主人公レスタトが吸血鬼になるまでの経緯と、その後の奇妙な遍歴が描かれています。性別はおろか、家族関係まで超越した吸血鬼同士の妖しい関係。それを官能的に描いているこの小説では、美しい吸血鬼たちの耽美な世界観に深く酔いしれることができるでしょう。
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禁欲を誓った僧侶がクラリモンドという名の娼婦に心を奪われ、身も心も堕落していく・・・という物語です。妖しいまでの美しさを誇るクラリモンドは、ある恐ろしい秘密を抱えていました。19世紀のフランスを舞台に聖職者の敵である肉欲を端的に具現化した短編小説で、吸血鬼を「禁断の果実」として表現したゴシック・ホラーの佳作です。
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「貴族」と呼ばれる吸血鬼たちが巨大な勢力をもつ世界で、吸血鬼狩りを生業とする「D」という名の美しきダンピール(吸血鬼と人間の混血)の活躍を描いた「吸血鬼ハンター」シリーズの1作目。吸血鬼がかもし出す妖しい世界観と血沸き肉躍る冒険活劇の両方が堪能できる、なんとも贅沢なダーク・ファンタジー小説です。
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